#落語 #寄席
【池袋演芸場八月上席昼の部三日目】2023年8月3日(木)
前座 小きち「松竹梅」
落語 さん光「反対俥」
落語 柳勢「豊竹屋」
奇術 夢葉
落語 木久蔵「こうもり」
落語 甚語楼「千早ふる」
漫才 風藤松原
落語 さん喬「締め込み」
落語 正蔵「おすわどん」
太神楽 翁家社中
落語 白酒「粗忽長屋」
~仲入り~
落語 馬治「真田小僧」
落語 正朝「蔵前駕籠」
紙切り 二楽(芸者「甲子園「一之輔師匠)
落語 一之輔「青菜」
池袋演芸場へ。落語の寄席はほぼ2か月ぶり。平日昼間に立見の出る大盛況で暑いし熱い。あー楽しかったー!
さん喬師は締め込みショートバージョン。ウンデバがなかったのが寂しいけど、持ち時間に合わせて上手にカットするよなーと、改めて感心。マクラでは、「日によって客の入りがだいぶ違う、どんな噺家が出てもこれくらい客に入ってほしい」と理事としての弁。そういえば思いだす、今年一月のさん喬師主任の芝居、わたしの行った日の入りが20人くらいだったこと……(涙)。
あと、はる乃師匠と勝千代師匠の素晴らしさはもちろんとして(はる乃師匠のキレとパンチと客を乗せるうまさ、勝千代師匠の天真爛漫な朗らかさと繊細な節回し)、若手の3人がそれぞれとてもよかった。開口一番の綾さんはキャラクターもいい。前々から声が素晴らしいと思っていたすみれさんは、さらに声の伸びやかさが増して節回しもとてもよかった(調べたらすみれさんは東京芸大の音楽で大学院を出ているのだそう)。三可子さんも切々とした感じがよかったなー。
駆け出しファンとしては掛け声の掛け方を教わったのもよかった。実践できるかどうかはさておいて。浪曲の掛け声の掛けどころは4か所。まず、演者が入ってきたら「待ってました!」 それから、「今日は○○をやります」と演者が演目を述べたら「たっぷり!」次に、最初の一節(これを外題付けというらしい)を終えたところで「名調子!」最後は、終わったところで「日本一!/大統領!」など。今日は練習だったからやってみれたけど、実際にこれを実践するのは駆け出しファンにはまだ無理かな。
#浪曲
【浪フェス2023】2023年7月22日(土)13:00-16:30@浅草木馬亭
★演順決めあみだくじ
綾(ノリ子)「十返舎一九とその娘」
はる乃(道世)「将軍の母」
勝千代(美舟)「慶安太平記 箱根山」
~仲入り~
★掛け声掛け方講座
すみれ(ノリ子)「関孫六伝 恒助丸の由来」
三可子(道世)「三日の娑婆」
雲月(美舟)「若き日の小村寿太郎」
※曲師さんの順番は違っているかもしれない※
演順をあみだくじで決めたり、掛け声を練習するコーナーがあったり。満員の熱気も相まってすごく楽しい会だった。結局、芸能生活55年(!)の雲月師匠がトリになったけど、若い方々も伸びやかでほんとに良かったし、少しお姉さんの方々も安定の素晴らしさ。そして何より、トリの雲月師匠、初めて聴いたけど、ザ・浪花節というか、本当に凄かった。貫禄と迫力もさることながら、啖呵の表現の細やかさといい、節回しといい。やっぱりさすがという感じだった。
#浪曲
ドキュメンタリー映画『絶唱浪曲ストーリー』を観てきた。支えられ、支え、支えている側も支えることで支えられている。登場する方々の温かさに胸がいっぱいになった。最後のほうは涙止まらず。
浪曲に限らず、演芸ずきな人の心にきっと響くのでは。
あと、猫のあんちゃんの優しさと可愛さったら😻
#浪曲
【木村勝千代独演会】2023年7月15日(土)14:00~15:30@アートスペース兜座
勝千代(美舟)「安兵衛道場破り」
トーク(勝千代+杉江松恋)
~仲入り~
勝千代(美舟)「まつり浴衣」(清水一朗作)
6月の木馬亭でハートを射抜かれた勝千代師匠の独演会にはじめて行ってきた。ぜんぶで20人くらいしか客がいない小さな空間に、マイクなしで。なんて贅沢な会。
浪曲初心者ゆえにどう表現していいかわからないけど、その節回しがなんともいえない細かさというか、人間じゃないみたいに美しい。裏声部分もコロコロと。ただただうっとり聴き惚れた。こんなふうに歌えたらどんなに気持ちがいいだろう……(妄想中)。せりふの部分もかっこいい。そして曲師の美舟さんも、今日も真っ黒のお着物で素敵だった。
一席目はコミカルに。二席目は落語の新作を多数手掛ける作家さんの作品らしかった。たしかに落語でもよさそうだけど、最後の部分、あれは歌い上げるからなおさら心に響く気がした。あの場面で終わるのもいいなぁ。あのあとどうなったんだろうと想像を掻き立てられる。とにかく途中からハンカチの出番がありすぎた。
#落語
2023年7月7日(金) 七夕四景(上)@国立劇場小劇場へ
枝平 浮世根問
一之輔 かぼちゃや
雲助 星野屋
〜仲入り〜
三三 夏医者
さん喬 唐茄子屋政談
これは珍しい。どうしてしまったのだろう、一之輔師がかぼちゃやをやったのに唐茄子屋政談をかけるとは。うっかりしちゃったのかな。おかげで思わぬところで笑いが何度も入ってしまい、その度さん喬師はどうにかかぼちゃやの中身をくすぐりに混ぜてしのいでいたけど、やりにくかったと思う。そのせいもあるのか、最後の「俺は八百屋だっ!」の啖呵のところも順番間違えちゃったけど、それもご愛嬌ということで😅 「しらたきが口の中で結ばれる」も入ったフルバージョンだったので、話がついてしまったこと以外はとても良かった。
#浪曲 #寄席
【木馬亭七月定席五日目】2023年7月5日(水)
浪曲 わ太(みね子)「不破数衛門の芝居見物」
浪曲 恭太郎(金魚)「野狐三次 木っ端売り」
浪曲 はる乃(美舟)「真柄のお秀」
浪曲 奈々福(まみ)「茶碗屋敷」
~仲入り~
浪曲 菊春(美舟)「神田松五郎」
講談 織音「安井息軒物語」
浪曲 琴美(金魚)「東雲座」
浪曲 太福(みね子)「男はつらいよ第17作 寅次郎夕焼け小焼け」
今日は何といってもはる乃師匠だ。すんばらしかった、たのしかった、すごかったー。声も節も本当に聞きほれちゃうんだけど、それだけじゃない、弾けるようなリズムというかグルーブ感というか。表情豊かで折々くすぐりも混ぜ、客席を乗せに乗せて引っぱっていく。噺自体も面白かったが、あそこまで楽しくなるのはきっとはる乃師匠だからこそじゃないのかな。超初心者だけどそう思う。4月に聴いたときの黄門さまの散財合戦もほんとに楽しかった。この人、絶対すごい(超初心者だけどそう思う)。
さん喬「笠碁」
出てくるなり「何がいやって、喬太郎のあとでやるのが一番いやだ」(笑)。そうだろうね、会場がああいうわやわやした雰囲気になっちゃうから。でも、そこから真逆のゆったりほのぼのの笠碁。間も多い噺だけど、あっというまに大きな会場を引きこんでしまうからすごいなあ。今日も美濃屋のおばあさんの膝には可愛い猫が見えたよ。なんとなく三毛かな。
志らく「洒落小町」
前半の三人が、会のタイトルにもなっている鯉昇師匠の何らかのエピソードを語ったのに対し、志らく氏はいっさいそういうのにつき合わず、用意したマクラから入った。この辺が立川流たるゆえんなのかな。それはさておき、まあ出るわ出るわ、言葉の奔流。志らく師は久しぶりだったので、そうだ、こういうんだったと思いだすのに時間がかかったが、時事ネタを扱ったマクラも本編も、言葉に絡めとられて流されていくような不思議な間隔で面白かった。「北の宿から」のメロディで「りんごの歌」を歌った(その逆も)のがおかしかったな~。そして歌が達者なんだわ。
鯉昇「船徳」
そのほんわかとした雰囲気のなせるわざか、ここでどうにも眠くなってしまって、ほとんど覚えていない……ごめんなさい。<(_ _)>
#落語
【円楽プロデュース 江戸東京落語まつり2023~鯉昇のこの指と~まれ!~】2023年7月4日(火)13:00~15:35@よみうり大手町ホール
一之輔「加賀の千代」
喬太郎「綿医者」
さん喬「笠碁」
~仲入り~
志らく「洒落小町」
鯉昇「船徳」
普通なら滅多なことでは見られない団体横断的な5人の会。前半は見慣れた景色だったが、後半の志らく師がやはり異彩を放っていて新鮮で面白かった。
一之輔「加賀の千代」
この人の与太郎モノの面白さはほんとにすごいなあといつも思う。与太郎的な人物を、周囲が徹底的に面白がってしまう。甚平が大好きなこの医者の返答や行動のほうが、甚平自身の言動の奇矯より面白さでまさってしまうところが一之輔師らしいというかなんというか。
喬太郎「綿医者」
髄膜炎のマクラを久々に聴いた。そうそう、このマクラのときはかならず綿医者だったね、と思いだす。マクラ15分、本編5分くらいの(いつもの)感じ(^^)。
なんたって一番驚いたのは「死神」。ここ2か月で3回目の死神だったけど、毎回演出が変わって、今日のが決定版というくらいにすごかった。1回目=死神の高笑いの中幕が下りる。2回目=死神の高笑いの背後に三味線が響き、客席の照明が全部落ち、明転すると幕が下りている。3回目(この日)=まず死神に引っぱられて真っ暗な洞窟に入るところで一度客席の照明が全部消える→ろうそくのともった場所に着くと再び照明がON。最後、2回目と同じ演出に加え、死神の「消えた、消えたよ!」の声が初めは中央で、そのあと確かに向かって右手から聞こえた。会場まっくらだから、死神が移動しているみたいで恐ろしいことこの上なし。照明ついたら幕が下りていたが、客席しばらく呆然として、それからようやく大拍手。師匠の探究心ったら!
あと、今日思ったのは、師匠の会はまさにキッチンいなばだな、ってこと。その日の美味しいものをお腹いっぱい食べて帰ってもらいたいというもてなし心がはちきれんばかり。出し惜しみせず、いつもこれも食べて、あれも食べてと身を削って出してくれる。ありがたいったらない。昼の部2時間45分、夜の部3時間のフルフルコース。ごちそうさまでした。
#落語
【さん喬独演会】2023年6月24日(土)@三鷹市星のホール
[昼の部]
小きち「松竹梅」
さん喬「水屋の富」
さん喬「船徳」
~仲入り~
喬志郎「信心」
さん喬「死神」
[夜の部]
左ん坊「道具や」
さん喬「千両みかん」
さん喬「品川心中(上)」
~仲入り~
小傳次「鹿政談」
さん喬「百年目」
はじめて昼夜でチケットをとってみた。聴きたかったリストの「水屋の富」と「千両みかん」が一挙に聞けてうれしー。水屋の富の水屋の気持ちはすごくわかる。最後の金を獲られたあとの嘆きから安堵に変わるところは、見事としかいいようがない。千両みかんはみかんをおいしそうに食べるさまはもちろんだけど、みかん蔵をあけて、ふわーっと冷気が漏れてくるところの所作が昔から大好き。
キョン師が好きだというさん喬師の「品川心中」は生では初めて聴いた。もしかして27日の古典の風でかけるのかな(キョン師のリクエストで)。その練習かもともちょっと思ったり。ともかく、手入れが入ったかと勘違いして大騒ぎになる親分宅の描写が楽しかった。お染に仕返しにいくところまではやらずに前半のみ。