【阿久鯉・奈々福二人会】2024年5月20日(月)18:00~@上野広小路亭

落語 しゅう治「権助魚」
講談 奈々福「鉢の木 いざ鎌倉」
浪曲 安久鯉・奈々福「阿漕ヶ浦」
トーク、仲入り
浪曲 奈々福・まみ「小田原の猫餅」
講談 安久鯉「長門守木村重成の最期」

2回目となったこの二人会。前回予告されていた通り前半は「天地会」として、互いの芸を交換。張扇を持つ奈々福さんと、奈々福さんの三味線で唸る阿久鯉さんという貴重な光景を拝めた。後半、本来の芸に戻ったお2人の安堵の表情ったら! トークを含む全体を通して、2つの芸の魅力・違い・難しさが改めて感じられる素敵な会だった。

講談 奈々福「鉢の木 いざ鎌倉」
こちらは何となく想像ができたとおり、台本を見ながらも滑舌よくうまく進めていたとのがすごいなあ。でもやっぱり張扇の音が全然違うのと、すごく滑らかに語っているのに内容がほとんど入ってこない。この辺が本業の方との違いなのだろうな。当たり前だけど。この演目は、入門したての講談師がまず習うものなのだそう。和綴じの台本が綺麗だった。


【木村勝千代独演会】2024年5月19日(日)14:00~15:40

勝千代「秋山の民話より 姥捨山」
トーク 勝千代&杉江松恋
仲入り
勝千代「原爆の母」
曲師 広沢美舟

今日は何を思ったか、時間を一時間間違えるという痛恨のミス。東京駅に着いた時点で開演時間を過ぎていた。今日は特別な一席をかける日なのに、それを先にやっていたら後悔してもしきれないと、半泣きで走りに(休みつつ)走って、どうにか一席目の残り15分は聴けた。何度か聴いている演目でよかった。あー、ほんとに青ざめた。

そして二席目は、昭和の一世を風靡し、美空ひばりも真似をしたと言われる歌謡浪曲の天津羽衣さんの一席。十代の勝千代さんが、ご当人から演じることを許されたのだという。それを美舟さんが浪曲の三味線に仕立て直したらしい。


【隼人とはる乃二人会】2024年5月11日(土)13:00~15:40@木馬亭

隼人・さくら「鯛」(桂三枝作)
はる乃・道世「将軍の母」
~仲入り・抽選会~
はる乃・道世「英国密航」
隼人・さくら「南部坂雪の別れ」

3月の定席で「おっ」と思った隼人さんとはる乃さんの二人会。隼人さんは一昨年の花形演芸大賞の金賞受賞、はる乃さんは昨年の同銀賞受賞。ともに二十代で10カ月しか年が違わないという若さ。若々しい力強い声に圧倒される会だった。しかもほぼ満席の盛況。

隼人さん、一席目は桂三枝の新作落語の浪曲版。いかにも上方の芸人さんという感じ。面白かった。

はる乃さんはいつも通りの本当に美しい声に聴き惚れる。こんなふうに歌えたらどんなに気持ちがいいことか。

圧巻だったのは隼人さんの二席目。討ち入り前に浅野内匠頭の未亡人を訪ねる大石が、未亡人にも本心を告げずに雪の南部坂を去っていき、じつはその夜に討ち入りが、という噺。素晴らしい声量と、入魂の演技で、節のパートすべてで拍手が起きる。終盤の盛り上がりの凄さ。テンポよくぐんぐん畳みかけていく。思わず足でリズムをとりながら、すごい声節の中に吸いこまれてトランス状態一歩手前というくらいに聴き入った。ものすごい迫力だった。やっぱりいいな、隼人さん。


【浪曲かるた亭 vol.27】2024年4月19日(金)18:00~19:45@奥野かるた店

初生浪曲なのに、なぜかすでに曲師の美舟さんの熱烈ファンの友人と一緒に(^^)。いつものようにたっぷり三席。お席亭さんが話していらしたように、バラエティ豊かな演目で、今回もすごく楽しかった。しかも木戸銭が破格の価格!

かおり「若き日の小村寿太郎」
恭太郎「鰍沢」
~仲入り~
はる乃「関の弥太っペ」(長谷川伸作)
曲師:美舟

かおり「若き日の小村寿太郎」
マクラのちくわぶ談義ですっかり心をつかまれた。それに、すでに成人したお子さんがいて、九州にお住まいで、でも浪曲が大好きで、たった一度の人生だからと上京・入門に踏み切ったその覚悟と熱意にも胸打たれる。まだ前座さんだから節や啖呵はこれからかもしれないけれど、声はきれいだし、まっすぐな瞳も美しく、(ちくわぶ好きな東京者としては)がぜん応援したくなった。がんばれ。


【梶原いろは亭 三月「浪曲の日」】2024年3月31日(日)13:00~15:00@梶原いろは亭

浪曲 琴哉・金魚「恋と武士」
紙切り漫談 紙太郎(パンダ、茶トラ猫、兜、曲師)
~仲入り~
浪曲 恭太郎・金魚「神崎与五郎 東下り」
浪曲 勝千代・まみ「からかさ桜」

初めて伺う梶原いろは亭は、ごくごくこじんまりした地域寄席。30人くらいしか入らないので、どこからでも見やすく、足がゆっくり伸ばせ、各座席の下には荷物を入れるかご付き。トイレもきれい。建物も新しい。ちょっと遠いけど、顔付けがよければまた行ってみてもいいな。予約して行ったら500円引きになった。ラッキ。ともあれ、今日は客が7人しかいなかったので、率先して拍手したり、頑張って勝千代さんのときに「待ってました!」と「たっぷり!」の声をかけ、紙切りのときも率先してお題を叫んで、ちょっと頑張り疲れ。かえって勝千代さんにご迷惑だっただろうかと帰路悩む小心者。
(外観の写真を撮り忘れてしまった。3枚目はトイレの手洗いの蛇口。井戸みたいで楽しい)


【かつちよかいvol.18】2024年3月26日(火)19:00~20:40@荻窪ア・ビアント

昨日は、一度ぜひ浪曲を聴いてみたいという友人と一緒に「かつちよかい@荻窪ア・ビアント」へ。人生初浪曲を終えた友人は、「浪曲のイメージがガラリと変わった、第一声から圧倒されてのけぞった、ものすごく楽しかった、絶対また聴きたい(そしてお店のチーズケーキが美味しすぎる)」と興奮&感激の面持ちだった。よかった。彼女のことだから、帰宅後はきっと今日の体験をご家族に熱く語って聞かせたに違いない。

勝千代「お玉ヶ井」
~仲入り&ケーキタイム~
勝千代「からかさ桜」
曲師:まみ


【浪曲広小路亭 勝千代・はる乃二人会】2024年3月24日(日)13:00~15:20@上野広小路亭

勝千代・美舟「甲州街道桃太郎伝説」
はる乃・道世「忠治関宿」
~仲入り~
はる乃・道世「弁慶と牛若」
勝千代・美舟「武田信玄」

この二人の二人会だなんて、おいしすぎる。願ったり叶ったりとはこのことだ。もういっそ毎月やってほしい。デビュー10年のはる乃さんと、復帰10年の勝千代さん。昨年花形演芸大賞で銀賞を受賞したはる乃さんと、上野原市PR大使の(この対比が好き)勝千代さん。はる乃さんのピーンと張った素晴らしい声と小気味よいきれのよさ。勝千代さんのダイナミック&ドラマチックな節回しとスケールの大きな圧巻の声。4席たっぷり浴びて堪能した。聴きごたえ満天の大満足な会だった。


【泉岳寺浪曲会】2024年3月17日(日)14:00~15:40

き太・まみ「不破数衛門の芝居見物」
勝千代・まみ「安兵衛道場破り」
~仲入り~
琴美・博喜「赤垣源蔵徳利の別れ」

ぽかぽか陽気の青空の下、大勢詰め掛け、声もたくさん飛び、義士ゆかりの地でゆかりの三席、とてもいい会だった。。

き太・まみ「不破数衛門の芝居見物」
つねに初々しさ全開のき太さんだが、今日は堂々伸び伸びと声が出ていて、とてもよかった。この噺は前座噺で、いつも15分の尺でしか聴いたことがなかったけど、今日ようやく最後までの筋がわかった。粗忽者の話は他人事とは思えない(^^)。

勝千代・まみ「安兵衛道場破り」
まみさんは、まさに今日がデビュー5周年の日だと勝千代さん。連続で弾くことを「縦弾き」というらしく、そこに成長を感じたとも話していらした。息もぴったりで、何度聴いても楽しい一席。場内もたくさん笑いが起きて大盛り上がりだった。

琴美・博喜「赤垣源蔵徳利の別れ」
この一席はよかったなー。講談版と違い、源蔵が帰ったあとから始まるこの型、講談版より好きかもしれない。先日木馬亭で聴いたときよりさらにひときわ心にしみて、あちこちで目をぬぐう人、鼻をすする音。聴き応えたっぷりだった。


【木村勝千代独演会】2024年3月9日(土)14:00~@アートスペース兜座

勝千代「お民の度胸」
トーク with 杉江松恋
~仲入り~
勝千代「からかさ桜」
曲師:美舟

「お民の度胸」は、2022年12月に末廣亭で初めて浪曲を聴いたときの演目(奈々福&美舟ペア)。先日も奈々福さんで聴いたが、演者が変わると人物像もがらりと変わる。奈々福さんのお民は、凄みも感じさせる肝の座った大人のいい女系。勝千代さんのお民はべらぼうに可愛く、ただただ亭主に惚れているあまりに蛮勇が湧いたようなタイプ。つややかな声も可愛い色気にあふれ、お民にぴったり。

【かつちよかいvol.17】2024年3月3日(日)18:00~19:15@丸美京屋ギャラリー

勝千代「子は鎹」
勝千代「甲州街道桃太郎伝説」
曲師:まみ

木馬亭のあと軽く食べてから会場へ。初めて伺ったけれど素敵な空間で、しかも音の響きが素晴らしい。勝千代さんのダイナミックで迫力満点の生声と超絶の節がズドーンと響き、まみさんの三味線もひときわ冴え冴え。帰り際に勝千代さんにそのことをお話ししたら、この会場はのどが痛くならないとおっしゃっていた。音を吸ってしまうような会場だと、その分無理に声を出して痛めることもあるらしい。
あと、まみさんの帯が素敵だった

「子は鎹」は、落語の「子別れ」よりはるかにあっさり&さらりとしつつも、節がドラマチック。
「桃太郎」は今日も「退治しないバージョン」。お稽古では退治したらしいのだが、結局本番では退治せず。わたしもこの噺は三度目だけど、まだ一度も退治バージョンを聴いたことがない。いつか聴けるのか。勝千代さん自作のこの噺は、上野原や山梨のご当地要素が満載で、かつ笑いと涙と感動の溢れる楽しい名作だ。

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【木馬亭三月定席三日目】2024年3月3日(日)12:15~16:10@浅草木馬亭

柳一・一貴「深川裸祭の由来」
綾・ノリ子「吹雪に咲く花」
小そめ・博喜「宮様と自転車」
隼人・さくら「大高源吾 松浦の太鼓」
~仲入り~
勝千代・まみ「鉢かつぎ姫」
講談 真紅「伊勢屋多吉」
小柳丸・道世「千人坊主」
順子・貴美江「一妙麿」

今日は元日以来の一日完全オフの日。昼夜浅草で浪曲三昧した。まずは木馬亭の定席。日曜日なのに入りが少なく、拍手や掛け声も薄くて、演者にも客にも気の毒な日だった。でも知らない噺が多くて楽しかった。あとで勝千代さんがツイートしていたけど、この日は珍しく曲師が全部別々。たしかに、普通は4人くらいで2席ずつ程度受け持つものね。


【三門綾・年季明け興行~鵬程万里~】2024年2月24日(土)13:00~16:00@木馬亭

はる乃・豊子「水戸黄門漫遊記 散財競争」
奈々福・豊子「清水次郎長伝 お民の度胸」
~仲入り~
口上・三本締め
琴美・明「赤垣源蔵 徳利の別れ」
柳・美舟「唄入り観音経」
綾・美舟「紺屋高尾」

晴れの門出を一目見んと満員の観客で凄い熱気。柳師匠の口上は、巣立つ弟子への思いと、自身の亡き師匠を偲ぶ気持ちが止めどなく溢れていて、聞いているこちらもついもらい泣き。綾さん渾身の「紺屋高尾」は、久蔵と綾さんの両方の真心が重なってまっすぐ胸に響いた。行ってよかった。

はる乃・豊子「水戸黄門漫遊記 散財競争」
ノリノリで、いつ聴いてもほんとに楽しい一席。

奈々福・豊子「清水次郎長伝 お民の度胸」
思えば初めて聴いた浪曲が奈々福さんのこの演目。今回も短く、ちょうどいいところで時間となるところも楽しい。来月は勝千代さんでこれを聴くので、比較対象の基盤ができてよかった。

琴美・明「赤垣源蔵 徳利の別れ」
浪曲版とも、奈々福版とも違って面白い。聴きはじめて約1年、ようやく「同じ噺を別の流派で聴くとだいぶ違うね」という経験ができはじめてきた。


【浪曲かるた亭 vol.25】2024年2月16日(金)18:00~19:45

柳一・一貴「忠治関宿落ち」
三可子・貴美江「江藤新平と芸者お鯉」
~仲入り~
はる乃・貴美江「文七元結」

二度目のかるた亭。会場である神保町の奥野かるた店二階は、珍しいかるたやカードのコレクションが並び、背景にもかるたをあしらった幕がかかるなど、独特の素敵な雰囲気。しかも、マイクはないのだがとにかく聴きやすい。たっぷり三席聴けて木戸銭が1500円って、いいんでしょうか。

柳一・一貴「忠治関宿落ち」
このコンビでこの演目は二度目だけど、前座さんとは思えないほど落ち着いていて、節回しも細やかで、啖呵も時代劇を観ているかのように場面がくっきり浮かぶ。女流びいきのわたしだけど、男流の中で柳一さんは相当気に入っている。今後が楽しみ。


【玉川奈々福ど、どど、どく、どくえんかい】2024年2月7日(水)19:00~21:15@新宿道楽亭

奈々福「天保六花撰より 河内山宗俊 上州屋玄関先」
~仲入り~
奈々福「浪花節更紗」(正岡容原作)
曲師:美舟

浪曲は太福さんの短いやつしか聴いたことがないという友人と一緒に。終わって友人は、太福さんと全然違う全然違うと何度もいい、歌の凄さに感動した模様。それをあの小さな空間で聴ける贅沢。

確かに二席ともいつものようにとても素晴らしかったのだけれど、それぞれのマクラがわりの少し長めのトークの中で、先月亡くなった八代亜紀さんとの仕事の思い出や、今後に向けて温めているさまざまなプラン、30周年記念の能楽堂公演への思い、さらには国境を越えた今秋の壮大な企画の話などを聞くにつれ、この方はもはや浪曲を超えた存在なのだと改めて思った。節や啖呵の見事さという浪曲師としての技量が秀でているのみならず、その知識、知性、頭脳、つくる力、組み立てる力、魅せる力、大きなプロデュースをしていく力は、浪曲師の枠にとどまらない。ファンとして応援したい人というより、凄さを仰ぎ見るまばゆい人だと感じた。


【木馬亭二月定席初日】2024年2月1日(木)12:15~16:10

今日は曲師・沢村豊子師匠の数え米寿のお祝い公演(本当は先月に予定されていたが豊子師匠がインフルエンザで延期)とあって、木馬亭の前にはいくつも花が出て、館内も平日にもかかわらずほぼ満席の熱気。演者はそれぞれが豊子師匠への思いやお祝いの言葉をマクラに口演を務めていき、本日の目玉であるトリの奈々福さんの新作「沢村豊子解体新書 たーへるあなとよこ」は幾重にも工夫の凝らされた、愛溢れる(でもよく考えたら可笑しいったらない)素晴らしい一席だった。

奈みほ・豊子「松山鏡」
志乃ぶ・美「みみず医者」
綾那・博喜「貝賀弥左衛門」
恵子・貴美江「千両みかん」
~仲入り~
一太郎・美「大高源吾 腹切魚の別れ」
講談 安久鯉「水戸黄門記 出世の高松」
琴美・貴美江「燃える絆」
奈々福・豊子「沢村豊子解体新書 たーへるあなとよこ」


昨日は木村勝千代さんのかつちよかい@ア・ビアントへ。コーヒーの香漂うアットホームな雰囲気の中、愉快痛快な安兵衛道場破りで大笑いし、ドラマチックな芝浜の革財布に聴き入った。芝浜、また聴けて嬉しい。ただでさえ凄い節が一層細やかな気がして、どうすればこんなに自在に声を操れるのかと感嘆。

もう語彙が全然足りないので、とにかく騙されたと思っていっぺん聴いてみてー!と叫びたい。勝千代さんの演じる女房は、芯があってシャキッとしてるけどとっても可愛い。「だってばさ」のセリフと、「白川夜船~♪」のところがとくに好き。お誕生日のまみさんも速弾きカッコよかった🎂

講談 阿久鯉「義士銘々伝 赤垣源兵衛徳利の別れ」
この話は安久鯉さんで一度、奈々福さんで一度聴いたことがある。しみじみした情感みなぎるいい話だなあこれも。昭和な日本人の心情にドンピシャくるね。討ち入りを肯定するつもりにはなれないけれどもね。安久鯉さんの語りがまたね、本当にどうしてこんなに引き込むんだろうか。しみじみと、でもドラマチックに聴かせに聴かせてくれた。とてもよかった。

そして最後に爆弾発表! 来年以降もこの2人で続けていきたいと抱負を語ったあとで、安久鯉さんからなんと、「次回はてんちかいをやりたい」と。転地会と書くのかな。天地会かな。ともあれ、それは互いに相手のジャンルで演じる、つまり奈々福さんが講談を、そして安久鯉さんが浪曲を!!! 場内のどよめきったらなかった(^^)。奈々福さんの講談はまあ想像がつく。でも浪曲は節があるし、節と啖呵を組みあわせないといけないし、曲師さんという存在もある。こちらのほうがハードルが高いように思うんだけど、どうだろう。発案者は安久鯉さんらしいから、浪曲をやってみたかったのかもしれないし、喉に自信があるのかもしれない。ともあれ、ただでさえ楽しみなこの二人の顔合わせの楽しみが倍増した。2回目以降も絶対に行く!

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柳一・一貴「忠治関宿落ち」
柳一さん、初めて聴いたけれどとてもよかった。節もしっかりして啖呵も堂々としていてとても前座さんとは思えない。ダミ声系ではない。また聴きたい。これは要注目だ。

はる乃・美舟「将軍の母」
はる乃さんはもう本当に安定の楽しさ。東京ドームでもマイクがいらないようなピーンと張った素晴らしい声&声量。見事な節回し。最年少浪曲師とは思えない貫禄すら感じさせる。なんといってもそのエンターテイナーぶりで、ぐいぐい客を乗せて引き込んでいく。本当に魅力のある浪曲師さんだなあ。美舟さんとの息もぴったり。ちなみに、今日は衝立がなかったので、曲師さんも全員よく見えてよかった。

月子・明「徳川家康 人質から成長の巻」
ベテランの見事さ。本当にお上手。でもやっぱり、はる乃さんのようなケレンがないというか、引力の強さみたいなのがわたしには働いてこなかったかな。

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【浪曲冬の陣】2023年12月23日(土)13:00~16:00@浅草木馬亭

浪曲協会主催の冬の企画興行。今回の目玉は、浪曲初の三題噺(1人10分)に3人が挑戦するというもの。落語の三題噺の場合は、当日の会場にいるお客さんからお題を叫んでもらって、演者の耳に止まったものを3つ選ぶ、というのが多いんじゃないかと思う。今回の企画では、先月から館内に設置してあった箱に客がお題を投函してきた。わたしも7-8個応募してあったのだが、なんとそのうちの2つを千春さんが選んでくれるという快挙(?)。こうなると楽しみが十倍増し!

三題噺のお題選び
柳一・一貴「忠治関宿落ち」
はる乃・美舟「将軍の母」
月子・明「徳川家康 人質から成長の巻」
~仲入り~
三題噺①千春・理緒「東家千春物語」(お題:紀文のカニカマ/ブラックホール/ゲリラ豪雨)
三題噺②恭太郎・美舟「思わぬ助太刀」(お題:万歳/トナカイ/暖冬)
三題噺③小ゆき・貴美江「小ゆきのしあわせ」(お題:アイスモナカ/山鹿灯篭/小ゆきのしあわせ)
琴美・明「人情芝居囃子」

【さん喬独演会 昼の部】2023年12月2日(土)14:00-17:20

小きち「出来心」
小もん「辰巳の辻占」
さん助「堪忍袋」
さん喬「井戸の茶碗」
~仲入り~
小平太「おすわどん」
さん喬「ちきり伊勢屋」

さん喬独演会(昼)@三鷹へ。大好きな井戸の茶碗と、2度目のちきり伊勢屋は65分! この不思議な噺、全世界に通じる寓話/お伽噺になれそうだなと今日思った。数奇な運命にいくつものドラマ。鶴次郎がどの国の人でも成り立つような。あ、でも雪の降る国がいいかな。雪の別れの場面があまりに美しいから。

(以下は少しネガティブなことを言います)ただ、3時間20分はちょっと長かったかな…っていうか、独演会なのに、師匠以外に前座を含め4人登場するという構成はどうだったのだろうと思わなくも…。サービス精神はよくわかるし、ミニ一門会と銘打たれていたなら何の文句もないのだけれど…心が狭いかな…それぞれがつまらなかったわけじゃないんだけどね…

今日は小きちさんでも小もんさんでもけっこう寝てしまったし、なんか注意力散漫で、落語を聞くのが久しぶりのせいか、聞き方を忘れてしまったのか、この構成のせいでよけいに集中できなかったせいもあるのか。

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