なんたって一番驚いたのは「死神」。ここ2か月で3回目の死神だったけど、毎回演出が変わって、今日のが決定版というくらいにすごかった。1回目=死神の高笑いの中幕が下りる。2回目=死神の高笑いの背後に三味線が響き、客席の照明が全部落ち、明転すると幕が下りている。3回目(この日)=まず死神に引っぱられて真っ暗な洞窟に入るところで一度客席の照明が全部消える→ろうそくのともった場所に着くと再び照明がON。最後、2回目と同じ演出に加え、死神の「消えた、消えたよ!」の声が初めは中央で、そのあと確かに向かって右手から聞こえた。会場まっくらだから、死神が移動しているみたいで恐ろしいことこの上なし。照明ついたら幕が下りていたが、客席しばらく呆然として、それからようやく大拍手。師匠の探究心ったら!
あと、今日思ったのは、師匠の会はまさにキッチンいなばだな、ってこと。その日の美味しいものをお腹いっぱい食べて帰ってもらいたいというもてなし心がはちきれんばかり。出し惜しみせず、いつもこれも食べて、あれも食べてと身を削って出してくれる。ありがたいったらない。昼の部2時間45分、夜の部3時間のフルフルコース。ごちそうさまでした。
昼の部と夜の部のあいだには、会場すぐ近くの禅林寺に久しぶりに行ってみた。太宰のお墓はお花がたくさん。斜め向かいの森鴎外のお墓にはミニブーケ。