【木馬亭三月定席三日目】2024年3月3日(日)12:15~16:10@浅草木馬亭

柳一・一貴「深川裸祭の由来」
綾・ノリ子「吹雪に咲く花」
小そめ・博喜「宮様と自転車」
隼人・さくら「大高源吾 松浦の太鼓」
~仲入り~
勝千代・まみ「鉢かつぎ姫」
講談 真紅「伊勢屋多吉」
小柳丸・道世「千人坊主」
順子・貴美江「一妙麿」

今日は元日以来の一日完全オフの日。昼夜浅草で浪曲三昧した。まずは木馬亭の定席。日曜日なのに入りが少なく、拍手や掛け声も薄くて、演者にも客にも気の毒な日だった。でも知らない噺が多くて楽しかった。あとで勝千代さんがツイートしていたけど、この日は珍しく曲師が全部別々。たしかに、普通は4人くらいで2席ずつ程度受け持つものね。

小そめ・博喜「宮様と自転車」
小ゆきさんの予定だったが、急遽ご家族がコロナ感染ということで代演。少し残念だったけど、結果的に噺の内容としてはこれが今日一面白かった。明治時代が舞台。若き日の竹田宮殿下と、身分を知らずに40日間自転車を教えてやった庶民の男性との友情物語。実話なのだろうか。ともに台湾討伐で父親を亡くしたどうしとわかってからの展開が胸アツ。なかなかに泣けた。高音がよく伸びてとてもよかった。

隼人・さくら「大高源吾 松浦の太鼓」
隼人さんを聴くのは二度目。今日は良さがとてもよくわかった。講談でもかかる演目だけど、これは断然浪曲のほうがわたしは好きかも。隼人さんの演じ方がよかったのかな。とにかくその声量と、迫真の啖呵。一昨年だかの演芸大賞金賞を獲っただけのことはあると思った。

勝千代・まみ「鉢かつぎ姫」
雛祭りを意識した可愛らしい演目。聴くのは二度目。勝千代さんの演じる女性は本当に可愛いんだなあ。すっかり手の荒れた鉢かつぎが、それでも生きていれば四季を愛でられる、生きていればこそ花が咲くと前を向くところがとても好き。

フォロー

【かつちよかいvol.17】2024年3月3日(日)18:00~19:15@丸美京屋ギャラリー

勝千代「子は鎹」
勝千代「甲州街道桃太郎伝説」
曲師:まみ

木馬亭のあと軽く食べてから会場へ。初めて伺ったけれど素敵な空間で、しかも音の響きが素晴らしい。勝千代さんのダイナミックで迫力満点の生声と超絶の節がズドーンと響き、まみさんの三味線もひときわ冴え冴え。帰り際に勝千代さんにそのことをお話ししたら、この会場はのどが痛くならないとおっしゃっていた。音を吸ってしまうような会場だと、その分無理に声を出して痛めることもあるらしい。
あと、まみさんの帯が素敵だった

「子は鎹」は、落語の「子別れ」よりはるかにあっさり&さらりとしつつも、節がドラマチック。
「桃太郎」は今日も「退治しないバージョン」。お稽古では退治したらしいのだが、結局本番では退治せず。わたしもこの噺は三度目だけど、まだ一度も退治バージョンを聴いたことがない。いつか聴けるのか。勝千代さん自作のこの噺は、上野原や山梨のご当地要素が満載で、かつ笑いと涙と感動の溢れる楽しい名作だ。

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。