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[幌メモ その44]
ジョセフ・ノックス『スリープウォーカー』新潮文庫
[訳] 池田真紀子
〈エイダン・ウェイツ〉シリーズ第3作目。12年前の一家惨殺事件の犯人、マーティン・ウィックの病院内警護にエイダンとサティが夜勤から「大抜擢」された。しかし彼らの眼前でウィックは襲撃され死亡。余命宣告された男をわざわざ殺した真相を、エイダンが追う。

📚 大量殺人犯の過去に被害者、元警察官の作家、新聞記者、現役警察官等々の思惑や野心が、主人公エイダン・ウェイツを巡る物語と複雑に絡み合い醸成された、濃厚で贅沢な本格を纏うノワール……というか魅力的な要素が多すぎてジャンルでは括れません 😭 620ページを超える作品ですが一気読み必至の傑作です ☺️

読了日 2021年11月23日

[追記] マンチェスター・ユナイテッドの宮澤ひなた選手、後半からの途中出場ながら開幕節から出場 :Shiropuyo_good: 今後も楽しみ :Shiropuyo_ganbare:

[幌メモ その43]
ビル・ビバリー『東の果て、夜へ』ハヤカワ・ミステリ文庫
[訳] 熊谷千寿
自分の「仕事」を結果的にしくじった15歳の少年・イーストが所属組織からの命令で裏切り者を殺害するため、殺し屋である弟を含めた少年4人でLAからウィスコンシンまでの数千キロを自動車で旅することに。しかし目的意識が高いのはイーストのみで年長の少年は各地で面倒を巻き起こし、遂には……。

📚 著者のデビュー作品。英国推理作家協会賞ゴールドダガー&最優秀新人賞を同時受賞していますが……賞から連想する要素を作品からは私は余り感じませんでした。ひとりの少年の成長を描いた作品であり、誤解を恐れずにいえば『ジョジョの奇妙な冒険 第5部』のような組織の物語です。

📚 詳しい設定が提示されずに物語が始まるので、最初の印象が徐々に変わっていく過程が面白いです。そして原題の『DODGERS』にも意味があり、「ある種の意識」は今も存在しているということは理解しておくべきことだということも。

最後に、地図で場所を確認しながら読むとより作品を楽しめます :Shiropuyo_good:

読了日 2018年1月27日

[幌メモ その42]
朝井まかて『ぬけまいる』講談社文庫
若い頃は「馬喰町の猪鹿蝶」と称されたアラサー女性3人がそれぞれの事情を抱えながら伊勢を目指して東海道を「抜け詣り」。三者三様の才能を持つ幼馴染同志が交互に各章の主役となって物語を引っ張っていく構成が非常に面白く、堪能しました。

📚 江戸時代後期の設定ながら現代にも通じる主人公の女性3人が置かれている立場に共感する人も多いだろうなと思いながら読みました。そしてだからこそ彼女達が旅先で様々な事件や困難に巻き込まれた時に力を合わせて解決していく様子が痛快で滑稽で堪らなく愛しく感じられたんだろうなと :Shiropuyo_thinking:

📚 料理、ビジネス、剣術、子育て、寺社巡り、名所巡り、アクティビティ、ガイドブック、名物料理、そして博打。これだけの要素を纏めて入れたうえに恋愛に人情噺、謎解き、果てはコンゲームにまで物語を昇華させる。それを色々制限のある時代小説で成立させる。贅沢かつ楽し過ぎる作品でした。

読了日 2018年5月5日

[幌メモ その41]
ジョン・ヴァードン『数字を一つ思い浮かべろ』文春文庫
[訳] 浜野アキオ
ニューヨーク市警を退職し州立大学で臨時講師をするガーニー。曾ての友人から妙な手紙を受け取ったと相談を受ける。彼が頭に思い浮かべた数字を、署名のないその手紙は予言したというのだ。怪事から発展した難事件に元刑事が挑む。

📚 要約が上手く行きませんでしたが……事情があって警察に行けない友人が元刑事を頼り、助言して欲しいという相談から物語が始まります。そこから展開されるのは、いかにも探偵小説的な連続謎解き。解いていくごとに変容し拡大する謎に、私立探偵でもない主人公が巻き込まれていく過程が、この作品の魅力です。

【作品中の名言】

「人間はみな、自分の問題は状況のせいであり、他人の問題は人格のせいだと信じるよう、あらかじめセットされているらしい。それがトラブルの素となる」

【ココマデ】

📚 「内的二項対立についてのちょっとした説明台詞」の抜粋です。

読了日 2019年1月4日

[幌メモ その40]
戸川昌子『緋の堕胎』ちくま文庫
[編] 日下三蔵
双葉社で出版された『緋の堕胎』を第一部、同『ブラック・ハネムーン』より3編を増補し第二部としたオリジナル編集版。官能的であり幻想的、常識や世代を超える奇想の世界。全9編中「嗤う衝立」「人魚姦図」が特にミステリとして私に衝撃をもたらした作品です。

📚 歪な日常を淡々と描写し、読者を混乱させつつも許容させていく展開の後に「圧倒的な現実」に引き摺り戻す作者の手法は、限りなく残酷で美しいです。眉を曇らす表現は多々あれど、彼女が江戸川乱歩賞受賞者であり乱歩イズムを継承する作家のひとりと考えれば、一つのミステリの形と納得もできます :Shiropuyo_thinking:

読了日 2019年3月17日

[追記] この時点では乱歩作品、ほとんど読んでなかったなー :Shiropuyo_aseri:

[幌メモ その39]
ナターシャ・プーリー『フィリグリー街の時計師』ハーパーBOOKS
[訳] 中西和美
1880年代のロンドン。アイルランド独立を求める団体の活動が活発になる中、内務省で電信オペレーターに従事する孤独な青年・サニエルに、ある「贈り物」が届けられた……三部構成で綴られた、ちょっと不思議な運命の物語。

📚 普段から紹介の際は予備知識なしで読んでもらいたいという思いはあるのですが、この作品は特にそう思いました。表紙裏のあらすじが見事なこと、そしてカバー画からは想像もつかない意外性を実際に読んで楽しんで頂きたいという願望もあるので興味を持たれた方は是非、書店で確認してみて下さい ✨

読了日 2018年11月23日

[追記] いつもと違うアプローチで :twitter: を検索して見つけたかつてのつぶやき。ちなみに現時点では新刊入手は無理な模様…… :Shiropuyo_goukyuu: せめて再びこの場で紹介をさせていただきます。

[幌メモ その38]
田中啓文『地獄八景』河出文庫
上方落語「地獄八景亡者戯」(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)を題名の下敷きとした全8編の短編集。舞台は地獄で同名が登場していても、各物語で時期・時代が違うので連作集ではない模様 😅 元の演目自体が駄洒落・ギャグ多目の構成らしく今作品もその例には漏れず。要は楽しく読めば良いじゃない ☺️

読了日 2020年5月10日

[幌メモ その37]
泡坂妻夫『花嫁のさけび』河出文庫
フランスの片田舎で式を挙げる、ある夫婦。夫は映画界の人気俳優。妻は初婚の貧しく薄幸な娘。彼らの出会いは、偶然。しかしそれこそが、この劇的な物語の始まりでもあり……。

📚 何とも仕掛けや伏線の多い作品です。どうぞ全ての文章に、細心の注意を 😌 しかしそれでも、この作品の構造に気づき切れないのではないかと思われます。具体的な引用等はフックに引っかかりかねないので避けますが、物語の構成要素は糸のように張り巡らされていて、それに触れただけでは音は出ず、後々に組み合わさることで本来の音色が奏でられていきます。

📚 その完成形を認識できるのは再読後なのかもしれないし、作者がオマージュする「ある作品」を読み、より立体的にこの作品を把握した後なのかもしれません。私もその作品は未読なのでわかりません。近いうちに読んでみたいです。

でも、こういう推理小説は素敵ですね。ワクワクしながら読みました。

読了日 2018年2月4日

[追記] ちなみにその「オマージュする作品」ですが……未だに読めていません :Shiropuyo_gaan: ガーン

[幌メモ その36]
タナ・フレンチ『捜索者』ハヤカワ・ミステリ文庫
[訳] 北野寿美枝
離婚し、長年勤務したシカゴ警察も退職してアイルランド西部の小さな村に移住したアメリカ人のカルヴィン(カル)・ジョン・フーパー。廃屋同然のあばら家を修繕しながら静かに暮らしていたカルだったが、その作業中、彼はずっとある違和感を覚えていた……。重厚な文芸系長編ミステリ。

📚 連休中に読もうと楽しみにしていた作品 ☺️ 読後は……少し考え込み過ぎて 🥺 様々な方の感想を読み漁っていました。その中では、北上次郎氏の《小説を読むことの喜びを、ひたすら静かに味わっていた。》という感想がいちばん、近いのかなと。ゆったりと進む物語、美しい自然描写、納得せざるを得ない事件の着地点。

📚 とてつもない大事件が起きるわけでもなく、捜査権も無い元刑事の主人公が自分なりに調べ、進んでいく村内での捜索活動の様子が淡々と綴られます。詳細はつぶやきませんが、それでも読み応えがあり、色々考えさせられて 🤔 読後の充実感というよりも物語の「その後」が何となく、気になる。そんな作品でした 😌

読了日 2022年8月16日

[幌メモ その35]
海野十三『火葬国風景』創元推理文庫
著者デビュー作の本格ミステリ「電気風呂の怪死事件」、ラスト数行が衝撃的な「階段」、実験中の退屈凌ぎが悲劇を呼ぶ「恐しき通夜」、オムニバス掌編「蝿」「顔」(それぞれに帆村荘六作品あり)等々、幻想的で科学的奇想に満ちた11編の短編とエッセイを纏めた作品集。

📚 私が特に好きな短編は「生きている腸(はらわた)」。余りにも独創的でアナーキーな設定 🤣「外見が人間の唇とほぼ似た皮膚で蔽われるに至る」って 😅 結末含め、着想に脱帽の作品です。

因みに装画は11編目「三人の双生児」がモチーフかと。想像力を刺激し作品世界を端的に表現した絶妙なカバー画です ✨

読了日 2020年6月6日

[幌メモ その34]
都筑道夫『誘拐作戦』創元推理文庫
1962年初版。京葉道路のド真ん中で出会った5人の男が企てた、とある誘拐計画の顛末を描いたブラックユーモア・ミステリ。詳しく内容を書けないタイプの作品ですが、2人の「私」が交互に一章ずつ書いていくスタイルは現代でも斬新だと思います。

📚 ただ作中の書き手のユーモアが過ぎるとか、会話のクセが強いという点で「読みにくい」という評価もあるかもしれませんが、これこそが都筑作品の醍醐味であると私は思っていますので、軽妙な会話の遣り取りや洒脱な表現を堪能しました。簡単に言うと、この作品も「粋」である、といえるのかなと 😌

読了日 2018年1月4日

[追記] この作品は2022年に徳間文庫〈トクマの特選!〉で復刊されています :Shiropuyo_true_wpeace:

[幌メモ その33]
仁木悦子『林の中の家』講談社文庫
〈仁木兄妹〉シリーズ長編第2作目。水原夫妻の欧州旅行中の2年間、留守番とシャボテンの世話をすることを条件に豪邸と外車を自由に使えるようになった兄妹。10月のある夜、女の悲鳴が聞こえた後に切れた怪電話に誘われ、二人は林の中にある家に向かうことに……。

📚 前作と同様に緻密な構成と複雑な人間関係、そして読後感の良さ。粗筋で書けばドロドロの推理劇になる内容を作者の筆致が決してそうさせません。毒の餡を覆う薄皮の上品さ・甘さを堪能できる作品です……まあ、だからこそ作品が本来持っている「毒」の部分が一層際立つとも、いえるのですが 😅

【印象的な言葉】

「つまり僕は、砧警部補も裏切りたくはないが、いろんな耳よりな話をしてくれた、愛すべき人たちも裏切りたくないんだ。また、僕がもし、耳に入ったことを右から左にしゃべるような人間だったら、誰もうちあけ話なんか、してはくれないと思うよ。」

【ココマデ】

📚 「金田一の美学」にも通じる台詞 ✨

読了日 2019年2月4日

[幌メモ その32]
ルー・バーニー『11月に去りし者』ハーパーBOOKS
[訳] 加賀山卓朗
1963年、11月。ニューオーリンズの犯罪組織・マルチェロ一味の若き敏腕フィクサー、フランク・ギドリーは相棒の怯えた様子と後に知るケネディ大統領暗殺の報から嫌な予感を覚える。数日前に依頼された仕事は、この暗殺に関係するのでは?と。

📚 身の危険を感じて西に向かうギャングの若手幹部、静かに彼を追う凄腕の殺し屋、そして夫から逃れてきた訳ありの若き母娘。彼らの行動が運命で撚り合わされ辿り着く場所と、そこから見える景色。11月だからと読んだ作品でしたが、余韻が素晴らしい傑作です。如何様にも解釈できるタイトルも秀逸です ☺️

読了日 2021年11月7日

[追記] ルー・バーニーの新作、ハーパーBOOKSからの刊行が決定したそうです :Shiropuyo_true_wpeace: 刊行日は未定ですが、これは楽しみ :Shiropuyo_nice:

[幌メモ その31]
ヴィクター・メソス『弁護士ダニエル・ローリンズ』ハヤカワ・ミステリ文庫
[訳] 関麻衣子
ユタ州ソルトレイク・シティの刑事弁護士・ダニエルはある日、麻薬密売の容疑をかけられた知的障害のある黒人少年セオドア・ソーンの弁護を両親から依頼される。未成年のため少年裁判所で裁かれ、犯罪歴も残らないように出来ると踏んでいたのだが……。

📚 現役の弁護士であり検察官としての経歴も持つ作者によるリーガル小説。物語として楽しみつつも、色々考えさせられる作品でした 😑

巻末の作者あとがき「法制度は力のない弱者を叩きつぶすために作られている」そして「こんな現実がどんなに恐ろしかろうと目をそらしてはいけない」という言葉……重いです。

読了日 2021年4月1日

[幌メモ その30]
M・W・クレイヴン『ブラックサマーの殺人』ハヤカワ・ミステリ文庫
[訳] 東野さやか
〈ワシントン・ポー〉シリーズ第2作目。刑事・ポーがカンブリア州警察時代手掛けた最後の重大事件、エリザベス・キートン事件。ポーの捜査が発端で殺人容疑で刑務所に送られたジャレド・キートンが6年後の今、自ら無実の証拠を提示し、冤罪を主張した。

📚 夏に読もうと楽しみにしていた作品 ☺️ 嘗て刑務所に送った相手から突きつけられた反論の余地のない冤罪を示す証拠たち。窮地に立たされるポー。彼を救うべく動くチーム。執念から導かれた一筋の光。暴風雨の中で知る、真相。

……なんでしょう、身の毛立つ悍ましい物語 🥶 なのに読まずにはいられない。

📚 私は猟奇的な事件とか不得手で海外ミステリを良く読んでいる今でも苦手なのですが……思うに、主人公チームを筆頭として各登場人物の魅力的な造形と良く練られた構成、何より事件自体の描き方の上手さとバランスの賜物でしょうか 🤔 作家さんの書き方一つでこうも夢中に読めるのか、という作品でした ☺️

読了日 2022年7月16日

[追記] 新作『デザートラットの殺人』、書影を見ました……というか発売されてるんですね……え?『グレイラットの殺人』?

[幌メモ その29]
滝田務雄『田舎の刑事の動物記』創元推理文庫
〈田舎の刑事〉シリーズ第2作目。脱力系ミステリの連作短編集。前作を踏襲している各キャラクターも前作同様、破天荒。その上で変わらず「面白い」。また、所轄だけに留まらず海外でも捜査に協力して謎を解くなど黒川鈴木刑事、大活躍です。

📚 余りに個性的な人物設定で導入から心を掴まれるんですが面白さで見えづらくされている「フックの部分」の方が実は興味深くて、堅固な推理ロジックがあるからこそ活きている人物設定に思います。特に最初の「田舎の刑事の夏休みの絵日記」は、「面白い」以上に「良く出来ているなぁ」と唸ってしまいました 😁

読了日 2018年5月13日

[幌メモ その28]
佐野洋『二人で殺人を』角川文庫
推理小説に応募するためのネタを求めて、という口実で卒業以来5年振りに再会した休職中の新聞記者・瀬能公(せのこう)と弁護士・我妹糸子(わぎもいとこ)。糸子は合作を提案し、事務所に相談に来た服飾デザイナー・湯桐奈美の件から小説の構想を練ろうとするが……。

📚 相談者・湯桐奈美の依頼から小説のネタ探しを兼ねて私立探偵役を引き受けさせられた瀬能と、彼が得た情報から推理を働かせる糸子のコンビが流れで巻き込まれた殺人事件の謎を解いていく長編本格推理。昭和35年に書かれた作品ということを考えれば、先進的な主題且つ洗練された構成といえます ☺️

読了日 2021年2月27日

[追記] 本当にどうでも良いことなんですが……最初にカバー画を見たとき、かまいたちの山内健司かと思いました :blobcatpuffyhug:

[幌メモ その27]
アンドレアス・フェーア『弁護士アイゼンベルク』創元推理文庫
[訳] 酒寄進一
シリーズ第1作目。赤茶色の髪に緑色の目、眼鏡をかけた刑事事件専門の凄腕女性弁護士ラヘル・アイゼンベルクの元にホームレスの少女ニコレ・ベームから弁護の依頼が持ち込まれた。ホームレスの友人ハイコ・ゲルラッハが若い女性の殺害容疑で逮捕されたというのだ。

📚 プロローグが本編に如何に組み込まれるのかという興味から始まり、迅速に展開する物語と多数登場する主要人物に大いに翻弄され 😅 法廷でのスリリングな遣り取りを楽しみつつも公私を問わず複雑な人間模様に時には苦笑い。様々な要素が可能な限り詰め込まれた、お腹一杯になるエンターテインメント作品 ✨

読了日 2021年12月26日

[幌メモ その26]
ジョセフ・ノックス『笑う死体』新潮文庫
[訳] 池田真紀子
〈エイダン・ウェイツ〉シリーズ第2作目。マンチェスター市警・パーズ警視の使い勝手の良い駒として夜勤に厄介払いされた「堕落した刑事」エイダン。連続放火、リベンジポルノ、グロテスクな笑みを浮かべた死体、と一筋縄ではいかない3つの捜査に相棒・サティと臨む。

📚 実際に起きた「タマム・シュッド事件」の要素を取り込んで前作以上に複雑に構築された物語。各事件と登場人物に加えエイダン・ウェイツ刑事の過去と現在を「敢えて雑多」に配置した内容をフェアな謎解き小説&個性的な警察小説の要素を内包した「ノワール小説」という形態で表現した、極上のミステリです ☺️

📚 特筆すべきは……ある箇所で痛感した、夢中で読む感じとは異なる、息を止めて読まざるを得ない文章による圧力の凄まじさ 🥶 かと思うと「悪運に悲運」なる名刑事コンビの掴み所のないブラックな遣り取りにニヤニヤしたり 😇 とか。更に杉江松恋氏の詳細な巻末解説で再発見があったり 😆

続編も楽しみです ☺️

読了日 2021年10月17日

[追記] 宮澤ひなた選手、リヴァプールへの移籍かと思いきやマンチェスター・ユナイテッドへ 🎉 長谷川唯選手とのダービー、楽しみ 😆‼️

[幌メモ その25]
笹本稜平『時の渚』文春文庫
元刑事の私立探偵が主人公のミステリ。各登場人物の描き出し方の丁寧さや物語の展開のさせ方、最終局面でのどんでん返しと終章の纏め方が秀逸です 👏 扱っている題材は重く、展開の予測は、ほぼ無理。ですが物語として魅力的だし、何より心に刺さる作品でした。

読了日 2017年10月5日

[追記] 恐らく、読書アカウントとして :twitter: で呟いて現在も残っている最初の、独立した読了ツイートのような気がします…… 😌 当時は面白そうな読了ツイートを見かけると、まず図書館で借りてきて読み自分に合っていたら購入、という流れで……とにかく多くの作家さんに触れて数を多く読もうとしていた時期でした。また新刊書店でもう購入できない絶版本も図書館で借りて読んでいました。そしてだんだん、どうしても欲しい本がある :fire2: となって古書店巡りの沼にハマっていく、と 🤣

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