[幌メモ その37]
泡坂妻夫『花嫁のさけび』河出文庫
フランスの片田舎で式を挙げる、ある夫婦。夫は映画界の人気俳優。妻は初婚の貧しく薄幸な娘。彼らの出会いは、偶然。しかしそれこそが、この劇的な物語の始まりでもあり……。
📚 何とも仕掛けや伏線の多い作品です。どうぞ全ての文章に、細心の注意を 😌 しかしそれでも、この作品の構造に気づき切れないのではないかと思われます。具体的な引用等はフックに引っかかりかねないので避けますが、物語の構成要素は糸のように張り巡らされていて、それに触れただけでは音は出ず、後々に組み合わさることで本来の音色が奏でられていきます。
📚 その完成形を認識できるのは再読後なのかもしれないし、作者がオマージュする「ある作品」を読み、より立体的にこの作品を把握した後なのかもしれません。私もその作品は未読なのでわかりません。近いうちに読んでみたいです。
でも、こういう推理小説は素敵ですね。ワクワクしながら読みました。
読了日 2018年2月4日
[追記] ちなみにその「オマージュする作品」ですが……未だに読めていません ガーン