[幌メモ その34]
都筑道夫『誘拐作戦』創元推理文庫
1962年初版。京葉道路のド真ん中で出会った5人の男が企てた、とある誘拐計画の顛末を描いたブラックユーモア・ミステリ。詳しく内容を書けないタイプの作品ですが、2人の「私」が交互に一章ずつ書いていくスタイルは現代でも斬新だと思います。
📚 ただ作中の書き手のユーモアが過ぎるとか、会話のクセが強いという点で「読みにくい」という評価もあるかもしれませんが、これこそが都筑作品の醍醐味であると私は思っていますので、軽妙な会話の遣り取りや洒脱な表現を堪能しました。簡単に言うと、この作品も「粋」である、といえるのかなと 😌
読了日 2018年1月4日
[追記] この作品は2022年に徳間文庫〈トクマの特選!〉で復刊されています