『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』を見た。原作未読。
舞台は全国大会で、ゴミ捨て場ではなかったな。ハレ舞台だ。
試合最中にガツガツ会話や回想が入るので、そのたびにブツブツ流れが途切れて、邪魔だった。せっかく面白そうな試合をしてるのに、試合を見せて欲しかった。
アニメーションとしては、寄りの映像が多く、ボールの鋭さや重さは伝わってくるのですが、コートの中で人やボールがどう動いているのかよく分からず、もう少し全体的な流れを見せて欲しかった。
第三セット終盤の主観映像はとても良かった、あれ良かったよね。
#映画
『千年女優』を見た。
テレビドラマが興隆する60年代頃に引退した映画女優の話。
ドキュメンタリーという設定で、主人公の過去出演作品を切り貼りし、主人公の前半生を再構築しています。
これを全て虚構のアニメで作る意味とは何なんだろかと思いますが、アニメでなければ困難な作りであるのも確か。
で、この作品では、女優とは若く美しい呪いを掛けられた存在であると規定しています。
映画はたかだか100年ちょっとの歴史しかないメディアです。それに千年という題名を冠する意味ですが、エンディングの歌詞がそれを示唆しているのかなと思います。
一度フィルムを上映すれば、そこにあるのは永遠に若く美しい黄金の時代の姿なんですよ。
平沢進のサウンドはBGMにするにはちょっと強すぎるなと感じるのですが、エンディングでザーッと昇華されました。
で、これはさ、全て虚構のアニメなんですよね。
『千年女優』は呪いをも強固なエゴの燃料として宇宙の彼方へ旅立つので、かなりの力技やなあと思いました。
呪い・祝福・魔法を女優に掛けるのは、たぶんファンという存在ですよね。女優とファンの共犯関係を、わたしはこの作品に見たのかなと思いました。
#映画
『窓ぎわのトットちゃん』を見た。
戦中の東京のアッパーミドルの生活!洋風の赤い屋根瓦の家、花柄の壁紙、ステンドグラス、ちょっとした窓枠の意匠、トースター、冷蔵庫、卵、家風呂、ペットの洋犬、刺繍付き白い襟の洋服、バイオリン!
と、原作の言語外のものが、ふんだんに描かれていました。
物語は1940年から1945年の五年間。戦争によって理想的な生活がじわじわと侵食される様が描かれています。と同時に、子供の目に映る世界は奪われてもなお美しいとも。
この話だけ見ると1941年に戦争始めたみたいな印象になりがちで、そこんとこは留意が必要ですね。生活の実感としてはそうであっても。
作画はアクが強く、個人的には成功してるとは言い難いなあ、と思いました。かじかんで赤らむ指先、白い吐息、夏の暑さで脇と背中にできる汗染みと、身体的の表現が強いだけに、成長しない漫画の身体というものも気になってしまって。
あと、あくまで視点はトットちゃん視点で固定して欲しかったかと。
#映画
『天使のたまご』を見た。
天野喜孝の絵が動いてる。線の細っい、線の多いしちめんどうくさい絵を、よくぞアニメで(FSSや吸血鬼ハンターDのアニメにも同じこと思ったな)。
あまり色彩のない暗い画面、起伏のない音楽、ほぼセリフのない作劇と、全ての要素が眠りに誘ってきます。
ええと、お話としては、「夢から醒めるまでは、それが夢の中かどうか分からない」「卵の殻を割らなければ、卵の中身は分からない」とか、そんな感じのお話だと思います。
永遠の少女が彷徨う夢の中は、水に浸された、陽の差さない、生命の気配のない、廃墟の街で、どうしよもうなく終わっており。
卵の殻を割ったとて、外の世界も果てしない荒野が広がり、夢から醒めたとて詰まらない化石の列に加わるだけで。こんなことなら、無精卵を増やし続ける不毛な夢を見たままでいたかった、と思わんこともないです。
ぶっちゃけ破瓜の話だと思うんですが、夢を見たままにしろ、夢から醒めるにしろ、どちらも惨いことのように描いていたと思います。
ノアの方舟云々とか、帰らなかった鳥云々とかは、よう分からん。
ん卵の中には何が入ってたんでしょうね。
#映画
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見た。
良かった。けれど、舞台を夏にするのならば、背広は脱いで欲しいし、手拭いと扇子を持ってて欲しいし、寝る時は蚊帳を吊って欲しい。蝉の季節に蛍を飛ばすな。
ええと、うん、『総員玉砕せよ!』のその後の話で、その後の話として考えると終わってないんだよな。
シリーズ物の番外編で、枠物語の構造を取っていて、枠の中のその後は示唆されているけれど、枠の外のその後は描かれないので、もやもやする。
補完しないと、これ単体では良かったという気持ちで終われないというか、とても良かっただけに空白が大きすぎる。
話の元凶が分かりやすく平板に下衆だったので、そこはつまんないなあと思いました。いや、そこに凝ると話の収拾が付かなくなるので、そこんとこ切って捨てるのは正解だと思うのですが、話が良かっただけに、やっぱりつまんない。
『総員玉砕せよ!』を引っ張ってきてるのに、勿体ない。
#映画
『ゴジラ-1.0』を見た。
終戦直後のいかにもな湿っぽい人間ドラマがかったるいのですが、ひよひよした髪型の博士がわりと出ずっぱりなので、かったるさは緩和されています。
丸めた説明をすると、戦争帰りの男がゴジラのおかげでスッキリする話なのですが、いやさ、そこはさ、スッキリしちゃダメなんじゃないかな。
高層化するビルに合わせて訳の分からんサイズになっていたゴジラですが、舞台を1946年(だよね?)とすることで、ギリギリ人間と目の合う大きさとなっており、そこはとても良かったです。
しかし、見せたい絵を優先するあまり、ゴジラの動きが生き物として意味の分からない動きになっていました。
伊福部昭の、いわゆるゴジラマーチが、人間側の行動ターンで流れてるのは、良かったです。
ゴジラが、お日様の出てる時間帯で暴れてるのも、良かったです。
VFXのクオリティは高く総体的にはまあ良かったんじゃないのといった感じですが、根本的な価値観が合わない感じでした。
『くるりのえいが』を見た。
わたしはくるりのことを知らないので、知らない人が知らないことをしている映画でした。
知らないおじさんたちがキャラキャラコロコロ戯れているのを、ほけーっと眺めてるだけで終わってしまった。
「ばらのはなをどうやって作ったか覚えてへん」という言葉で始まるこのドキュメント、初っ端に「くるりは3人で音楽を作るバンド」という自己規定をビシッと置いてくれてたのは助かったのですが、それ以外の説明がほぼなくてな。
自己言及のみで構成されているので、輪郭線も分からない。
「ばらのはな」をどうやって作ったか思い出すことが、この作品のテーゼだとは思うのだけれど、だけれど。その意義がわたしには分からないままで。
ええと、おじさんが戯れてました。おじさんが戯れていることに、そこに本義があるのかな。
#映画
『1.4BILLION』を見た。
参議院議員の浅尾慶一郎氏のドキュメンタリー映画。
「みんなの党」最後の党首という触れ込みで始まるものの、みんな党時代のエピソードはほとんど語られず、2022年の参議院選にひたすらフォーカスしていきます。
出てくる人の名前と肩書きがテロップで出てくるのはいいのですが、あまりんが衆議院議員なのは知ってるから党とかの役職も出せよ、と思いました。
神奈川の選挙なので、あまりんやタローさんやシンジローさんはたくさん出てくるのですが、すがっちは出てこなかったな。
で、ええと、これは、浅尾先生のプロモーションビデオですね。
絵の作り方や編集のテンポ、ナレーションの質感やBGMが社内PRビデオのそれでしたね。いやあ、クソつまんなかった!
ビラ配りの場面とか、受け取ってくれる場面ばっかり採用してたしな。
事務所開きで神棚を設えて神主さんを招いて祝詞を上げてたり、パネリストとして日本の国防について語る島耕作の弘兼先生だったり、「天を仰いで演説を続ける小泉氏」というテロップだったりと、面白ポイントもちょいちょいはありました。
ていうか、弘兼先生、新進党立ち上げ時の面接官だったの?!
#映画
『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』を見た。
何気にタートルズ見るの初めてだ。
高畑勲が『ホーホケキョ となりの山田くん』でアニメーションに手書きの良さを取り戻そうとしたように、絵の作り方としてはそういうアプローチのアニメでした。ただ、わざと形を歪ませているところがあるので、少し疲れました。
物語の舞台が夜と下水道なので、画面が暗い!
傷付いて欲しくなくてガチガチに息子の生活を縛ってる父親と、家の外に出て高校生活を謳歌したい息子のお話で、父親は悪しき鏡を得て改心して、めでたしめでたしといった感じでした。
#映画
10月1日
『ロスト・キング 500年越しの運命』を見た。
題名、もう少しなんとかならんかったのか。
川に流されたとされていたリチャード3世の遺体が発掘されるという、歴史書を書き換える発見が2012年にあったじゃないですか。発掘者はアマチュア歴史家だということでも話題になった。それの映画化です。
リチャード3世の遺体が発見される、という結末が分かっているので耐えられるのですが、これもしアタリを引き当てなかったらと考えると、とても怖くて怖くて。
主人公はリチャード3世に入れ込んで、この映画の設定では仕事も辞めて研究に没頭し、大学での講義にも抗議します。
いろいろあってリチャード3世の遺体を発見できて良かったね、では終わらず、発見の功績は横取りされそうになるわ、本来の目的であるリチャード3世の名誉回復には至らないわ、これからもいろいろ大変そう、というところで映画は終わります。
これもまあ、ある程度結末を知ってるから耐えられる終わり方でした。
#映画
10月1日
『ストールンプリンセス:キーウの王女とルスラン』を見た。
原作はプーシキンになるのかしら。スラブ民族の民話の本が欲しいなあ。
悪い魔法使いに攫われたお姫様を助けに行く話で、何ら捻ったところも新しいところもないので、スルスルと話についていけます。お姫様が元気でよろしい。
作中で提示される問題は話を進めるためだけに存在し、話が終わっても何一つ解決していません。問題を提起しようとかそういう作品ではないので、めでたしめでたしでいいのかなあ。うーん、いいのかなあ。
試練も何かもあっさりしていて、無用なストレスはないです。
絵は、スマホのアプリゲームの広告のツルツル動くカラフルな3DCGアニメがずっと続いてる感じで、個人的には疲れました。
#映画
『6月0日 アイヒマンが処刑された日』を見た。
映画と共有すべき前提がこちらにはほとんどないので、わたしでは理解の及ばないところが多分にある。とりあえず、アイヒマンについての説明はなかったですね。
イスラエルには死刑制度はない、ユダヤ教には火葬がない、が大前提。
制度の手続き論の映画ではなく、歴史を語るとは何かといった映画だったような。
アラブ人の父親を持つユダヤ人の少年が主人公なのですが、この少年、学校では落ちこぼれていて盗難癖があってクセが強い。で、父親に荒っぽい町工場に連れて行かれて、そこで働くようになるのですが。
アイヒマンが収容されている刑務所の職員さんが車で事故って幻聴や幻覚に悩まされるようになるのですが、ここちょっと分かんなかった。
強制収容所の試験的なガイドツアーに場面が飛んで、個人の体験を歴史とすべきか、負の歴史を語ることによってそれが基盤となるのではないかといった論争があって。
で、エピローグで、かつての少年が出てきて「自分はアイヒマンの火葬に関わったのだ、それをWikipediaに書いてくれ」と訴えていて、「でも、証拠がないんですよ」と断られるところで終わるという。
感想がまとまんないですが、このエピローグが一番怖かったです。
#映画
『アリスとテレスのまぼろし工場』を見た。
要素がバラバラでギリギリでまとまっていないような。とりあえず、最後まで見ても、タイトルの意味は分かりません。主題歌も浮いてる。
製鉄所の爆発で、空間と時間が閉じた地方都市が舞台。思春期の鬱屈と地方の鬱屈をシンクロさせようとした形跡はある。
思春期の鬱屈はよく描けているのですが、地方の鬱屈があんまり芯を食ってないかなあ。思春期の鬱屈のほうも、描写に毒気があり過ぎて、それが邪魔になっているような。
で、舞台は製鉄所の企業城下町なのですが、これがね、全然全然描けてないんですよ!
企業城下町といえば、親の職場が軒並み親会社やその関連企業または取引先企業といった独特のヒエラルキーや閉塞感があるわけですが、その要素は皆無。また、地元住民と新住民の軋轢といったものもあるのですが、その要素も皆無。
大きな工場が一つ来ると、その地方は驚くぐらい発展して、その工場が去ると驚くぐらい衰退するのですが、それもほとんど描けていない(描こうとしていた形跡はある)。
#映画
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を見た。
前回まであらすじがあるのは、とても良いですね。わたし、3作目を見てねえや。
日本語喋ってる時でも、日本語の字幕を出して欲しい。
あんまり感想がないなあ。なるほど「報い」か。システム不全が侯爵一人に集約されて、構造を云々する話ではなかったのは、少し残念なのかな。それはそれで、いい気もするし。
#映画
『キングダム 運命の炎』を見た。3作目。原作未読。
前後編の前編みたいな感じで終わった。
「すごいなあ」ぐらいしか言うことがないんですね。とりあえず、集団の混戦で何をやってるか分かるのは、すごいです。3作の中で一番雑味がなかった気がします。
敵の将軍が、大河ドラマの「直虎」みたいな感じで討ち取られてました。
#映画
『地球防衛軍』を見た。
昭和の特撮。お金掛かってる。ガジェットがダサいけど、ダサいので展開がガバガバでも不思議と納得できる。お話自体はシリアス。
宇宙人の要求が嫁をくれなので、生々しい。盆踊りで始まるので、伝奇と接続してたら好みだったかも。
#映画
2023年7月23日
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』を見た。
前後編なので、後編見るまで感想が持ちづらいな。
なんか、たくさん走ってた。
シンギュラリティと過去の因縁が手を組んで襲ってくる!といった内容ですが、シリーズ押さえてなくても何となく話は追えます(わたしはシリーズを履修してないのよねー)(何となくなので、過去作品を復習しておいたほうがいいのは確か)。
三つ巴、四つ巴の話なのに、するすると何となくと話に付いていけるのは、凄いなあ。
体力と根性と凄い謎技術で活躍するスパイさんの話なのですが、今回凄い謎技術が封じられて大変大変って感じでした。
で、まあ、作品とは直接関係ない感想なのですが、陰謀論者の人って、こういうの見てゴム人間とかにリアリティを感じてるのかなあ、と思いました。
#映画
ついったーの永久凍結が解除されました。
おたくらしいですよ。基本的にやる気がないです。フツーにダメ人間です。今特に腰を据えてるジャンルはありませんが、ときどき何かをぽつぽつ書いてます。オススメ本とかは常に募集中です。
Pixiv: https://www.pixiv.net/users/2010675
Pawoo:https://pawoo.net/@nbn
Twitter: https://twitter.com/daikonsan
Misskey:https://misskey.io/@nbn
Bluesky: https://bsky.app/profile/nbnaaa.bsky.social