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『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を見た。
良かった。けれど、舞台を夏にするのならば、背広は脱いで欲しいし、手拭いと扇子を持ってて欲しいし、寝る時は蚊帳を吊って欲しい。蝉の季節に蛍を飛ばすな。

ええと、うん、『総員玉砕せよ!』のその後の話で、その後の話として考えると終わってないんだよな。
シリーズ物の番外編で、枠物語の構造を取っていて、枠の中のその後は示唆されているけれど、枠の外のその後は描かれないので、もやもやする。
補完しないと、これ単体では良かったという気持ちで終われないというか、とても良かっただけに空白が大きすぎる。
話の元凶が分かりやすく平板に下衆だったので、そこはつまんないなあと思いました。いや、そこに凝ると話の収拾が付かなくなるので、そこんとこ切って捨てるのは正解だと思うのですが、話が良かっただけに、やっぱりつまんない。
『総員玉砕せよ!』を引っ張ってきてるのに、勿体ない。

『ゲゲゲの謎』は『総員玉砕せよ!』のその後の話なのですが、「総員玉砕せよ!」と言わしめたものが何なのか、それはまだ終わったことではないと、ふんわり踏み入っていて、良かったですね。
あくまでふんわりですが、突き詰めると話の収拾が付かなくなるので。だって現実で総括されてないものな。

『ゲゲゲの謎』の舞台は昭和31年なのですが(ガチっと時代設定決めてるとこ、覚悟が決まってていいですね)、昭和31年と言えば高度経済成長期真っ最中で、経済白書で「もはや戦後ではない」と謳われた時代ですね。
『ゲゲゲの謎』では、高度経済成長期を戦後の希望に満ちたものだと語ると同時に、戦争の変奏でもある(企業戦士とかですな)と見做していて、そこら辺、グッと来ますよね。総括されていない、終わっていないものの延長に、今がある。
んで、昭和31年と言えば、水俣病の一号患者が公式確認された年なんですよね(作品には直接の関係はないけれど時代背景として)。

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