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『千年女優』を見た。
テレビドラマが興隆する60年代頃に引退した映画女優の話。
ドキュメンタリーという設定で、主人公の過去出演作品を切り貼りし、主人公の前半生を再構築しています。
これを全て虚構のアニメで作る意味とは何なんだろかと思いますが、アニメでなければ困難な作りであるのも確か。

で、この作品では、女優とは若く美しい呪いを掛けられた存在であると規定しています。
映画はたかだか100年ちょっとの歴史しかないメディアです。それに千年という題名を冠する意味ですが、エンディングの歌詞がそれを示唆しているのかなと思います。
一度フィルムを上映すれば、そこにあるのは永遠に若く美しい黄金の時代の姿なんですよ。
平沢進のサウンドはBGMにするにはちょっと強すぎるなと感じるのですが、エンディングでザーッと昇華されました。
で、これはさ、全て虚構のアニメなんですよね。

『千年女優』は呪いをも強固なエゴの燃料として宇宙の彼方へ旅立つので、かなりの力技やなあと思いました。
呪い・祝福・魔法を女優に掛けるのは、たぶんファンという存在ですよね。女優とファンの共犯関係を、わたしはこの作品に見たのかなと思いました。

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