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三宅 芳夫 さんがブースト

民営化の話で最近恐ろしかったのは、英国のテムズ川の汚染の話。

私のテムズ川の知識は、「産業革命以降、工場排水などがそのまま流されて汚染されたけど、その後がんばってまたきれいにした」っていうところでとまっていたのですが、きれいになったあと、80年代に水道会社が民営化されて、ちゃんと処理していない下水をそのまま川に流したりすることも起きるようになって、再び危険なレベルにまで汚染されてしまったみたいです。

最近は、水道会社を国営に戻す話もすすんでいるけど、そうするとその会社の巨額の負債を政府が丸抱えすることになるし、80年代に保守党のサッチャー首相がやった民営化が失敗だったと認めることになるし、選挙で保守党に不利になるから、とかで政府はやや二の足を踏んでいる、みたいな報道が出ていました。

こうしたことは、すでにいろんなところ(経団連副会長など)にヴェオリア・ジャパンに入り込まれている日本でも、人ごとではない気がします。

やはり、インフラの民営化をすると、してはいけない「コストカット」をしてしまい、あらかじめ予測できた以上の社会的コストとなって跳ね返ってくる可能性が高いのではないでしょうか。

日本も水道の民営化をこれ以上すすめるのはやめて、鉄道も郵便も再度国営に戻してほしいです。

 国連安保理事会は、パレスティナの正式な国連加盟(現在はオブザーバー加盟)を勧告する決議案は否決。

 理事会は15カ国、フランス、日本など圧倒的多数の12カ国は賛成しましたは、米国が例によって拒否権を行使。英国、スイスは棄権。

 しかし、よりによってパレスティナ問題に歴史的に最も責任がある米国が拒否権発動、英国が棄権、とはこんな道理に合わないことはない。

 バングラデッシュは、「2国家案が最終解決と言いながら、加盟拒否は完全なダブルスタンダード」と批判。

 それにしても国連安保理の「ラマダン停戦」決議も少なくとも短期的には何の役にも立たなかった。ただし、中期的には国連が正式にイスラエルの「戦争犯罪」を調査・処罰する形に発展させることは可能かもしれない。

 いずれにしても、イスラエルは公然と「反国連」の立場を選択、米国も実質それを支持した。

 これでは、現在の世界は米国の一極支配、と見做すことが合理的(特にグローバルサウスにとっては)。

 リビア、イラクと核開発を放棄した国家は破壊された。一方North Korea は米国に届く核を数発保有するだけで持ちこたえている。

 これではイランが核開発に走ることを止める大義名分がない。最悪の場合はロシアの核の傘の下に入るだろう。

  拙著近刊『世界史の中の戦後思想ー自由主義・民主主義・社会主義』見本が届きました。

 目次、表紙のデザイン、表紙の手触り、本文と注の組み合わせなど、すべて瀟洒な感じで、素晴らしい。デザイナーさんに感謝。

 4月最終週には全国の本屋さんの店頭に並ぶ、ということです。

 しかし、新出版社を立ち上げて、いきなり創刊記念の4冊が全国の店頭に並ぶ、というのは普通ない。これも社長の熊谷さんの普段の人徳と信用だろう。

 もちろん、昨今の日本の批判的言論の「危機」も背景になるだろうけれども。

 ご関心のある方は、ぜひ手に取って見ていただければ幸甚です。
 

三宅 芳夫 さんがブースト

BT

映画「疑惑」。
お金目当てで殺人をしたのでは?という疑惑のある女性を扱った話です。

いわゆる「悪女」と言われる女性が出てくる、松本清張の原作の時点ですでにフェミニズム要素が読み取れる話ですが、映画ではさらに弁護士役を女性にして(原作では男性)、彼女の家庭の話もいれていくことで、フェミニズム的要素がわかりやすい作りになっています。

ただ、法廷物ですが、「勝ってスカッとする」タイプのストーリーではないです。

三宅 芳夫 さんがブースト

『疑惑』
松本清張原作。
過去に有罪になって服役した女が出所後に金持ちの男と結婚したが、男と一緒に乗っていた車が海に落ちて男が死んでしまう。保険金目当ての殺人を疑われた女とその弁護士の法廷劇。
法廷劇って単調で退屈になりがちだけどこれは面白かった。被告と、証言台に立つ証人の振る舞いがなかなか自由。
世間は女が犯人と決めつけてるけど弁護士が冷静に一つ一つ覆していく。
被告と弁護士を演じる桃井かおりと岩下志麻がすごい。

 『世界史の中の戦後思想ー自由主義・民主主義・社会主義』、地平社刊、ついに刷り上がったらしい。やれやれ。

 昨年度(2023年度)は、ほとんどこの仕事にエネルギーをつぎ込んだので、なんだか「ほっとした」気持ちが先に立つ。

 しかし、私もたいへんだったが、やはり新しい出版社(企業)をゼロから立ち上げるのは、これはまた超人的なエネルギーを必要とする。しかし、現在超斜陽産業とされる出版社であるから尚更である。

 ここはあえて岩波を退社して、全退職金を資本金につぎ込み、新出版社設立にこぎつけた熊谷伸一郎さんの気概を讃えたい、と思う。

三宅 芳夫 さんがブースト

小池百合子都知事の学歴詐称疑惑事件に関わっている可能性があると言われる千代田区の区長。

調べてみたら警視総監の子息で、大学卒業後は電通総研→政治家(都民ファ)という経歴。

つねづね、警察とか電通とか政治家って、なんらかのかたちで繋がっているのだろうなぁとは思っていましたが、ほんとにそのままの人脈ネットワークのなかで存在している人がいて驚きました。

こういう○○の子弟みたいな人が政治家になったり、
大企業がお互いの取締役会に役員を入れあって「風通しがいい」ふうにしたりして、
内輪のネットワークで仕事を回し合って独占して、なにか不祥事があってもかばいあう、という不健全なやり方がまかりとおりすぎて、社会全体がまともに機能しなくなっているような気がします。

本当にそろそろ、いろんなところを全面的に刷新しなければならない時期にきているのではないでしょうか。

 17日の参院本会議で岸田首相は森喜朗と裏金システムの関係について、「結論とし具体的関与は確認できなかった」と答弁したと云ふ。

 しかし、この答弁、一体誰が「信じる」?さすがに世論調査でもほとんどの人が「信じていない」ようだけれども。

 常識で判断すれば、「関与がなかった」という主張は無理すぎる。一般人なら間違いなく「クロ」とされるだろう。

 「被疑者」が元首相、自民党派閥の大物だからと言って、「シロ」と言い募り、一国の最高権力者・首相までそれを認めるようでは、「法の支配」の理念、一体どうなるのか?

 これは五輪収賄疑惑にも全く言えることである。

 これは安倍の友人だった元TBS記者山口敬之の事件に関しても、同様である。

 権力者とその取り巻きであれば、「法に縛られない」となれば、法治国家の理念は成り立たない。

 これでよく米国で「自由民主主義体制のためにデッキにのる覚悟はできている」(デッキ=海軍の主力として中国と対峙する)と吠えられたものだ。

 「法の支配」とは自由主義にとっての要である。まず「隗より始めよ」とはこのことではないか?

今日は歯医者の日。例によって待合室でTVを観る。

 すると例の「共同親権」の衆院採決を受けて、解説をしている。30代位の男性が「私の友人にも離婚し、養育費を払っているのに、子供には会わせてもらえず・・・」と話し、周りの女性達が頷いている。

 割とすぐ治療になったので、全部は見ていないが、どうも「共同親権」に好意的に誘導している印象を受けた。偏見かもしれないが。

 いずれにせよ、不平等と結びついた性的役割分業が牢固として存在する現代日本では、控えめに言っても「時期尚早」ではないか?

 何と言っても与党は、すでに原案ができている選択的夫婦別姓についてもブロックしている。

 また与党の推奨する家族観を考え合わせると、それこそ女性を「子供を産む」手段として放り出す事態が頻発するのではないか、という懸念が湧く。

 何と言っても、この法案の「賛成弁論」に立った自民党議員、自分はDV離婚している男というではないか?

 それにしても経済安保法案、共同親権と続くスピード採決、安倍(清和会)から岸田(宏池会)に代わってももはや全く違いはない。

 原発再稼働(DX)と並んで「国策」ということでマス・メディアもほぼ右に倣えである。

 ここまで言論統制が可能な国、というのも珍しいだろう。 

 ちなみに、工科大学や理工科専門学校(エコール・ポリテクニーク)の地位が「低い」わけではありません。むしろ卒業後は高い社会的地位が保証されている、と言えます。入学に際しても、大学よりも難しい。

 例えばサルトルの父・義父はポリテク出身者で、日本では「技師」と紹介される。
 しかし、これやや不正確。ポリテク出身者は、エンジニア兼経営者並びに技術に関する専門知識を必要とする海軍将校。サルトルの父は海軍将校として当時仏の植民地であったインドシナまで赴任している。

 またドイツの工科大学出身者はその後大企業の指導部になることが多い。要するに、独仏ともに明確に支配層に属する、ということ。

 ここはエンジニア出身の経営者がほとんどいない日本の大企業との違い、ともされる。日本の大企業がM&Aばかりに走り、技術開発力が劇的に低下した一因とも言われたりする。

 ちなみに欧米で工学が大学に所属しないのは、大学の起源が12・13世紀に遡り、イスラム科学の導入と平仄を合わせたのに対し、科学とは区別された技術が急激に発展した19世紀後半に工科大学が創られたため(ポリテクはナポレオン創設だけれども)。

 日本では明治になって大学制度が導入され、最初は医科大学・工科大学は別だったが、最終的に「大学」に統合された。
 

「人文学の未来」と関係することですけれども、日本語圏でよく言われる「文系」と「理系」は要するに大学受験の区分けのこと。
 また人文学は制度としての文学部とほぼ同一視される傾向がある。

 しかし、日本の大学universityの制度的区分は決して「普遍的な universal」ものではありません。

 例えば英国を含めた欧州では、日本で言う工学部はuniversityではなく、「工科大学」(独)、理工科専門学校(仏)など独立して存在することがほとんど。

また医学部ないしメディカル・スクールが日本のように、異常に難関ということもない。

 学問として「経験科学(自然学)」か「メタ自然学(形而上学)」という分類で言えば、哲学のある部分と現代理論数学は「メタ自然学」になる。

 それはともかく、私は高校段階で、数学・物理・科学・生物と倫理をまとめて「哲学」という科目がある方がよいと思う。これは仏のリセ・パターン。

 ニュートンくらいまでは自然哲学(philosophy)であって、自然科学(science)ではない。

 古代科学(ユークリッド)、アラビア科学(代数学・三角法)、近世科学(デカルト・ニュートン・ライプニッツ)の違いと影響関係を日本語で論述するレベルまでは引き上げられる筈である。

 BTの「暗殺の森」、アルベルト・モラヴィア原作の、「1900年」と並ぶ、ベルトリッチ最高傑作ですね。

 ベルトリッチ、「ラストエンペラー」位からおかしくなって、中期から晩年にかけてはおかしな映画ばかり取っていたけれども。

 元来、パゾリーニの助監督から出発した人なので、「イタリア・ネオリアリズモ」から継承した可能性を「1900年」で使い尽くした、ということかもしれない。

三宅 芳夫 さんがブースト

シネフィルWOWOWプラスがYouTubeで名作映画を二週間無料公開するシリーズの一回目。

映画「暗殺の森 [4K修復版]」の無料公開がこのあいだの金曜日から始まってます。

「暗殺の森」の原語での題名は「体制順応者(Il conformista)」。戦争中のファシズムに協力した人のことです。

なので、ファシズムを賞賛したり、ファシズムに抗った人々(「レジスタンス」や「人民戦線」など)を否定したりする人は、「体制順応者(Il conformista)」ということになります。

そうならないためにも(?)、ぜひ見ましょう。

【本編無料公開】ベルナルド・ベルトルッチ監督によるイタリア映画の傑作『暗殺の森 [4K修復版]』を、4/12(金)21:00~YouTube初無料公開!

prtimes.jp/main/html/rd/p/0000

三宅 芳夫 さんがブースト

BT

もうセウォル号事件から10年なのですね。

このセウォル号事件についてのハンギョレの寄稿。
書いているのは「軍人権センター」という、軍隊内の人権侵害問題を専門とする市民団体の方でした。

ドラマ「D.P. -脱走兵追跡官-」を見た際、作品が向き合っている現実の重さに驚きましたが、
本当にこうやって、悲劇が起きた原因を探ってそれが構造的な問題ならば構造から変えていかねばならないという姿勢で、取り組みを現実におこなっているからこそ、そうした作品も生まれるのだと思いました。

japan.hani.co.kr/arti/opinion/

「最近「真実の力 セウォル号記録チーム」が出版した本『セウォル号、改めて記すあの日の記録』には、次のような一節がある。「この苦しみの記録のど真ん中を通らなければ、私たちはどこにも向かうことができない。惨事の記憶は未来へと向かう私たちの足を引っ張るものではなく、現実に順応しようとする私たちの頭をつかんで起こす。(中略)私たちがこの記録と記憶から逃げようとする時、やってきた通りにやり、生きてきた通りに生きようとする時、韓国社会は2014年4月15日にセウォル号が出港したあの夜の状態へと逆戻りせざるを得ない。惨事を招いた社会構造を再生産するのは、それほど簡単なことなのだ」」 [参照]

三宅 芳夫 さんがブースト

この関ナマ労組の弾圧すさまじい。組合員91人逮捕。再々放送すべし。
日本の労組は警察権力の弾圧で虫の息、というのがよくわかる。戦前の社会主義者弾圧と同じような状況になりつつある。時間ギリギリで見た。名作である。

MBSドキュメンタリー 「映像」シリーズ
労組と弾圧~関西生コン事件を考える~

tver.jp/episodes/ep706l9a50

三宅 芳夫 さんがブースト

いくつかBTしたのは、「幕張メッセでの武器見本市」について、昨年された投稿です。

武器見本市を主催するDSEI Japanの実行委員会メンバーのページを見たら、防衛省や経産省から「中曽根平和研究所」などの右派系シンクタンクなどに天下ったひとたちがずらっと並んでいました。

また、この見本市の開催場所である「幕張メッセ」は、千葉県と千葉市が大株主で、いわゆる「第三セクター」といわれる公的な性格をもつ法人です。

幕張メッセで「武器見本市」を開くことを、千葉県と千葉市は認めるべきではないと思います。

[参照]

三宅 芳夫 さんがブースト

戦争する力 誇示/千葉で#武器見本市/「5年間43兆円」に群がる軍需企業 jcp.or.jp/akahata/aik22/2023-0
"最も注目が高かった展示は、日英イタリアによる「GCAP」(グローバル戦闘航空プログラム)です。空自のF2と欧州各国配備のユーロファイターの後継機を2035年をめざし共同開発する計画です。3カ国以外にも輸出を狙っており、関係者は「今後数十年にわたって続くプログラムで、巨大な経済権益をもたらす」と強調。日本から三菱重工、三菱電機、IHIが参加します。"
#しんぶん赤旗

  ふとした偶然で、「提督 admiral」という2008年の米=ロシア映画を観る。

 映画としては駄作だが、1917年のロシア革命後の内戦で反革命政府首班を務めたコルチャークを主人公としている所は興味をひかれた。

 コルチャークと言うと、日本ではオムスク、イルクーツクなどシベリアを拠点にした反革命政府首班というイメージが強いが、元来は海軍軍人である(だから提督 admiral)。

 日露戦争では旅順陥落で日本軍の捕虜となっている。WWIでは、バルチック艦隊に所属、機雷敷設によってドイツ艦隊の巡洋艦、駆逐艦などを撃沈した。

 この功績で黒海艦隊司令官に就任した所で、2月革命が発生。司令官を解任。
 臨時政府のケレンスキーはコルチャークを米国に派遣、次いで日本経由でロシアに帰国途中横浜で10月革命が勃発した。

 といわけで、旧黒海艦隊令官であったコルチャークがシベリアを拠点とした反革命臨時政府首班に担がれるわけである。

 ところで、この映画でコルチャークを演じるK.バベンスキー、現在ロシアを代表する男優であり、ネトフリ大河ドラマ「トロツキー」も主演。

 どうも現在のロシアではトロツキーもコルチャークも大河ドラマになるらしい。
 しかし米=ロシア合作というのも現在では不可能だろう。
 
 

 経済安保法案は衆議院をほとんど何の実質的審議もなく、通過したようだ。

 要するに立憲民主が実質的に最初から大賛成だった、ということ。

 何と言っても、連合の「強い圧力」があったというから、選挙も近く、党内「リベラル」派も動けない、ということかもしれない。

 そうはいっても、この法案の衆院審議に「無反応」を決め込むようでは、一体なんのための「リベラル」なのか?

 連合にしても、三菱重工、川崎重工、IHI、日本製鉄などなど軍事費倍増で潤う企業の組合は当然賛成として、ここまで来ると、自治労や日教組は何のために「連合」に所属しているのか?

 他方で岸田はワシントンで大統領専用車に乗せてもらったあとは、「米国が孤独に支えてきた国際秩序を友として支える準備は出来ている」などと世迷い亊を唱えている。

 国連安保決議さえ、無効にしてガザ停戦を阻止する米国の覇権秩序、もはや道義的正当性は完全に崩れ落ちた。

 しかし、イランの形だけの「報復」にいそいそとG7が「中東を不安定化させる」と共同声明を出しているのは呆れるほかない。

 G7と言えば、100年以上中東を支配、不安定化させてきた当の本人たちである。放火魔が火消しをするどころか、さらに放火を続けているのだから、いつか天罰が下るだろう。

 

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