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『図解入門 よくわかる 最新 鉄道の技術と仕組み』(秋山芳弘)

仕事のために読みました。特に感想はないけど記録のために投稿。

『得する株をさがせ!会社四季報公式ガイドブック』

四季報(3月半ばに最新号が出ます)をこれから読んでみようと思うのでその予習に。自分の投資方針を云々するよりむしろ他のプレイヤーがどこを見て何を考えているのかを推し量るために読んでみた感。普通に勉強にもなりました。
amazon.co.jp/得する株をさがせ-会社四季報公式ガ

『Jazz The New Chapter~ロバート・グラスパーから広がる現代ジャズの地平 』(柳樂光隆)

近年のジャズに親しみたいなら柳樂光隆さんの本から入門するとよいよと有識者から勧められて。先月聴いていたロバート・グラスパーの『Black Radio』および『同 2』はこの影響。他にもロバート・グラスパーに繋がるネットワークが紹介されていたので折に触れて読み直したい。
amazon.co.jp/Jazz-New-Chapter-

『限りある時間の使い方』(オリバー・バークマン)

人生の選択肢は無限に広がっているという希望を捨てよ。
覚悟を決めて、できないことをできないと認め、やらないことをやらないと決め、選択肢を減らし、残ったことに全力でコミットする。無限のやりたいことリストを「妥協」して有限に減らし、減らし、とにかく減らして残ったものに全力になる。
有限性を受け入れることで初めて残されたものに全力になれる。本当にやりたかった、残されたものをやり切るためには、やりたくもないのにやってる(意識的にか無意識的にかはわからないが)優先度の低いものを後回しにし(これもまた「妥協」のひとつである)、優先度の高いものしかできないと諦める。
残されたものをやり切るためには忍耐が必要である。その瞬間の忍耐を受け入れ(他のものを差し込んで後回しにせず)、忍耐それ自体を楽しむ。
人生に準備期間はない。一瞬一瞬が本番だ。選択肢が無限に広がっているという幻想を捨て、この瞬間の有限の選択肢を決断することで、ようやく本物の人生を生きることができる。
amazon.co.jp/限りある時間の使い方-オリバー・バ

『オニールの成長株発掘法【第4版】』(ウィリアム・J・オニール)

「新高値」の概念を人口に膾炙させたオニールの名著。過去100年以上の成長銘柄のチャートを用いて、爆発的に成長する銘柄には似たパターン(同じパターンではないことに注意)があることを例示する。
本書によればエントリーの狙い目はいわゆるカップウィズハンドルに限られないのだが、本書のフォロワー(個人投資家向け)は、エントリーポイントをカップウィズハンドルに絞って紹介している。おそらく、カップウィズハンドル以外のパターンを見分けることが、チャートに精通していない初心者には難しいためだろう。数多くのチャートが紹介されていたが、一見しただけではどんな形状か理解の及ばないものも多かった。それを拾えるようにするのが優れた投資家への近道かもしれないが、さしあたって典型的な形状だけ狙おうと思った。
amazon.co.jp/オニールの成長株発掘法-【第4版】

『1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術』(DUKE。)

「新高値」(1年以内に高値をつけた銘柄)という概念がある。その新高値に着目したウィリアム・オニールの経験則をさらにアップデートしたのが本書。同じく新高値を取り扱った『株の公式』(林則行)を私は教科書としていた。同書ではやや弱かった、新高値を用いて選択した銘柄に関する売りへの洞察を深めようと本書を読んだ。結論から言えば、売りのみならず買いへの洞察も深まった。
本書の柱は、以下の2つ。
・買い:テクニカル(新高値・ボックスの上側)で銘柄を絞り込み、ファンダメンタルで傍証を得て買う。
・売り:
(利確)ボックス割れで売る。三空が出現、出来高が増大したら売る。
(損切り)あらかじめ設定した損切りラインで売る。
(例外)悪材料がでたら直ちに売る。
詳細や、その他エントリー時の注意点などは自分の目で確かめてね。
amazon.co.jp/1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブ

『売りの技術は儲けの技術』(出島昇・宝徳政行)

株をやってる友人と話して刺激を受けたので、セールになっていたこともあり、投資の方法の手札を増やすために読んでみた。まず、2006年初版のため(電子版のリリースが近年で、そこで勘違いした)背景事情が古い。また個人投資家がワークさせるにはやや煩雑すぎる印象を受けた。手札を増やすよりも、今ある手札へのインサイトを深めた方がいいと思った。

『よろこびの歌』(宮下奈都)

ギブ。
本作を読みながら自分の好みを改めて言語化してみると、私は基本的に人間賛歌が好きで、その中でも、ネガティブスタートでネガティブの中にポジティブを見つけ出す物語よりも、ポジティブスタートでポジティブをいったん喪い再び手に入れる物語に惹かれますね。別の観点から言えば、人は既に何らかを喪っているのだから殊更にその(物語にあらかじめ組み込まれた)喪失を強調するのではなく、持てる状態から始まって後から喪った方が輝くでしょう。
本作の主人公らは、大切な何らかを喪った(あるいはそもそも手に入れ損ねた)女子高生たちで、彼女らは31歳のおじさんとは違ってそこまで達観していないので、喪失が強調されるのは共感できるものの、小説の技法の問題として、同じパターンが3回続いて流石にページをめくる手が止まりました。

『ロジカル・プレゼンテーション』(高田貴久)

2004年に初版が発行されて2023年に27版まで数える名著。後世に「仮説思考/論点思考」と呼ばれることになる思考フレームワークを説明する。本書の特徴は、そのフレームワークに埋め込まれるファクト/示唆/仮説の説明の方法を、実際の「提案」の技法(プレゼンテーションの技法)に昇華した点だ。この一冊で「提案」に必要な技術が揃う。
「仮説=相手の疑問(知りたいこと)に答える仮の答え」
と定義されるのだが、重要なのは「相手の疑問(知りたいこと)に」という前半部分だろう。私は、仮説の立案/その検証が自己目的化することがある。折々に触れて視野を広く持ち直して「相手の疑問」に答えられているかを見つめ直したい。
内容としては私には既知のことが多かったので詳細は割愛する。
amazon.co.jp/ロジカル・プレゼンテーション――自

『鑑識レコード倶楽部』(マグナス・ミルズ)

厳かであり、即物的でもある小説だ。男たちがレコードをパブの奥の部屋で聴くだけ。コメント、批評はなし。ただ聴くだけ。主宰が定めた厳密なルールに則って進行するはずだった会は、しかしながら、厳密過ぎるが故に……。人々は自らの信念に沿って倶楽部の活動に携わっていく。小説全体を通して、彼らのひとりひとりが、聖域とでも呼べるような不可侵な領域を持っていることが描写される。その意味で、非常に厳かだ。そして即物的でもある。この小説に比喩はない。レコードの音楽の感想にも比喩はない。人々の精神活動は動詞によって表現される。
ありふれた話にも思えるし、決してありえない話にも思える。小説冒頭で、その瞬間にとあるレコードを聴いているのは自分たちだけだと評するシーンがあるのだが、本作を象徴している。誰にも開かれている話だが、どこにもない。
amazon.co.jp/鑑識レコード倶楽部-マグナス・ミル

『GE帝国盛衰史』(トーマス・グリタ、テッド・マン)

GE(ゼネラル・エレクトリック)が崩壊に至るまでを綿密な取材を元に描き切ったノンフィクション。崩壊の一途を辿った理由は、一言で言えば、ガバナンスの欠如だ。CEOは会社にチャレンジングな目標を命じる(前期を上回る決算、前期を上回る配当のために……)。組織ぐるみで手段を問わない業務遂行が恒常化し、(法規制に対して)「攻撃的な」会計処理が行われる。工業製品の会社であったはずのGEが、金融部門が攻撃的に生み出すキャッシュの麻薬に溺れていく。
天才的と言われた経営者ジャック・ウェルチ、その後を継いだジェフ・イメルト、彼らと共にあった幹部、取締役、そして多くの部下……。誰もがゴールに向かって、その時のベストを尽くそうとしていた。ただ、ゴールもコースも間違っていたのだ。
引用した画像(p.465より)は本書の最後に経営陣の過ちを総括したパラグラフだ。心の誠実さと頭の知恵が求められていることが示唆されている。
amazon.co.jp/GE帝国盛衰史-「最強企業」だった

『業界別 経営アジェンダ2024』(A.T. カーニー)

21の業界の近年の動向をまとめ、今後を占う一冊。それぞれのストーリーにどれ程の確度があるかはともかく、業界分析レポートの作り方の参考になる。あとSF的未来予測的な読み物的面白みがある。自ジャンル(ジャンル?)は、出典とするには微妙な文献(業界にメチャ恨みがあることで有名な人物の記事)を出典としており確度はやや怪しいので、他ジャンルももしかしてそれくらいの確度かもしれませんが……。
amazon.co.jp/T-カーニー-業界別-経営アジェン
(投稿範囲を間違えていたので再投稿。2024/02/01読了)

『水車小屋のネネ』(津村記久子)

面白かった!のだけれど、クライマックス直前から1ヶ月以上も間を空けて読んでしまって、ちょっと申し訳ない(が、地震が起きてすぐのときに地震が出てくる小説を読みたくなかったのだ)。人類の良心を信じているときの津村記久子で、鋭く、醒めた人間観察眼が発揮されていた。
amazon.co.jp/水車小屋のネネ-津村-記久子/dp

モジュール化の成功者として、トヨタの自動車ラインナップの思想、IBMのコンピュータのモジュール化、欧州の高速鉄道、ダイキンの空調設備、コマツの建機が例示される。
最後には、ハードウェアによるデータセンシングとデータを活用するソフトウェアのシステム(Cyber Physical System)において、API(≒インターフェース)の共通化(≒モジュール化)が必須であると紹介する。
現在の日本のもの作りに対して手厳しい意見も多いのだが、エールが通底しているように感じた。興味深く読めました。

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『IoTと日本のアーキテクチャー戦略』(柴田友厚)

日本のもの作りの「すり合わせ」は幻想である……。
もの作りのためのアーキテクチャーには「モジュール」か「非モジュール」しか存在しない。複数の部品のそれぞれに固有な特性に応じて緻密に連結させて一つの製品を組み上げる(=モジュール化されていない「すり合わせ」)方法論では、市場の多様な要求に応えようとすると組合せ爆発が生じる。一方で、製品数を減らすと市場からの要求に応えられない。
このジレンマを解決するのがモジュールである。モジュール化された設計思想では、複数の部品を一つのコンポーネントとしてまとめることで部品同士の緻密な連結を減らし、それらコンポーネント同士を共通の約束で連結する方法(=インターフェース)をトータルで設計する。これにより、適切なコンポーネントを選択し共通のインターフェースで繋げることで、組合せ爆発を抑制しつつ、多様な要求にも応えることが可能となる。
amazon.co.jp/IoTと日本のアーキテクチャー戦略

『ソニー半導体の奇跡』(斎藤端)

ソニーの「お荷物」と呼ばれていた半導体部門(CMOS部門)がどのようにして今の地位を築いたのかを描くクロニクル。経営学的なマクロな観点よりもむしろ、ミクロな人の動きに着目した一冊。いま振り返れば、ソニーが九州(菊陽町・諫早)で半導体に投資をしていたのが遠因となってTSMCが菊陽町を選ぶこととなったのだが、本書が執筆された時期には確かその話はまだなく、彼らの奮闘が巡り巡って日本が外貨を稼ぐきっかけとなってくれたのだから、先見の明があったとも言えるのかもしれない。
amazon.co.jp/ソニー半導体の奇跡-お荷物集団の逆

『うどん陣営の受難』(津村記久子)

新書版で100ページの掌編。会社の代表選挙にウンザリしている女性社員のお話。主人公は三番手の勢力に緩やかに連帯しているのだが、一番手と二番手との決選投票になってしまい、両陣営から陰に陽にアプローチを受ける。同僚はより激しく投票の誘いを受け……、ととにかく社内政治に辟易していく様子が鮮やかに描かれる。
小さな会社の社内イベントに見えるけれど、これは私たちが向き合うべき「政治」の話であると感じられた。応援したい候補は弱い。それを勢力で上回る陣営はくそである。それでも自分で考え、投票を放棄せずに誰を選ぶか決めなければいけない。コミカルな筆致だけれどシリアスなテーマでした。

amazon.co.jp/うどん陣営の受難-津村-記久子/d

『ギケイキ 千年の流転』(町田康)

クソ笑いながら読んだ。室町時代に成立した軍記物語である『義経記』を現代風にアレンジした小説なんですが、その頭で読むと書き出しから殴られる。
「かつてハルク・ホーガンという人気レスラーが居たが私など、その名を聞くたびにハルク判官と瞬間的に頭の中で変換してしまう」
現代である。地名もいまの四十七都道府県で書かれたりするし、西暦が使われたりもする。ぶっ飛んでいる。
しかしながら、ここが町田康のすごいところ。源義経を始めとする人物、みな「っぽい」のだ。地元のヤンキーっぽさがあるが、当時の死生観(と読者が思ってしまう価値観)がガンガン滲み出てる。一言で言うと、躊躇いなくめっちゃ人を殺す。そういう時代だったので、と。
現代の書きぶりと当時の価値観とが調和して、謎のバイブスが生まれている。それが『ギケイキ』だ。 

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