『IoTと日本のアーキテクチャー戦略』(柴田友厚) #よしざき読んだよ
日本のもの作りの「すり合わせ」は幻想である……。
もの作りのためのアーキテクチャーには「モジュール」か「非モジュール」しか存在しない。複数の部品のそれぞれに固有な特性に応じて緻密に連結させて一つの製品を組み上げる(=モジュール化されていない「すり合わせ」)方法論では、市場の多様な要求に応えようとすると組合せ爆発が生じる。一方で、製品数を減らすと市場からの要求に応えられない。
このジレンマを解決するのがモジュールである。モジュール化された設計思想では、複数の部品を一つのコンポーネントとしてまとめることで部品同士の緻密な連結を減らし、それらコンポーネント同士を共通の約束で連結する方法(=インターフェース)をトータルで設計する。これにより、適切なコンポーネントを選択し共通のインターフェースで繋げることで、組合せ爆発を抑制しつつ、多様な要求にも応えることが可能となる。
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モジュール化の成功者として、トヨタの自動車ラインナップの思想、IBMのコンピュータのモジュール化、欧州の高速鉄道、ダイキンの空調設備、コマツの建機が例示される。
最後には、ハードウェアによるデータセンシングとデータを活用するソフトウェアのシステム(Cyber Physical System)において、API(≒インターフェース)の共通化(≒モジュール化)が必須であると紹介する。
現在の日本のもの作りに対して手厳しい意見も多いのだが、エールが通底しているように感じた。興味深く読めました。
#よしざき読んだよ