フォロー

『うどん陣営の受難』(津村記久子)

新書版で100ページの掌編。会社の代表選挙にウンザリしている女性社員のお話。主人公は三番手の勢力に緩やかに連帯しているのだが、一番手と二番手との決選投票になってしまい、両陣営から陰に陽にアプローチを受ける。同僚はより激しく投票の誘いを受け……、ととにかく社内政治に辟易していく様子が鮮やかに描かれる。
小さな会社の社内イベントに見えるけれど、これは私たちが向き合うべき「政治」の話であると感じられた。応援したい候補は弱い。それを勢力で上回る陣営はくそである。それでも自分で考え、投票を放棄せずに誰を選ぶか決めなければいけない。コミカルな筆致だけれどシリアスなテーマでした。

amazon.co.jp/うどん陣営の受難-津村-記久子/d

ログインして会話に参加
Fedibird

様々な目的に使える、日本の汎用マストドンサーバーです。安定した利用環境と、多数の独自機能を提供しています。