『十二人の怒れる男』(シドニー・ルメット)

凄すぎる……。陪審員のために集まった12人が、容疑者を有罪か無罪か話し合いで決める密室劇。当初は有罪が圧倒的優勢だったが、話し合いが進むにつれ、形勢が変わっていく。
12人(しかも、それぞれに役名すら与えられていない)がずっと口角泡を飛ばしている絵面が続くのに、まったく目が離せない。12人それぞれの人間心理が変化していく様がありありと見えた。これは凄いですよ……。

今月はオタク活動に励んでおりました。ジャズ7枚、本22冊でした。

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241031 2024年10月度月報 - 箱庭療法記 yobitz.hatenablog.com/entry/20



『Play Your Own Thing: A Story of Jazz in Europe』(ユリアン・ベネディクト)

ヨーロッパのジャズメンぜんぜん知らんくてついていけんかった。

『BLUE NOTE/ハート・オブ・モダン・ジャズ』(ユリアン・ベネディクト)

ブルーノートの設立者をジャズメンが語るドキュメンタリー映画。1997年公開だけあって今は物故者となったミュージシャンも多く存命で、レジェンダリーな面子だった。ジャズが商業流通したのがほんの限られた人物の情熱によるものであるの、素直に面白いですね。あの特徴的なモダンなレコードのジャケットも元広告デザイナーの実験的な試みによって生まれたらしい。そういう意味で、私たちが「ジャズ」として認識している文化は偶然の賜物だったのかもしれない。

『きみの色』(監督: 山田尚子)

傑作。緊張感で息が詰まるかと思った。集中力の要求値が高くて、映画館でしか見続けることができないと思った。冒頭のモノローグこそ腕組みしながら「アニメは映像powerで語りを作れてええどすなあ」思ったんですが、ギリギリと観客の胸を締め上げるようなストーリーテリングに気い狂いそうになった。
主人公のトツ子こそ朴訥ながら年相応に約束を破る子だったから安心して見つめることができたけど、あとの二人の嘘と隠し事でテンション(緊張)を掛けながらお話をドライブさせ切ったは匠の技。勉強のつもりで観に行ったけど上手すぎて勉強にならんかった。

『劇場版  ポールプリンセス!!』(監督:江副仁美)

3回目。3回目ともなるとダンスそのものへの解像度も上がって、各ダンサーの演技が表している各人のキャラクターが感じられるようになってきた。特に見比べて興味深かったのは、ミオとユカリ様。確かに二人のトリックには共通するものも含まれていた。一方で、ヒナノ他三人はエルダンジュとは異なるトリックで独自性を演出していた。思うに、ミオ→エルダンジュの憧れを、エルダンジュのトリックを採り入れることで表現していたのではないだろうか。逆に、他三人にとってエルダンジュはライバルである故に独自性、と。面白かったです。

『マイルス・デイヴィス クールの誕生』(監督:スタンリー・ネルソン)
巨人が生まれてから死ぬまでのドキュメンタリー。マイルス・デイヴィスの代表曲を少なからず聴いて、ようやく観ることができました。波瀾万丈の人生ながら常に吹き続けた彼が力強く、勇気付けられた。
amazon.co.jp/マイルス・デイヴィス-クールの誕生

『劇場版  ポールプリンセス!!』(監督:江副仁美)
映像の力をバリバリ感じました! 競技としての基礎が練習風景などでしっかり描写されているおかげで、画を良くするためのウソをすんなり飲み込めて(流石に剣が炎を吹いたり歌を歌ったりせんことくらいはわかった)、その意味で創作の勉強にもなりました。ノアさんのダンスが一番好きでした。

『S高原から』(作・演出 平田オリザ)

こまばアゴラが閉まるってんで慌てて観に。夏の高原のサナトリウムの一日を切り取る。私は昨年メンタルの調子を崩して療養をしていたのだが、その施設の同じ療養者の、特有の背景があるはずなのに明るく振る舞う光景にそっくりで驚愕した。そう、外界と時間の流れが変わるし、散歩くらいしかすることねえんだよな。

『オスカー・ピーターソン』(バリー・アヴリッチ)

ダバダバ泣いてしまった。ドキュメンタリー映画でありながら、ジャズのコンサートのような体験。余計な言葉よりは、実際に観て聴いて味わって頂きたいです。いいタイミングで観ることができました。
oscarpetersonmovie.com/

『ジャズ大名』

観ました! 前情報ナシで観に行きましたが、それが良かったって感じです! ジャズバンドの生演奏で開幕し、幕末の動乱が軽やかに演じられ、クライマックスに近付くにつれて次第にハチャメチャになっていく――。ハチャメチャ具合をジャズでやるのがマジで楽しかったです。原作も読んだことなかったけれど(オ~、たしかに筒井っぽい!)と思わされるだけの迫力、ナンセンスがありました。役者さんのパワーも光ってました。

(投稿範囲を間違えていたので再投稿)

『BLUE GIANT』(監督:立川譲)

ジャズを聴き始めたところでグッと刺さる映画でした。「あ~なんかカッケえなあ」って聴いてるんですけど、「なんかカッケえ」でいいというか、音に感情が乗る気持ちよさみたいなのに身を委ねていいんだ、みたいな感想です。あんまりうまい言語化できないな。
熱が籠もっている物語だったけれど、自らの演奏を情熱ではなく「感情」と評していて、感情のレンジをフルに使っていることにすごく好感を持ちました。
スクスクと素直に受け入れられる、今まさに観るべき映画だったと思う。ありがとうございました。

『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』(監督:増井壮一)
激賞です。


yobitz.hatenablog.com/entry/20

『アイドルマスターミリオンライブ! 第3幕』(綿田慎也)

ミリアニ第3幕の感想と、全体を通した総括です。第3幕に関しては【GOOD】多め、総括としては辛めです。

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230930 映画『アイドルマスターミリオンライブ! 第3幕』(綿田慎也)観ました。 - 箱庭療法記 yobitz.hatenablog.com/entry/20

『アイドルマスターミリオンライブ! 第二幕』(監督:綿田慎也)

頑張って観ました。
てづくりのぶどーかんライブの一曲目が「We Have A Dream」だったのは秀逸でした。二曲目の未完成な「Thank You!」も悪くなくって、これが2017年くらいに観られたらなあとしみじみしました。アイマスのフューチャーを一緒に作り上げていくんだぞ感があり、いや、2023年にアイマスのフューチャーを作り上げる感ぜんぜんねえなと思ったので。
中盤、シアターこけら落としのための新曲「Star Impression」とその振り付けが相当良く、たぶんこのアニメの個人的なサビになるくらいには良かった。クールな曲で、綺麗に静止の決まったダンスを北沢志保ちゃんが歌い踊るの、個人的にはアニメーションで観たかった光景のひとつあったので。

それはそれとして、で、なんですけど。
や、2013年とか2017年とかにミリオンライブを始めた人って今ってそれなりに歴重ねた働く人だと思うんですよね。そういう人がこれ見てよろこんでちゃダメだと思うんですよね。全体的に大人が仕事のダンドリをしてなさ過ぎでしょ。それに、そういう筋書きってアニマスの序盤でもうやったじゃん。水着回についてはみんな笑ってたのがもはや恥ずかしかった。

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