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はるか「水戸黄門漫遊記より 散財競走」
いやー、話が楽しい楽しい。水戸黄門にこんな逸話があったとは知らなかった。それを演じるはるかさん、唄も声も本当に素晴らしいし、語りもチャーミング。この方は是非また聴きたい。公演のチラシをしっかりもらってきた。

孝太郎「あたま山」
低音はいわゆる浪曲風のだみ声で、これはこれで楽しい。あたま山が浪曲になっているとは知らなかった。最後が落語とは違って、池に飛び込んだあとで助け出されて改心する、という筋書き。

太福「紺屋高尾」
太福さんはよく芸協の寄席にも出ていて名前を知っていたので、今日を選んだところもある。定席で主任を務めるのは初めてだったらしい。わたしは落語では「幾代餅」しか聴いたことがなく、紺屋高尾をまず浪曲で聴くことになるとは思っていなかった。とてもよかった。最後に楽屋の皆さんもみんな出てきて写真撮影。

でもわたしは女流の浪曲師さんが好きかもしれないな。いやでもまだまだ初心者以下なので、色々聞いてみたい。木馬亭、長く座っているとかなりお尻がつらくなるけれど、楽しかったからまた行きたい。一人の持ち時間もたっぷりなので(開口一番以外は30分)、聴きごたえ&充実感がたっぷり。

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2023年4月2日(日) 浅草木馬亭 四月定席二日目へ

日本で(いや世界で)唯一という浪曲の定席寄席、 浅草木馬亭デビューを果たした。ザ・昭和な佇まい。レトロで低い椅子、手動の幕、ほぼ和式のトイレ。130席ほどの古き良き小屋だけど、今日はほぼ満席で熱気いっぱい。落語の翻案の二席はともかく、ほかはどれも初めて聴く噺ばかりだったけど、創作も含め、どれもものすごく面白かったし、浪曲独特の、魅力に溢れていた。待ってました!たっぷり!名調子!の掛け声も楽しいし、唄がひとりきり盛り上がったところで入る拍手も、最後の最後でひときわ声を張って両手を広げ、拍子木がちょーんと入る、あそこも、全部好き。浪曲、相当好きになりそう。

開口一番 玉川わ太「不破数右衛門の芝居見物」
浪曲 東家三可子「双葉山」
浪曲 富士綾那「貝賀弥左衛門」
浪曲 港家小ゆき「ベートーベン一代記より 歓喜の歌」
~仲入り~
浪曲 国本はるか「水戸黄門漫遊記より 散財競走」
講談 神田松麻呂「宮本武蔵伝より 吉岡治太夫」
浪曲 東家孝太郎「あたま山」
浪曲 玉川太福「紺屋高尾」
(つづき)

 
2023年3月31日(金)さん喬一門会夜の部へ

開口一番 小きち「金明竹」
落語 小志ん「?(新作)」
落語 喬之助「堀之内」
バイオリン漫談 小傳次
落語 左龍「馬のす」
新舞踊 さん喬「矢切の渡し」
落語 喬太郎「えーッとここは」
~仲入り~
漫才 左龍・喬之助
落語 小傳次「四人癖」
マジック 広和
落語 さん喬「百川」

コロナ禍初、4年ぶりの一門会。やっぱり楽しすぎる。和気藹々感とサービス精神満載。次々と趣向を繰り出して、あの手この手で楽しませてくれる。やっぱりこの一門、大好きだ~♪

小きち「金明竹」
今回は最前列だったので、しみじみと眺めた。まつ毛が長い

喬之助「堀之内」
黒紋付だったので何事かと思ったら、対照的に粗忽of粗忽ともいうべき「堀之内」。粗忽者が喬之助さんにすごく合ってて楽しかった。この噺、猫を手拭いと間違えるところが好き。どう間違えるんだよw
(つづく)


2023年3月29日(水) さん喬独演会@江戸深川資料館へ

開口一番 小きち「子ほめ」
さん喬「夢の酒」
さん喬「百川」
~仲入り~
さん喬「百年目」

今月二度目のさん喬独演会。もう少し家から近ければ……もう少し開演時間が早ければ……何の文句もないとても好きな会&会場。今回は良い席だったのでよく見えてとてもよかった。

さん喬「夢の酒」
夢のマクラを振り始めたので、これは「天狗裁き」来たか!と色めき立った(笑)。このあと考えられるのは天狗裁きか夢の酒か。両者を分けるものは最初の一言。前者なら「ちょいとお前さん、起きとくれよ!」後者は「ちょいと若旦那、起きてくださいな!」今日は後者(^^)。この噺は、舅である大旦那が優しくて、一貫して嫁のお花の側についてくれるのが好きだなあ。

さん喬「百川」
思えば17年前に初めてさん喬師匠の落語を聴いたときの一席目がこれ(もう一席は唐茄子屋政談だった)。何度も聴いているけど、やっぱり爆笑。師匠の百兵衛さんは可愛らしい。慈姑のきんとんを丸呑みさせられたあとで、下におりてきて涙ぐんでいるところが好き。(つづく)


『さん喬一門本』面白かった!弟子自らが綴る入門譚。落語との出会いや噺家を目指す経緯は一人一人違っても、師匠に巡り合って、その惚れた師匠に押しの一手で、(時に何度断られても)ひたむきに思いを伝える一途さは皆同じ。まるで初恋話のように甘酸っぱくて純情。そこから弟子たちの個性と師匠の人となりが浮かび上がる。一門会の前に読めてよかった😺

編集は入っているにせよ、弟子自身が書いているので、それぞれの文才も感じられて興味深い。ほかの全員が「I」を主語にしていたのに、喬太郎だけ「He」で自らを語っているのが印象的。文章もさすがにうまい。あとから弟子入りした人ほど入門までの苦労が大変で(師匠が積極的に弟子を取っていなかったから)、なのにひたむきに押していく姿は本当に恋愛にも似て、ちょっと感動的でもある。(一番下の小きちさんは27回断られたらしい)

あと、惚れた師匠に晴れて弟子入りを果たしても、それからの厳しさ、苦労は並大抵ではないことも透けて見えた。

冒頭と末尾、それから弟子ひとりひとりに付したさん喬師匠の文章もとてもいいし、それぞれの弟子をどう見ているかの視点もすごく興味深かった。これから一門の皆さんを見る目がちょっと変わったかも。

あー、それにしてもマストドンだと本の感想もたっぷり書けて嬉しい^^


2023年3月4日(土)さん喬・白酒二人会@光が丘へ

小きち「子ほめ」
白 酒「真田小僧」
さん喬「妾馬」
~仲入り~
さん喬「天狗裁き」
白 酒「宿屋の富」

こんなにいい組み合わせの会なのに、会場に入ってびっくり。入りが半分くらいしかない。個人的な実体験でいくと、今日みたいな「地方都市」感のある町での会はけっこう人が集まるもので、よく行く三鷹もそうだし、先日の小金井なんか二階席まで満席だった。なのになのに、ううう。さん喬師匠が「これくらいがちょうどいいですね。全員の顔覚えましたから、途中で帰ったらすぐにわかりますよ」なんていって笑わせていたけれど。

でも会自体は、折からのぽかぽか陽気にぴったりの明るく楽しい四席で大満足。

小きち「子ほめ」
今日はたっぷり20分もらっていたので、和歌の下の句をつけるところまでフルバージョンの子ほめ。意外とめったに聴けないかも。赤ん坊が産まれて七日目と聞いて「初七日?」と言わなければいけないところを、間違って「お七夜?」と言ってしまう痛恨のミス。なんとかごまかしたけれど、今日は前のほうの席で表情がよく見えただけに、「しまった!」という心の声が大音量で聞こえてくるようだった。あとで楽屋で師匠に大目玉食らってないといいんだけど。(つづく)


(つづき)
そして最後の一席は忠臣蔵から「荒川十太夫」。そう告げたとたんに、ご通家らしき客数名から拍手が起きる。師匠である松鯉先生の得意演目でもあるらしく、また、伯山演によるこの話に感銘を受けた尾上松緑が、これを題材に新作歌舞伎をつくって注目されたらしい。
客席の明かりをすべて落とし、高座へのスポットライトのみで語られていく。義士の中でも名高い堀部安兵衛の切腹時に介錯役を務めた荒川十太夫。安兵衛最期の瞬間に言葉を交わし、そのときに安兵衛のためを思ってついた嘘のせいで、その後苦しみ続けることに。その苦悩の深さが切ないほどに伝わってきて、はらわたを揺さぶられるようだった。客席のあちこちですすり泣く音。もちろんわたしも盛大に涙鼻水がほとばしった。

忠臣蔵関係だけで講談には300席くらいもあるらしい。その多くに通底するテーマは人と人との別れだと語る。これまでわたしは大高源吾と赤垣源蔵しか聴いたことがなく、これが三人目。たしかに三者三様の別れがある。

とにもかくにも伯山先生、また聴きたい。講談界で話題のほかの方々も色々聴いてみたい気持ちは大いにある。まだお江戸日本橋亭などの講談だけの寄席に行く度胸は当分ないので、手軽に行けそうな場を探して、講談を聴く機会を増やしていきたい。

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(つづき)
さん喬「妾馬」
黒紋付に袴姿だったのでもしやと思ったら、やはり妾馬。気持ちの温かくなる噺ベスト10を選んだら、この噺は絶対上位に入る。さん喬師匠演じる八五郎の、がさつだけどまっすぐな優しさ、温かさ、明るさ、可愛らしさが会場に充満して、誰もが必ず幸せな気持ちになって家に帰れる一席だよね、これって。子らも大いに笑っておったよ。「三太夫、良き友を得たな」のところが何度聞いても本当に大好き。

ちなみに、さん喬師匠は中大付属高校の出身なので、武蔵小金井と縁があったというのは知らなかった。「本当に変わりましたねえ、昔なんて……」というから昔はどうだったのかと思ったら、「肥を撒いた田んぼを縫って学校に行っていたのに」だって。わはは。


2023年2月3日(金)さん喬独演会@深川へ

開口一番 小きち「子ほめ」
落語 さん喬「鼠穴」
~仲入り~
落語 さん喬「浮世床」
落語 さん喬「百年目」

節分の日。入口で豆がわりの小袋柿ピーが配られる。シール付きの人はアタリで何かもらえたらしいのだが、わたしはハズレ。残念。でも5月の独演会チケットを先行販売していて、無事にいい席がゲットできたから、福はちゃんと来た。

「鼠穴」
さん喬師の独演会は基本的に三席。一席目がわりと軽めで、二席目と三席目がトリネタ級。今回は一席目で「夢」の枕を振ったので、もしや天狗裁きか……と思ったら、意外にもいきなり鼠穴。あとで話していたが、本当はまず天狗裁きやって、あとで鼠穴、と考えていたらしいのだが、それだと両方夢の噺だな……と思って、いきなり鼠穴に入ったらしい。惜しい。天狗裁きだったらわたしの記録が更新されたのに(^^)。

ともあれ、いつもながら素晴らしかった。この噺、好き。夢だからこそあらゆるドラマが詰まっていて、人間の恐ろしさ・哀しさがことのほかあぶり出される。今回は、蔵が燃えるところの描写がとくに印象に残った。炎の凄まじさ、一棟一棟が燃えていく描写の細かさ。10年の苦労が崩れ去るさまが目の前に広がるようだった。(つづく)


2023年1月5日(木) さん喬・白鳥・白酒三人会@亀戸文化センターへ。

会場に着いてびっくり。演順が貼りだされていて、なんと一番がさん喬師匠でトリが白鳥師匠というスリリングな展開。区が主催の会だから、コアな落語ファンじゃない近所のお年寄りなんかもあまた集うなか、白鳥師匠がトリで大丈夫かとふと心配になったが、なんのなんの、誰もが知る「あの一家のあの母娘」の噺は会場中でちゃんと受けていた(と思う。でも、配信だとカットされまくるというのもむべなるかな)。ともあれ、新春らしい爆笑の連続で、とても楽しい会だった。

さん喬「ちりとてちん」
もうね、ロクさんが目を白黒して、喉から出したり入れたりして飲み下すところのおかしさったら。人情噺の得意な師匠だけど、こういう軽い滑稽噺も本当にいいんだよな~。しょっぱなから笑い疲れるほど笑った。

白酒「百川」
さらに追い打ちをかける白酒師匠の「百川」の破壊力たるや。さん喬師匠の百川もすさまじく可笑しいけど、白酒師のは百兵衛さんのキャラと訛りがさらに強烈で、おかしいのなんの。もうこれ以上笑えないくらいに笑った。それにしても、いつ見ても白酒師匠はふかしたてのお饅頭みたいで美味しそうだ。(つづく)

聖夜のさん喬独演会、「富久」「掛け取り」「芝浜」の豪華三本立て。もう最高のクリスマスプレゼント! よかった、芝浜聴きたかったんだよー。それがこの最後の最後に聴けるとは、なんてラッキー。可愛いさん喬グッズももらえて二度嬉しい。

ここで富久が聴けたので、明日の鈴本はやめておこうかな。師匠も明日に先立って肩慣らし的にかけたのか。ネタおろしかどうかはわからないけど、少なくも私はこれまで聞いたことがない。この噺はどう考えたらいいのかが難しい、もっと勉強して、またいつか聞いていただけるようにしたい、というようなことを仰っていた。

 
(つづき)
【鈴本演芸場 十二月中席昼の部千秋楽】2022年12月20日(火)

前座 いっ休「弥次郎」
落語 㐂いち「熊の皮」
太神楽 仙志郎・仙成
落語 馬 風 漫談
落語 志ん輔「ふぜいや」
ギター漫談 ペペ桜井
落語 百 栄「桃太郎後日譚」
落語 市 馬「芋俵」
漫才 ロケット団
落語 一 朝「芝居の喧嘩」
~仲入り~
紙切り 八 楽(花嫁、冬至/クリスマスの抱き合わせ、つば九郎)
落語 一 蔵「馬の田楽」
落語 馬 石「金明竹」
ものまね 小 猫
落語 一之輔「柳田格之進」


12月17日(土)さん喬独演会@三鷹 昼の部へ

一席目、月下美人、美しいものは儚い、というマクラから「短命」。才能あふれる同業の先輩の訃報に接したばかりに「短命」とは…。無理に結びつけることはないけど、不思議な巡りあわせを感じずにいられなかった。でも噺が始まればたっぷり笑う。さん喬師の短命はいやらしさや下卑たところがなく、季節ごとの描写が妙に上品で美しくて、それが却って可笑しみを増す。

二席目は「寝床」。いつものように抱腹絶倒。サゲは定吉じゃなくて、服部の坊ちゃんのところ。この親子のくだり、大好き。

最後は「柳田格之進」。みな息をするのも憚るようにぴーんと張り詰めて聴き入った。柳田と萬屋の友情を包むように移ろい流れる季節の描写の美しさったら。映画のよう。何度聞いてもすごい。

とはいうものの、縁があるのか柳田は今年三度目なので、欲を言えば芝浜とか文七を聴きたかったかな。夜の部が「二番煎じ/幾代餅/芝浜」というすごいラインナップだったと聞いて、正直悔しさがw うがが。でも、何が出るかわからないこのガシャポンぶりが落語通いの醍醐味のひとつでもあると思うので、焦らされるのも楽しみのうちさ。いつかは聴けると信じよう。


12月15日(木)松鯉・安久鯉親子会@国立演芸場へ

なんだろう、もう、その……講談おもしろーーい! 落語より言葉の絶対量が多いし、私も超初心者だから、前座の方々のときはうんと集中しないといけないように感じたけれど、両先生のは聴くともなしに言葉がすーっと入ってくる。「大高源吾」は一昨日も伯山先生で聞いたが、年齢や経験から来るものか、重み深みがさらに感じられる気がして、胸を揺さぶられた。阿久鯉先生のも泣けた。マクラの話も面白く、キャラも含めてファンになりそう。
あー、もっともっと講談を聞きたくなっちゃった。困った^^

そしてゲストの小すみ師匠がまたまたすごかった。前回は三味線カンツォーネ、今日は三味線でマライア・キャリー!(しかも歌詞は伊勢音頭という……) 妙見(北極星)がテーマの自作の唄も披露された。この方の才能はすごいなあ。音大で声楽を学んでヨーロッパに留学まで行って、なぜ寄席で三味線かついだ音曲師になったのか。興味は尽きない。ぜひ独演会をやってほしい。帰り際、小すみ師匠が昨年の花形演芸大賞で大賞を受賞したと知る。納得。

 12月13日(火)新宿末廣亭中席三日目夜の部へ。
末廣亭は12年ぶり。芸協主催の寄席は初めて。狭い席、少ないトイレ(しかもほぼ和式^^)。でも独特の雰囲気はやはり風情があるし、何よりこのバラエティの豊富さったら! 落語、漫才、漫談、講談、浪曲、曲芸、活動写真、上方落語等々、こんなに色々なジャンルを一度に楽しめるのはすごい。そしていまを時めく神田伯山は、語彙貧困だけどやっぱりとてもよかった(初聴き)。宝井が句の意味を悩んで逡巡するくだりを。冒頭にイントロのようにもってきたのが斬新に感じられた。某所の伯山独演会、抽選に当たるといいな。

あと印象に残ったのは浪曲。三味線の方は客席ではなく完全に演者のほうを向いている。それは、演者がいつ歌いだしてもすぐに伴奏をつけられるように。浪曲は二人でつくり上げる芸だと奈々福師匠は言っていた。安久鯉先生の講談では、ランジャタイが蘭奢待で、高貴なお香ということも初めて知った。講談聴くと、物知りになれそう^^ あと、漫才の陽さん、よかったなあ。ルックスも芸風も好み。また見たい。

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