2023年2月18日(土)神田伯山独演会@三鷹へ。

開口一番 落語 げん馬「寄合酒」
講談 伯 山「三方一両損」
講談 伯 山「荒大名の茶の湯」
講談 伯 山「阿武松緑之助」
~仲入り~
講談 伯 山「荒川十太夫」

抽選に当たって買えたチケット。800人くらい入るらしいホールは満席。人気の高さをうかがわせる。プログラムでは三席の予定だったようなのだが、「物販の売上が恐ろしく悪いのでなんとかせねば」などといいつつ、たっぷり四席も(^^)。でもって、なんだろうもう、本当に、とてもとても良かった。

最初の二席は、元は講談ながら落語にもなっている話なので、落語のように会話中心で、からっとさらっと明るく笑わせる。

三席目、初めはゆったりした展開だが、阿武松が錣山部屋に移って頭角を現していく過程は、張り扇も多用して畳みかけるようなリズムと言葉の奔流がなんとも心地よく、トランス状態に入りかける(つまり心地よすぎて眠気を催しそうになった。退屈な眠さとは別種の眠気)。(つづく)

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(つづき)
そして最後の一席は忠臣蔵から「荒川十太夫」。そう告げたとたんに、ご通家らしき客数名から拍手が起きる。師匠である松鯉先生の得意演目でもあるらしく、また、伯山演によるこの話に感銘を受けた尾上松緑が、これを題材に新作歌舞伎をつくって注目されたらしい。
客席の明かりをすべて落とし、高座へのスポットライトのみで語られていく。義士の中でも名高い堀部安兵衛の切腹時に介錯役を務めた荒川十太夫。安兵衛最期の瞬間に言葉を交わし、そのときに安兵衛のためを思ってついた嘘のせいで、その後苦しみ続けることに。その苦悩の深さが切ないほどに伝わってきて、はらわたを揺さぶられるようだった。客席のあちこちですすり泣く音。もちろんわたしも盛大に涙鼻水がほとばしった。

忠臣蔵関係だけで講談には300席くらいもあるらしい。その多くに通底するテーマは人と人との別れだと語る。これまでわたしは大高源吾と赤垣源蔵しか聴いたことがなく、これが三人目。たしかに三者三様の別れがある。

とにもかくにも伯山先生、また聴きたい。講談界で話題のほかの方々も色々聴いてみたい気持ちは大いにある。まだお江戸日本橋亭などの講談だけの寄席に行く度胸は当分ないので、手軽に行けそうな場を探して、講談を聴く機会を増やしていきたい。

へぇ〜、介錯って居合の中では、大会や昇段審査では使 われない技なのだけど(その性質上)、実はものすごく難しい技なのよね。介錯役勤める主人公の話って興味深いわ。🤔 …って、講談じたいには関係ないけどさ。

へえそうなんだ。さすが、視点が面白い^^

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