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『6月0日 アイヒマンが処刑された日』を見た。
映画と共有すべき前提がこちらにはほとんどないので、わたしでは理解の及ばないところが多分にある。とりあえず、アイヒマンについての説明はなかったですね。
イスラエルには死刑制度はない、ユダヤ教には火葬がない、が大前提。
制度の手続き論の映画ではなく、歴史を語るとは何かといった映画だったような。

アラブ人の父親を持つユダヤ人の少年が主人公なのですが、この少年、学校では落ちこぼれていて盗難癖があってクセが強い。で、父親に荒っぽい町工場に連れて行かれて、そこで働くようになるのですが。
アイヒマンが収容されている刑務所の職員さんが車で事故って幻聴や幻覚に悩まされるようになるのですが、ここちょっと分かんなかった。
強制収容所の試験的なガイドツアーに場面が飛んで、個人の体験を歴史とすべきか、負の歴史を語ることによってそれが基盤となるのではないかといった論争があって。
で、エピローグで、かつての少年が出てきて「自分はアイヒマンの火葬に関わったのだ、それをWikipediaに書いてくれ」と訴えていて、「でも、証拠がないんですよ」と断られるところで終わるという。
感想がまとまんないですが、このエピローグが一番怖かったです。

『アリスとテレスのまぼろし工場』を見た。
要素がバラバラでギリギリでまとまっていないような。とりあえず、最後まで見ても、タイトルの意味は分かりません。主題歌も浮いてる。

製鉄所の爆発で、空間と時間が閉じた地方都市が舞台。思春期の鬱屈と地方の鬱屈をシンクロさせようとした形跡はある。
思春期の鬱屈はよく描けているのですが、地方の鬱屈があんまり芯を食ってないかなあ。思春期の鬱屈のほうも、描写に毒気があり過ぎて、それが邪魔になっているような。

で、舞台は製鉄所の企業城下町なのですが、これがね、全然全然描けてないんですよ!
企業城下町といえば、親の職場が軒並み親会社やその関連企業または取引先企業といった独特のヒエラルキーや閉塞感があるわけですが、その要素は皆無。また、地元住民と新住民の軋轢といったものもあるのですが、その要素も皆無。
大きな工場が一つ来ると、その地方は驚くぐらい発展して、その工場が去ると驚くぐらい衰退するのですが、それもほとんど描けていない(描こうとしていた形跡はある)。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』を見た。
前回まであらすじがあるのは、とても良いですね。わたし、3作目を見てねえや。
日本語喋ってる時でも、日本語の字幕を出して欲しい。
あんまり感想がないなあ。なるほど「報い」か。システム不全が侯爵一人に集約されて、構造を云々する話ではなかったのは、少し残念なのかな。それはそれで、いい気もするし。

『キングダム 運命の炎』を見た。3作目。原作未読。
前後編の前編みたいな感じで終わった。
「すごいなあ」ぐらいしか言うことがないんですね。とりあえず、集団の混戦で何をやってるか分かるのは、すごいです。3作の中で一番雑味がなかった気がします。
敵の将軍が、大河ドラマの「直虎」みたいな感じで討ち取られてました。

『バービー』を見た。
僕は人形遊びをしたことがないので、そういう意味では not for me ではあるものの。
衣装と美術の作り込みが楽しい。
後半になるにつれ、昇華が間に合わなくなって直球の演説になっていくんだけど、これたぶん全部拾おうとしてる所為だよな。
答えとしては今たどり着けるところの極北という感じで、かえって感想が難しいな。
とりあえず、この作品では大統領の代表はビル・クリントンでした。なるほどなあ。
最後の最後のとこが意味分からなかったです。

『地球防衛軍』を見た。
昭和の特撮。お金掛かってる。ガジェットがダサいけど、ダサいので展開がガバガバでも不思議と納得できる。お話自体はシリアス。
宇宙人の要求が嫁をくれなので、生々しい。盆踊りで始まるので、伝奇と接続してたら好みだったかも。

2023年7月23日
『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』を見た。
前後編なので、後編見るまで感想が持ちづらいな。
なんか、たくさん走ってた。
シンギュラリティと過去の因縁が手を組んで襲ってくる!といった内容ですが、シリーズ押さえてなくても何となく話は追えます(わたしはシリーズを履修してないのよねー)(何となくなので、過去作品を復習しておいたほうがいいのは確か)。
三つ巴、四つ巴の話なのに、するすると何となくと話に付いていけるのは、凄いなあ。
体力と根性と凄い謎技術で活躍するスパイさんの話なのですが、今回凄い謎技術が封じられて大変大変って感じでした。

で、まあ、作品とは直接関係ない感想なのですが、陰謀論者の人って、こういうの見てゴム人間とかにリアリティを感じてるのかなあ、と思いました。

『ヴァチカンのエクソシスト』を見た。
たぶん、これ、懐かしい感じがするな。嵐の夜で、画面が始終暗いよ。ガラスが凄い勢いでバリンバリン割れる。
スペインの修道院跡の修復作業を行なっていたら地下にとんでもないものが隠されており悪魔が復活し、そこに教皇直属のエクソシストが派遣される、という話。
応援も呼ばずに単身でぐいぐい進んでいくので、エクソシスト部門って人員不足なのかなと思いました。
ガタイのいいベテラン神父と生真面目でシュッとした新人神父の即席バディもので、だいぶクセになりますね。ベテラン神父さまがベスパで移動してるのは(ちょろっとしかなかったけど)、イイですね!イイですね!

『リバー、流れないでよ』を見た。
爽やかで楽しかった。見るとちょっとだけ軽い気持ちになれる。
京都の奥座敷の渓流沿いの老舗旅館で、2分間のタイムループが起きる、という話なのですが、登場人物がみんな比較的協力的で理解と見切りが早くて、話がサクサク進むので気持ちいい。
ループが煮詰まってきた時に新要素が出現するタイミングも気持ち良かったです。
舞台が老舗旅館の裏方で作りが迷路のようで、いろんなルートがあって同じ場所でループしてても移動が楽しい。縦方向の移動が多いのは楽しいよね。

『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』を見た。
ていうか、インディー・ジョーンズ自体を初めて見た。

過去にしか栄光のない感じの猫背で少し足元の覚束ない燻ってるお爺ちゃんが、事件に巻き込まれて愚痴を言いながら年の功で頑張っていて、可愛かったです。
お爺ちゃんのお友達たちも、久々にインディーの役に立てると目を輝かせていて、可愛かったです。お爺ちゃんたちの活躍をたくさん見たかったです。

だけれども、生涯追い求めたものが目の前にあって、ここで人生終えてもいいと感極まっているお爺ちゃんの感傷を、殴り飛ばす若い子の元気さも良かったです。若い子にもそれなりに過去があるのも良かったですね。

敵の博士が眼鏡を掛けて鞄を斜め掛けしていて、現場に出てきて散々な目にあって前髪がしょっちゅう額にかかっているのが、とてもとても可愛かったです。
親衛隊服を現代パートでお出しされふと、すげーダサいというかコスプレ感があって滑稽ですね。滑稽で可愛かったです。

で、エンドロールの冒頭でテーマ曲が流れるのですが、高校時代、この音楽で延々と行進させられていたので、心拍数が上がってガチめに気分が悪くなってヤバかったです。エンドレスが流れなくて助かりました。

『君たちはどう生きるか』を見た。 児童文学でした。わたしは好き。 

 わたしは宮崎駿の彼岸の描写が好きなんですね。ナウシカの清浄の地だったり、紅の豚の飛行機の墓場だったり、千と千尋の鉄道だったり。『君たちはどう生きるか』は9割ぐらい彼岸だった気がします。
“Animation(アニメーション)は、ラテン語で霊魂を意味するAnima(アニマ)に由来しており、生命のない動かないものに命を与えて動かすことを意味する(Wikipediaより)” とのことなのですが、この作品、動いちゃいけないものが動いてる感じがとてもありました。

 感触としては、図書館にある古いハードカバーの児童文学でして。イメージが溢れて理屈を付けるのを放棄していますが、概念としての古典的な児童文学をガツガツ借景してる感じなので、話にはついていけます。
『パンズ・ラビリンス』が選ばれなかった者の話だとしたら、『君たちはどう生きるか』は選ばれた者の話だったように思います。

 ちまっとネタバレすると、森喜朗もこんな気持ちだったかもしれないと、ちょっとだけ思いました。

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を見た。前作未視聴。
「To be continued.」で終わりました。これ楽しい、とても楽しい。アニメーションが楽しい、オシャレ、カッコイイ!欲を言えば、もっといろんな画風でわちゃわちゃして欲しかった(疲れるか?)
緑色の暗い夜空に灯りに照らされた赤い雨なんて、すごいキマってた!全編バチクソにキマってた!

続き物かつ設定が複雑なんですが、話を追うのに基本的なことはするすると理解できる感じです。
スパイダーマンがスパイダーマンたる必須要素として「愛する人を救えない」というのがあって、ではその宿命に抗うと世界が壊れる(メタ的なことを言うと、作品の基本設定を覆すと物語が成り立たなくなる)。
主人公はそれに「No!」と言うが、しかし。で、次回に続く。
続き(作品の答え)を見るまでは、何も思えばいいか分からんなあ、といった感じです。

『リトル・マーメイド』を見た。アニメ未視聴。
海の場面が暗くて、見ててあんまり楽しくなかったな。星空も暗い。
主人公にあんまり共感もできなくて。馬車を迷惑運転して目を輝かせてる場面とかが、わりと無理めでした。なんかフォローをしておくれ。
喋る海洋生物と喋らない海洋生物の違いは何だろうかとか、人間の形をしたものが主人で人間の形をしていないものが仕えてるのってなんか拙くないかなとか、人形って何食べてるの?魚?とか、アースラ叔母さんお腹刺されて終わりなの?とか、むにょんむにょん。
人魚姫は人間になって王子様と新しい世界に旅立ちました、めでたしめでたし、というのも、なんか、こう、な!
王子様も半分人魚になれよ!
その家の者としての特権と責務と、個人の自由との対立が、主題なのかな、と。

あと、作中で涙を流して泣いてる場面があるのに、それと矛盾してる文をアンデルセンの名前を出して冒頭に置くなよ。

『TAR』を見た。
頂点まで登り詰めた天才指揮者が失墜していく話。

えっと、あの、前半寝てしまいました。だからこれは、半分寝てた人の感想です。授業とか会議とか式典とか、人の話じっと座って聞いてると睡魔に襲われるんだ、わたしは。

冒頭、アホかと思うぐらい盛られた主人公の経歴紹介から始まるのですが、容姿とか自信に満ちた表情、声、身振りで、すごい説得力で捻じ伏せてきました。で、ここが頂点で、ここから過去の過ちなんかが掘り出されて徐々に徐々に落ちていくわけですが。
カメラの視点が一人称的三人称みたいな感じで、主人公が見たもの、見てしまったものしか画面に映らず、主人公が見なかったもの、見たくなったものは基本的に画面に映らなくて(例外が2,3箇所あったかな)、現在進行で起きてることもたぶんこういうことなんだろうなぐらいの確度でしか把握できない。
だから、解釈の幅が広い。見た人が見たいように解釈できる感じ。カメラが信用できない語り手みたいな感じで叙述トリックめいてるけど、ミステリーではないので謎解きパートはない。

わたし自身の感想としては、環境と条件が整えば人間はそうなってそうしてしまう生き物だとわたしは考えてるので、主人公はそこから抜け出せて良かったね、ぐらいな感じです。

『マルサの女』を見た。 税務署の職員と巨額の脱税をしている実業家との戦い。楽しかったです。 あの手この手の脱税手法がテンポよくコミカルに描かれておりまして、うわっ、面倒くさっ!と思いましたね。二重帳簿とか僕は管理しきらんわ。 んで、一回脱税してしまうとそのお金は表に出さないお金になるので、延々と脱税し続けなければいけない羽目になると。面倒くさい。 

そして、おっぱいが多かった。ていうか、出だしからおっぱいだった。
実業家の権藤さんは、囲っている愛人に脱税の手伝いをさせてるわけですが、なんかさ、これさ、たぶん脱税の手伝いをさせるために愛人を囲ってないかな? 税務署職員の板倉さんも、ファーストコンタクトで性的に籠絡させようとしてましたし。
権藤さんにとって性的行為って、性欲じゃなくて実利的な行為なんだろうな。自分のちんこを道具にしてますね。

ラスト、夕暮れの公園で遊んでる子供を見下ろして「切ない気持ちになる」と権藤さんは言ってまして、おっぱいとちんこのない世界に戻りたいよね、ノスタルジーだよねって、なりました。
脱税を巡って丁々発止対決した板倉さんとは、ちょっとそんな関係築けたんじゃないかな。

『お葬式』を見た。
妻の父親が急に亡くなったので、いきなり葬儀を取り仕切ることになりました。あたふたコメディ。
ちょいちょい口を挟んでくる親戚、酔っ払って帰ろうとしない弔問客、飽きて暴れる子供、正座で痺れる足、紛れ込んでくる愛人。無事に葬儀を終えることはできるのか。
お葬式なんて常にいきなりで準備万端で挑めるものではないのですが、でも恙無く敢行しなければならないわけで。
わたしも棺桶の相場とか通夜振る舞いの量とか喪主の挨拶とか書類の手続きとか一切見当付かんわ。っつうか、線香の上げ方すら知らん。

お葬式というものは、神妙にしなければならないわけで。さほど悲しくなくても、悲しそうに繕わねばならないわけで。参列者は遺族と弔問客という役割を演じているわけで。
お葬式というものは、そういう浮ついた薄っぺらい薄寒さが纏わりついているものだと思うのです。
祖父母の葬式で、司会の人が変なムーディーな音楽を流しながら情感たっぷりに祖父母の人生を読み上げてる時、白けた変な気分になったものな。
でも、そういった内実を伴わない形式とか建前とかいったものは、心とか感情とかを柔らかく包むために必要はあるんだろうなと思ったりもするわけでした。

『銀河鉄道の父』を見た。
宮沢賢治を父親視点で追った映画。役者さんと絵面はいいんだけど、不満が大きい。

父と息子の交流が喧嘩と看病ぐらいしかないので、父親が息子をどう育てたか、どう育って欲しかったのかとか、何が好きで何が嫌いとか、文学的素養とか、そういう情報が読み取れない。
インパクトの強いイベントが突発的に起きて、そのイベントが何故起こったのか、それによってどういう影響があったのか、そういう話の繋がりもあまりない。

娘を東京の女学校にやれるぐらいの大店なのに、従業員やお手伝いさんのいない家。
存在を消された祖母、トシの聖女振りを演出するための祖父、存在感の薄い母親、文句ひとつ言わない都合のいい弟、二人いたはずが一人に集約されて「お兄ちゃん」の一言しかセリフのない妹。
作り方が一面的過ぎる。

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』を見た。
歌って踊る大団円はいいものですね。うん、いい、良かった。
味方は怒鳴る人が多かったので、せめて敵は怒鳴らない人がよかった。

こないだアフタヌーン編集長のnoteがあったじゃないですか。そこの中村哲先生の言葉。わたしにとっては、そういうお話でした。
「泳ぎの速い子がいて、遅い子がいて、泳げない子がいます。皆それぞれ違っていますが、優劣ではないのです。優劣などないのです」

note.com/afternoon_manga/n/n48

『AIR/エア』を見た。
1984年、低迷期のNIKEが浮上するきっかけを掴んだ、その瞬間の映画。

スポーツとか、そういうのに全く興味がない人間が見てしまっての感想にはなるのですが。
80年代の車とか電話とかがたくさん出てきて楽しかったです。

ええと、converse、adidas、NIKEと3つのメーカーがありまして。NIKEは三番手に甘んじていました。その状況を覆すために、マイケル・ジョーダンという学生バスケのすごい選手と契約を結ぼうという話になって、めでたく契約が結べたので、NIKEはトップメーカーに躍り出ましたよ、結んだ契約はそれまでの世界を変える画期的なものでしたよ、という話でした。
わりと結論ありきで、プレゼン場面も滑りまくりでマイケル・ジョーダンが何故NIKEと契約を結ぶことにしたのか、それまでの商習慣を覆す画期的な契約をどう役員会で承認させたのか、それはよく分かりませんでした。

プレゼンにあたり、靴を作ることになるのですが、これがたった二日の徹夜作業、機能は二の次で見た目重視でという指示で作られていたのが印象的でした。
靴は所詮靴で、どの靴を履くかではなく、誰が履くかが重要なんだ、みたいなことをプレゼンで語っていて、これがこの映画の肝だったのかな、と思いました。

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(吹替)を見た。
考えてみれば、わたし、マリオをあんまり履修してなかった。ゲーム(スーパーマリオブラザーズ)をちょろっとやって、子供の頃に実写版(いろいろ忘れてるけど面白かった記憶はある)一回見たことがあるだけだ。

配管工という設定がほぼ活かされていなかったので、寂しかったです。配管工スキルを使って活躍して欲しかった。
序盤の横スクロールアクションの場面が一番楽しかったので、もっとテレビゲームっぽくして欲しかったです。音楽ももっとピコピコして欲しかった。
気負わず楽しく見れました。

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