『お葬式』を見た。
妻の父親が急に亡くなったので、いきなり葬儀を取り仕切ることになりました。あたふたコメディ。
ちょいちょい口を挟んでくる親戚、酔っ払って帰ろうとしない弔問客、飽きて暴れる子供、正座で痺れる足、紛れ込んでくる愛人。無事に葬儀を終えることはできるのか。
お葬式なんて常にいきなりで準備万端で挑めるものではないのですが、でも恙無く敢行しなければならないわけで。
わたしも棺桶の相場とか通夜振る舞いの量とか喪主の挨拶とか書類の手続きとか一切見当付かんわ。っつうか、線香の上げ方すら知らん。
お葬式というものは、神妙にしなければならないわけで。さほど悲しくなくても、悲しそうに繕わねばならないわけで。参列者は遺族と弔問客という役割を演じているわけで。
お葬式というものは、そういう浮ついた薄っぺらい薄寒さが纏わりついているものだと思うのです。
祖父母の葬式で、司会の人が変なムーディーな音楽を流しながら情感たっぷりに祖父母の人生を読み上げてる時、白けた変な気分になったものな。
でも、そういった内実を伴わない形式とか建前とかいったものは、心とか感情とかを柔らかく包むために必要はあるんだろうなと思ったりもするわけでした。
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