自民党の次期総理候補の一人、ともされる茂木自民党幹事長が「今の国民はパンよりサーカス」という持論を展開しているそうだ。
しかし、「パンとサーカス」とはローマにおいて「共和政」が空洞化し独裁政治に移行してから、大衆を「愚民」とみなして使われるようになった言葉。
「パンとサーカス」の伝統は専制国家になった東ローマにも引き継がれ、皇妃をミスコンで選ぶようなったことなどは、さらに演劇性を増したとも言える。しかし、他方学術の独立性は失われて、プラトンの開いたアカデミアは閉鎖。
アリステレスをはじめとするギリシア哲学、科学、医学、法学の中心地はイスラム圏に移る。中世ヨーロッパのアリストテレスは全てアラビア語からの重訳。トマス・アクィナスがイスラム圏との接点のナポリ大学出身であるのも偶然ではない。
茂木幹事長に戻れば、「パン」がなければ「サーカス」に行く体力はない。しかも、そのサーカスとは五輪や万博など一般民衆から収奪した元手を内輪で分配するのだから、民衆にとっては「ふんだりけったり」である。
茂木氏はマッキンゼーから平成維新の会事務局長というキャリア。正直、「コンサル」というだけでお腹いっぱいである。
英語圏でもコンサルの弊害を論じたCON(仏語では間抜け)という本が出たそうだ。
今日、先端研のROLESのページを見ました。
そうしたら、昨日の投稿で書いた「王子殿下」という敬称がなくなっていて、「氏」になっていました。
再度、びっくりです。
(前の投稿ではROLESの綴りを間違えていました。失礼しました)
QT: https://fedibird.com/@chaton14/112484021189930485 [参照]
スペイン、アイルランド、ノルウェーのパレスティナ国家承認に対し、イスラエルは「テロに対する報奨」と批判。同時にラファ中心部に戦車部隊を侵攻させた。
J.デリダの死の直前の著作に「ならず者たち Voyous」がある。デリダは2003年の米国のイラク侵攻とパレスティナ情勢の急激な悪化を受けてセミネールで講演をした。今の米国とイスラエルはまさに国際社会の「ならず者たち」=「アウトロー」そのものである。
ところで、今月2日にイスラエルとの断交を発表したコロンビアのペドロ大統領は、ヨルダン川西岸に大使館を開くように指示。「2国家案が必要ならば、パレスティナを完全な国家として承認することが必要」と正論を展開。
またUKではアイルランドともにスコットランドでも反英感情は強い。スコットランドも元来ケルト系だったが、イングランドに征服され、言語も奪われた。しかし20世紀後半から独立派が支持を集め、現在スコットランド議会で圧倒的第一党、政府首班。外交権があれば、パレスティナを国家承認しただろう。
私はアルコールに無縁なので仄聞だが、スコッチ・ウィスキーには「バノックバーン」という銘柄があるという。
これは1314年イングランド軍を破り、スコットランド独立を決定づけた名高い決戦場である。
なにやら「国立大授業料150万に」という、どこからどうみても「馬鹿げた」話が、どうも仕込まれていたものらしく、慶応の塾長から始まって、社会の一部に流通しているらしい。
財務的には日本の高等教育予算は国際比較で低すぎる。原則論としては、私学助成金を増やして、私学の授業料を下げるべきだろう。
そこで「財源は?」と必ず来るが、基本倍増が予定されている軍事費から回せばよい。
そもそも射程距離3-5千の巡航ミサイルや航続距離が長い戦闘爆撃機などは「専守防衛」の建前からしても外れている。
また戦車なども無用の長物である。米軍が駐屯し、海に囲まれ、世界2位の日本海軍を相手に「敵前上陸」を試みる国はいない。
また陸上自衛隊20万人も多すぎる。元来朝鮮戦争の際、半島に出動した米8個師団を埋め合わせるために急遽つくられた組織。それが現在倍にまでなっている。また自衛隊の武器はオーダーメイドに近いのでこれも割高になる。
私は元来自衛隊を改組し、レスキュー部隊に改組、そのための訓練と装備に置き換えるべきと考える(軍隊は殺人訓練をするがレスキュー訓練はまた別)これを世界の災害の際に派遣する。
いずれにせよ、軍事費倍増のあおりで国立大学授業料150万、などという選択は愚の骨頂である。
スペイン、アイルランド、ノルウェーがパレスティナを国家として承認。今後、ベルギー、スロヴェニアが続く予定。
アイルランド首相は、会見で英国の植民地主義主義に抗し、IRAによる解放闘争によって独立を勝ち取った歴史に言及。事実上パレスティナ問題を植民地主義と見做すことを表明した。
元来アイルランドはクロムウェルの征服・大虐殺以来、400年近く英国の植民地とされ、土地は収奪、言語も奪われた歴史(元来はケルト系のゲール語)を持ち、反英感情が強い。
アイルランド本島では生活が成り立たないため、米国や産業革命後の英国に低賃金労働力として移民として、ブリテン島のマンチャスターやリバプールに移民。
エンゲルスのパートナー、メアリー・バーンズもアイリッリュだった。またビートルズもリバプールのアイルランド移民の子弟。英語圏のシンガーはアイリッシュが多い、例えばU2など。
ところで、米国はICCがネタニヤフに逮捕状を請求したのに対し、ブリンケン国務長官が対抗措置を執ると明言。これは、まさに「リベラルな国際秩序」の終焉の鐘を鳴らす行為だと言えるだろう。
さて、先日英国では労働党指導部もイスラエル支持と書いたが、現在、民衆は圧倒的にFree Palestine である。英国の支配層の行く末は如何に?
しかし、この池内氏をリーダーとするrolesという先端研のグループ、トップ池内、次席小泉悠、三席にスパルタカス君の所謂「国際似非ジャーナリスト」氏が「特任教授」としている。
このグループ、KCIAの創設メンバーやら、ネタニエフの右腕やら、「怪しい」人達を招いて講演してもらっているようだが、今度は1952年のナセルの自由将校団による革命によって倒されたムハンマド・アリー朝の末裔を連れてくるらしい。
しかし「王子」と名乗っているが、一体どこの王国なのか?エジプト王国の王子ということになると、共和国エジプトが黙っていないのではないか?
ま、勿論フランスでもブルボン朝の末裔はいて、内輪では王太子(dauphine)と名乗っているかも、だが海外でそれをすると大変なことになる。
それにしても先端研、あの「玉井克哉」さんと経済安保法案で活躍した「チーム甘利」の一員、国分俊文氏も「特任教授」。国分氏は国分氏は元来大手コンサル出身で研究とは何の関係もない人物である。
安部・甘利人脈で固めた「経済安保マフィア」の要として動き回りつつ、先端研特任教授の肩書も得ているようだ。
近年、研究とも教育とも関係のない、政界とのパイプを利用した「稼げる大学」が前景化しているが、その「先端」ということだろう。 [参照]
『速報: ノルウェーはパレスチナ国家を正式に承認した。』
https://twitter.com/GlobeEyeNews/status/1793171940834005032
地平社の熊谷伸一郎さんが、往来堂書店の番組に登場した回、spotifyにアップされて聴けるようになりました。
おもしろいです。
https://open.spotify.com/episode/6cCwzXSPLctGfbGisIHMIu
紹介されたのは
『ルポ 低賃金』、『絶望からの新聞論』、『ガザ日記』、月刊『地平』。
やはり「普通に働いているのに、普通に暮らせない」という『ルポ 低賃金』のテーマはいま皆身につまされるので、話が盛り上がっていました。
『絶望からの新聞論』は、岩波をやめる熊谷さんと朝日をやめる南さんが出会い、話をするうちに、「卒論」として本書を書いてほしいと南さんに依頼したのがきっかけだそう。
ちなみに、この2冊、東京堂書店の週間ランキングにも入っているとのこと。
http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?p=23530
品切れ気味になったりもしているようで、お話の途中で往来堂書店が直に追加の注文をしていました!
聞き手が本屋さんなので、本の内容だけじゃなくて、流通についてのお話もでてきました。
岩波は雑誌も含めて「買い切り」(仕入れた本屋さんが出版社に返本できない)だったけど、地平社は「委託」(返本可能)だそうです。
(売れ残りを恐れず、多めに仕入れることができる、と店主さんも安心してました)。
BT
国末憲人氏が今年から移った(一種の「天上がり」?)東大先端研については、先日も書きましたが、なんかあの研究所(とくに池内恵氏のラボ「ROLLS」)、いわゆる普通の「保守」とかいうのを越えて、「極まっている」感じがします。
(国末氏は、小泉悠氏などと同様、池内氏のラボ所属みたいです)。
今、先端研のROLLSのページを見たら、6月にやるイベントで「王子殿下」と敬称がついている外国の人の講演が予定されているみたいなのですが、その人、いま現在その肩書きの地位にないようなのですよね・・・。
どうも、エジプトの王様の孫として生まれ、革命で王制はなくなって、いまは王子を「自称」している人らしいです。(「竹田」さんみたいな?)
大学の研究機関がそんな自称に合わせた呼び方をしてあげているの、ちょっとびっくりです。
朝日新聞GLOBE+アカウントの「王室」推しとあいまって、おどろくほどの復古ぶりにめまいがします。
こういう復古ぶりとあの人生相談の「冷笑」が合わさっているのが今の朝日なのだなぁと思わされます・・・。 [参照]
結局「冷戦の終結」は民主主義ではなく、資本主義の勝利であり、そのことを旧東欧諸国はこの30年で思い知らされることとなる。
ちなみに「東欧EASTEN EUROPE」とはWWII後、ソ連の勢力圏に入った地域を指す地政学的概念。
この30年は、旧東欧地域では社会保障体制は崩壊、「IMFゴロ」と言われる連中の政策もあり、格差と貧困は異常なまでに拡大した。
この地域で極右ポリュリズムが近年抬頭している決定的な背景はそこ。
であるから、西側からいくら「多様性」と「リベラリズム」をお説教しても効果なし。
そこで、ついに「国王」まで持ち出して来たわけだ。スパルタカス君が「似非国際ジャーナリスト」と命名しているのは、「朝日」の旧欧州特派員の国末憲人という記者。
この人は、東大の遠藤乾さんとともに「骨の髄」まで、マクロン主義者である。遠藤さんはと言えば「新自由主義という概念自体認めるべきではない」と精神分析的で言う所の典型的な「否認」の症状を呈している。
ところで、国末さん、この4月から東大先端研客員教授に天下っている。
この工学部の外郭団体的な組織には、先日書いたように、池内、玉井、牧原などといったやや「偏った」人間が集中。さらに客員教授には「詐欺師」っぽい人がズラリ。これは一体?
スパルタクス君、今日は「まとも」な事を言っている。
「また似非国際ジャーナリストが得体のしれない記事を出している。このシメオン・サクスコブルクゴツキが、幼くしてブルガリア王位に就いたあと、WWII後追放されたのは、親ナチだったからで、共産主義国家崩壊後、亡命先から帰って来て2001年に首相になり、選挙に負けるや、今度は旧共産党と組んで与党を担った人物。単なる「バルカン政治家」以上でも以下でもない。読者の無知を当て込んで、何吹きこんでんだか。」
この記事というのは、朝日グローブに掲載されいたもの。見出しはこうだ。
「政治家の野心を抑止できるのは国王しかいない。民主主義とのバランスを取れば、君主制が有用なのは明らか。世襲だとバカが跡を継ぐ恐れがあるなどという人もいるが、選挙で選ばれた政治家の方がバカの確率はずっと高い」
補足すると、WWII中、ブルガリア、ルーマニア、スロバキア、ハンガリー、クロアチアは全てファシスト政権でナチと同盟、ソ連に侵攻。赤軍に押し返される過程で、脱「ナチ」化された。ポーランドも「分割」前はファシズム政権で愚かにもチェコスロバキア解体に参加して領土を強奪。
欧米日の政治学はWWII後の社会主義権威体制にだけ光を当てる傾向があるが、バランスが取れた見方とは言えない。
昨日は、大学でフランス語・フランス文化の講義の日。
仏語の方は、受験の延長上で真面目に習得している。
ただ、文化の方がたいへん心許ない。ここ15年くらいはっきりしているのは、「世界史」・「地理」の知識が劇的に低下していること。若いので、入学して数ヶ月で記憶から消えた、わけでもない筈だからどうしたことか?
英語の中に仏語に語彙が多いのはへースティングスの戦いによるノルマン・コンクエストの結果。従って中英語に大量の仏語が流入した、と説明しても、「ノルマン・コンクエスト」を知らないので、第二次民族大移動からの説明になる。
そこで、カフェオレやカフェラテから仏語とイタリア語がロマンス語系に属するという話に移すが、ラテン語とロマンス語の話あたりで「うつらうつら」とする人が発生し始める。
「むむー、それでは」とヌーヴェル・バーグとネオリアリズムはどうだ?としたが、誰も知らないのである。
仕方がないので、「4年間の間に最低10本は観ること。国際教養学部の人は、卒業後国際機関で海外の人に会った時、必ず役に立つ。知らないと恥ずかしい思いをする」などと少し脅かす。
最後はpommier(りんごの樹)が出てきたので、ニュートン力学と量子論、「四つの力」、そしてスマートフォンの話をした。
現在国会で審議中の地方自治改悪法案を、昨日の「朝日」で東大先端研教授の牧原出さんが、またまたアクロバットな技で擁護している。
見出しは、「政権の暴走、歯止めをかける」である。
何のことやら、と思ったら、国の自治体に対する「指示権」を法制化することで、法に基づかない政権の「暴走」をチェックできるという詭弁である。つまり、仮に「暴走」しても後でチェックできるというのである。
これは要するに、自衛隊が法的に「曖昧」な状態である故に、9条を改憲するべき、というレトリックと全く同じ。
現在、法的には国と自治体は対等な筈であるが、実質的には自治体の権限は極めて弱い。橋本行革の際の平成の大合併によってこの傾向はさらに加速された。
明治憲法下では地方自治の概念はなく、県知事も内務省の役人が任命された。戦後改革で「地方自治」という概念が導入されたが、駆動したのは1970年代の革新自治体の際。
しかし1980年代以降自民党政権によって巻き返され、現在に至る。
今回の改悪法は事実上「超法規的措置」の創設であり、例えば「戦時」の際に、有無を言わせない根拠となる。
また福祉の窓口である自治体と国が対立した場合、「指示権」発動で国に従属させられる。
しかし東大先端研、池内、玉井含め訳のわからぬ人が多いなー
「岩波、朝日、NHK」は、かつて良心的なメディアの代表格として認識されていました。
しかし、そうした中央の大きいメディアから離れて発信する人たち(南彰さん、ウネリウネラ、生活ニュースコモンズなど)が近年増えています。
世界各地で起きる戦争や混乱に心を痛める相談者に
「そんなに心配なさっているのなら実際に戦場に出向いて最前線で戦ってくればいいのにな」
という冷笑で回答した、今回の件でもあらわになったように、
いまの大きなメディアには
「勝っている」側(権力のある側)の用意した流れにのらずに、社会で起きている問題について読者とともに地道に考え、おかしなことが起きているときは声をあげる、
という本来は報道人にとって当たり前だった「良心」をもったひとの居場所がほとんど存在しないようです。
岩波をやめた熊谷伸一郎さんが地平社をつくり、
南彰さん(現琉球新報、元朝日)、長井暁さん(元NHK)、東海林智さん(現毎日)がそこから本を出したこと、
地平社が月刊誌を、いまの社会で起きている問題に正面から取り組む書き手たちともに出すと決めたこと、
こうしたことは今のメディアの状況からいって、必然だったと思わざるを得ません。
#地平社 さんから先月刊行された『経済安保が社会を壊す』(著者:島薗進、井原聰、海渡雄一、坂本雅子、天笠啓祐) 。先に成立した「セキュリティ・クリアランス」導入法など、#経済安全保障 の名の下で現在急速に進む経済・社会の軍事化の問題に切り込んだ一冊です。
#経済安保が社会を壊す
#192ページ、1800円(税別)
https://chiheisha.co.jp/2024/03/07/9784911256046/
哲学・思想史・批判理論/国際関係史
著書
『世界史の中の戦後思想ー自由主義・民主主義・社会主義』(地平社)2024年
『ファシズムと冷戦のはざまで 戦後思想の胎動と形成 1930-1960』(東京大学出版会)2019年
『知識人と社会 J=P.サルトルの政治と実存』岩波書店(2000年)
編著『近代世界システムと新自由主義グローバリズム 資本主義は持続可能か?』(作品社)2014年
編著『移動と革命 ディアスポラたちの世界史』(論創社)2012年
論文「戦争と奴隷制のサピエンス史」(2022年)『世界』10月号
「戦後思想の胎動と誕生1930-1948」(2022年)『世界』11月号
翻訳F.ジェイムソン『サルトルー回帰する唯物論』(論創社)1999年