「岩波、朝日、NHK」は、かつて良心的なメディアの代表格として認識されていました。
しかし、そうした中央の大きいメディアから離れて発信する人たち(南彰さん、ウネリウネラ、生活ニュースコモンズなど)が近年増えています。
世界各地で起きる戦争や混乱に心を痛める相談者に
「そんなに心配なさっているのなら実際に戦場に出向いて最前線で戦ってくればいいのにな」
という冷笑で回答した、今回の件でもあらわになったように、
いまの大きなメディアには
「勝っている」側(権力のある側)の用意した流れにのらずに、社会で起きている問題について読者とともに地道に考え、おかしなことが起きているときは声をあげる、
という本来は報道人にとって当たり前だった「良心」をもったひとの居場所がほとんど存在しないようです。
岩波をやめた熊谷伸一郎さんが地平社をつくり、
南彰さん(現琉球新報、元朝日)、長井暁さん(元NHK)、東海林智さん(現毎日)がそこから本を出したこと、
地平社が月刊誌を、いまの社会で起きている問題に正面から取り組む書き手たちともに出すと決めたこと、
こうしたことは今のメディアの状況からいって、必然だったと思わざるを得ません。