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『きみの色』(監督: 山田尚子)

傑作。緊張感で息が詰まるかと思った。集中力の要求値が高くて、映画館でしか見続けることができないと思った。冒頭のモノローグこそ腕組みしながら「アニメは映像powerで語りを作れてええどすなあ」思ったんですが、ギリギリと観客の胸を締め上げるようなストーリーテリングに気い狂いそうになった。
主人公のトツ子こそ朴訥ながら年相応に約束を破る子だったから安心して見つめることができたけど、あとの二人の嘘と隠し事でテンション(緊張)を掛けながらお話をドライブさせ切ったは匠の技。勉強のつもりで観に行ったけど上手すぎて勉強にならんかった。

『Gathering』(馬場智章)

10月に馬場智章のライブ@ブルーノートに行くために予習。浮遊感があって気持ちいい。

『新高値ブレイクの成長株投資法』(ふりーパパ×DUKE。)

微妙以下。ミネルヴィニやオニールの手法の日本株での実践を知りたくて読んだ。アベノミクス相場の時に書かれた本で、アベノミクス相場の前後のセクターに思考が囚われている。近視眼的。

京フェスに申し込みました。合宿まで申し込みましたが、旅館でオールはしないつもりです。

『フュージョン』(濱野京子)

ダブルダッチに取り憑かれた中学生女子4人の物語。
マイナー競技を読者にどのようにスムーズにインストールするかを研究するために読みました。本作の開幕は固有名詞をゴリゴリに使ってカロリー高めで押し込んだ感じですね。「フォローミー!」という腹の座り方は、正直、憧れるが、今回の私が使うべき手法ではないのでしょうな。
お話自体はオーソドックスなヤングアダルト小説で(良い意味で)読み味が軽かったです。読者が関心を持ちそうなフックを(回収するしないにかかわらず)数多く散らして、興味を持続させようとする試みが見られました。構造のオタクなので散らしっぱなしはあんまり好かんのですが、こういうのやってもええんかもなあと思いました。

ターンエーの序盤~中盤は実際かなりおもろいです

『生成AIと知財・個人情報 Q&A』(齋藤浩貴・上村哲史)

仕事のために目を通しました。『ゼロからわかる~』よりも議論が深い。プロの仕事を感じました(森濱田の弁護士の先生方が書いているので、プロの仕事である)。

『ゼロからわかる 生成AI法律入門』(増田雅史・輪千浩平)

仕事のために目を通しました。私は政府の報告等もチェックしているのだが、これ一冊で論点が明快にまとまっている。とりあえずこれかな。

『私は株で200万ドル儲けた』(ニコラス・ダーバス)

古典の中の古典。私が教科書としている株の本(オニール、ミネルヴィニ)で参照されているので遂に読んだ次第。
ボックス理論の全ての基礎はここにあった。理論の技術的な面もさることながら、メンタルモデルについて読むべき。特に、著者が市場に近付いたタイミングで「うわさ話」に振り回されるのは面白い。インターネットが発達して個人投資家が増えたいま、もっとも読む価値があるかもしれない。
amazon.co.jp/新装版-私は株で200万ドル儲けた

『肝臓の脂肪は3日で落ちる』(栗原毅)

読みました。糖類を控えましょう、よく噛みましょう、食前食間に高カカオチョコ食べましょう、酢を取りましょう、緑茶を飲みましょう、あたりですかね。

さきほどの話を受けて、今の時点での原稿について整理してみました。

はてなブログに投稿しました
240817 小説を書くときの「助走」について - 箱庭療法記 yobitz.hatenablog.com/entry/20

2024年の世界観において、児童文学で12歳男子が侮蔑的な用法で「ホモ」って発したら(そう発せさせたら)、作家のキャリア終わるでしょ。

本編とは関係のないところですが、2003年に書かれた「あとがきにかえて」で、1996年に書かれた本作と本作から時間が経過してからのアツい想いが語られていて、そこではサカキバラとか戦争とかあるんですが、本作では(侮蔑的な用法で)「ホモ」と発せられた台詞があって、あさのあつこでもそういうこと書いてたの、「1996年とか2003年とかの世界観やな……」思いました。

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『バッテリー』(あさのあつこ)

素直に面白かった。視野(世界)の狭い主人公が、周囲のひとびとに干渉されて、自身の世界観を変えざるを得ない、否が応でも変化を受け入れざるを得ない。その姿は思春期の困惑そのもので、瑞々しかった。
テクニカルな話だと、立ち上がりがやはり上手い。都会から田舎に移り住むことになってそれでも周囲に無関心な主人公。キラキラと光る自然に目を輝かせる弟。二人の対比。弟の今後を予感させるちょっとした布石。彼らへの関心のバランスのちょっとおかしな両親。そういった要素が一気に流れ込むのだが、抵抗なくスイスイと読める。
また、テンポの管理も巧みで、野球のメジャーさに胡座をかかずに読ませるべきところは厚く、場面転換はサラリと流す。
流石です。
amazon.co.jp/バッテリー-角川文庫-あさの-あつ

『武士道シックスティーン』(誉田哲也)

「決闘」を書く参考になるかなと思って手に取った。剣道くらいメジャー競技になると、割とスピード重視で書いても絵ができるんかなあ。
序盤25パーセント読んでギブ。内面に関する描写が濃い味というか説明過多に感じられて、たぶん、内面、台詞、アクションの比率で内面が重視されているからなんだろうけど、得意なバランスではないです。
映画はけっこう前に観たけどそっちは好きでした。

『トレードで行き詰ったときに読む本』(マイケル・マーティン)
amazon.co.jp/トレードで行き詰まったときに読む本

投資の勝率を上げるためには、投資のスタイル2割、残りの8割は自分の感情をコントロールするための術。
では、感情のコントロールとは? 感情のアップダウンそれ自体の抑制と、感情のアップダウンが生じにくい(自分に適合した)投資スタイルの選択とに分解できる。
前者のためには、投資記録(もっと細かく、①日々の日記でもよい)を付けること、②負けを受け入れる謙虚さを身につけること。
後者のためには、究極、許容可能な負けをあらかじめ設定すること。つまり、③撤退ラインの逆指値を設定しておくこと。
この3つしかない。私には①、②がまだ不足しているように思った。明日、まずは日記帳を買おうと思う。

『BIG THINGS どデカいことを成し遂げたヤツらはなにをしたのか?』(ダン・ガードナー、ベント・フリウビヤ)

先日の『エフェクチュエーション』(とにかくスモールスタートしよう)を読んでから本書(ゆっくり考えてから素早く動こう)を読むと温度差にくらついた。
しかし、読み進めるうちに両者は本質的には同じことを書いていると気付いた。共通点は「プロジェクト(PJ)のコスト・リスクを着手前に見積もることの困難さ」だ。
『エフェクチュエーション』では、見積もりの「不可能性」を受け入れ、クイックに試行を回し続け、受け入れ可能なレベルのコスト・リスクを受け入れ続けることに着目する。
本書では、見積もりの「非ー不可能性」に挑む。挑むPJと何らかの意味で共通点を有する類例から学ぶ。そのためには、類例に携わった経験者を引き入れる、あるいは自分自身が経験者になる。
自分自身が経験者になるという方策は類例から学ぶための方策とは一見矛盾するようだが、PJの全体が破綻しない程度にPJを分割(モジュール化)し、モジュールを繰り返すことで可能となる。お決まりだが「困難は分割せよ」「経験は成功の母」だ。
読み比べて興味深い体験だった。
amzn.to/4dmGc3x

『よくわかる最新光工学の基本と仕組み』(小野明)

例によって例によって投資のため。光ファイバー周りを勉強したくてその周辺をつまみ食い。EUV周りの基礎知識が書いてあったのは良い想定外でした(開口率とかの定義も知らなかったし)。

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