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『通信の世紀ー情報技術と国家戦略の一五〇年史ー』(大野哲弥)
明治からの遠距離通信についてのヒストリー。戦後から現代まで眺めました。積んでいた本で、通信への関心が高まったので手に取りましたが、歴史が中心なので関心にはミートしませんでした。また気が向いたら眺めよう。

『週刊東洋経済2024年8月10日・17日合併号』(東洋経済新聞社)
特集「エヌビディアの猛威 半導体覇権」のため。今回は記者がイマイチだったか。

投資だけの目線で言うと、スタートアップなのに速度感と収益性は(速くても)大手に律速されるのでかなり難しそうだな。

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もう少し踏み込んで書いておくと、水平分業の業界でパワフルにDXを推し進められるのは、パワフルな大手に限られるので、結局は大手か、大手と組んだスタートアップか、大手とスタートアップのJVか、という感じになるっぽい。スタートアップにとっては、どのくらい事業のスコープが細かいかと、どのくらいマーケットが大きいかの両方をしっかり意識しないといけないらしく、後者にアクセスするために大手が要るらしい。そのため、IPOよりM&Aが選ばれることも多いっぽい(じゃあ建設DXのスタートアップへの投資って激ムズじゃん)。

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『建築DX2』(木村駿)

投資の勉強のため。
建設業において残業規制が課せられる「2024年問題」はクリティカルな問題だと思っていたので建設DX系スタートアップに投資して、その結果、爆損したことがあるのですが、本書、「建設DXはまだ夢やで~」つってて爆損する前に読みたかった。一言で言えば、DXできる余地のない中小企業が多すぎる&水平分業が進んでいるせいで関係者が多いのがネックらしいです。
建設ではテクノロジーが浸透するまでに5~10年程度かかることがザラらしく、そういう位置にゴールを置いておくのがいいのかと思った。
個別だと大林組が強そうでした。

『改訂版 AI時代のビジネスを支える「データセンター」読本』(杉浦日出夫)

投資の勉強のため。データセンターに求められる技術を概観できる。だいたい知ってたので特筆すべき点はあまりないです。

『リカーリング・シフト 製造業のビジネスモデル変革』(青嶋稔)

リカーリングビジネス(=製品の販売後も顧客と取引を継続できるビジネスモデル)について、リーディングカンパニーの事例を用いながら、リカーリングビジネスを導入するための提言を行う。私のような担当者レベルより上の部課長レベルが読んだ方が行動に直結させやすいため「刺さる」度合いは高そうだったが、彼らがなにを考えているのかを推測する材料となった。端的に、リカーリングビジネスとは、従来の売り切り型ビジネスとはビジネスモデルが全く異なるものであるため、ビジネスマインドの再定義が必要との主張。本書は、なにをどう再定義すべきかを説く。
紹介された各社ともコングロマリット的な超巨大企業であるため、明日から導入できるものではない(そもそもリカーリングビジネスとはそのようなものではない)が、スモールスタートでもそう目指していくことが重要なのだろう。
そもそも本書を手に取ったきっかけとは、私の職場のいくつかの製品が「リカーリング」と定義されたことである。何となくのイメージしかなかったが、具体的なビジョンを持てるようになった気がした。意識合わせに使えるかもしれない。

本書には「行動を恐れるな」というメッセージが通底しているように感じられ、勇気付けられた。
また、私が同人活動でやってきたスタンスを肯定してくれるものだった。つまり、手持ちの資源を可能な限り使い、失敗しても死なない範囲で出して、人と繋がって、繋がった人からまた何かを得て(あるいは与えて)……という。その意味でも勇気付けられた。

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個人的に特に興味深かったのは「クレイジーキルトの法則」に関して、パートナーシップを築く際に「問いかけ」を重視せよという示唆。大組織的な価値観の基ではパートナーシップ=顧客に直結するのだが、小規模なプロジェクトでは、パートナーシップは多様なコミットメントを得るためのチャンスと見做される。「問いかけ」とは、そのコミットメントを膨らませるための重要なファクターである。

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『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(吉田満梨・中村龍太)
amazon.co.jp/エフェクチュエーション-優れた起業

大組織ではない小規模な個人やスタートアップのためのプロジェクトの走らせ方を解説する。スタートアップを立ち上げた友人に教えてもらったのだが、個人事業主であるところの作家(同人作家)にも通ずる原則だろう。

1.「手中の鳥の原則」
ないものねだりをしないで、自分が保有していて確実に使える資源(手段)からスタートする。その手段から生まれる効果を大切にする。
2.「許容可能な損失の原則」
なにが得られるかではなく、なにを失うことができるか、からスタートする。チャレンジの損失が許容できる範囲ならまたチャレンジできる。
3.「レモネードの法則」
望んだものが手に入れられなかったときに、それを新たなチャンスとリフレーミングできるか。甘い果物ではなく酸っぱいレモンしか手に入らなかったときでもレモネードを作れる。
4.「クレイジーキルトの法則」
いかに多様なパートナーを作れるか。直接の顧客にならなかったとしてもチャンスをもたらしてくれる可能性はある。
5.「飛行機のパイロットの法則」
予測に基づく行動ではなく、コントロールできる範囲での行動に焦点を当てる。

お気持ち感謝……(お返事は少々お待ち下さい)

お時間あったらオンラインでドミニオンでもしましょ!(steamで基本無料でできます)

ナラティヴアプローチの「自分の判断を留保する」ってマインドフルネスと通じるところがあるし、そういう意味で両方とも精神医学の分野で使われるのは納得感あるな。

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『他者と働く 「わかりあえなさ」から始める組織論』(宇田川元一)

平田オリザが推薦文を書いていたため手に取った。著者は「わかりあえなさ」を扱う点では平田と共通の課題意識を持っているが、「組織論」とあるように、よりspecificな課題、つまり会社ではたらく私たちサラリーマンに向けての本だった。繰り返し書かれるのが「自分のナラティヴ(立場)をいったん脇にやって、相手のナラティヴ(立場)を眺めてみる」ということ。本書はその先も語るのだが、いったん自分の判断を留保して相手の判断に耳を傾けてみることの重要性を滔々と説いていた。また、印象に残ったのは「仕事のナラティヴの中で主人公になる」というフレーズ。誰でもなく自分自身のナラティヴを確立することだと私は解したが、いいフレーズなので使わせてもらおうと思った。
amazon.co.jp/他者と働く──「わかりあえなさ」か

『外資系コンサルのスライド作成術ー[作例集]』(山口周)

仕事で幹部層向けのプレゼンをすることになったので。スライドの「型」が多く収録されているのだが、そのものを流用するよりも、1枚のスライドに詰めるべきメッセージをどんな観点から分割できるか発想するためのトリガーという感じだった。手の届くところに置いておき、都度見直そう。
amazon.co.jp/外資系コンサルのスライド作成術-作

はてなブログに投稿しました
240731 2024年7月度月報 - 箱庭療法記
ラノベ3.5万文字、ジャズ9枚、本12冊でした。
yobitz.hatenablog.com/entry/20
 

『CRCK/LCKS』(CRCK/LCKS)

2017年ごろに聴いていたジャズバンドで、間が大きく空いて2024年に再会。ドラムの石若駿がきっかけ。当時は単にボーカルの甘い声が好きでおしゃれなサウンドってだけで聴いていたが、ジャズの研鑽を積んだいま触れてみるとバランスの良さに注目できる。歌モノでありながら、楽器でしっかり聴かせる。かと言って出しゃばることもない。「クラックラックスのテーマ」が特に好きかな。

『テクノ新世 技術は神を越えるか』(日本経済新聞社)

円城塔と津村記久子の短編を目的に。それぞれ、テクノロジーそのもの中心とテクノロジーに翻弄される人間中心と、好対照だった。両者とも持ち味が活かされていて読めて良かった。本編はノーコメント。

『サイバースペースの地政学』(小宮山功一朗・小泉悠)

素直に興味深かった。タイトルには『サイバースペースの』とあるが、それを支えるのはフィジカルなケーブルとそこに接続されたフィジカルなサーバーであるということに尽きる。フィジカルな存在である以上は、容易に破壊工作が行われうる……。そのリスクを推し量るチャレンジが本書の読みどころである。サイバーをフィジカルな視点から解説した本は(少なくとも私は知らないが)貴重に思われるし、なによりデータセンターや海底ケーブルやエストニアまで足を運んで実地で取材しているのが気に入った。力の入ったルポである。一つのベンチマークとなる一冊だろう。
amazon.co.jp/サイバースペースの地政学-ハヤカワ

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