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でもまあデミアン・チャゼル監督作といえば「Whiplash」からもうなんか起こることすべてが滅茶苦茶でそんなわけねえの連続だけどそこに描かれている人間のなんかこう…情念…?というか業…?みたいなやつがすべての荒唐無稽を超えてたちあがってきてとてもいいですねみたいな感じだったから、ハリウッド史の話をやろうとしたらスターの業の話になってしまうのは必然だったのかもしれない。

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私はすべてがうまくいっていた頃の輝きとそれが瓦解していく過程みたいなやつわりと好きなので「バビロン」嫌いじゃないですけど、あまりにもその原液って感じなのでもうちょっと他の味もほしかったかも。あと3時間は長すぎ(主にそれ。90分だったら許した)。

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いやなんか「バビロン」見てて思うのは、これ映画という文化へのラブレター(という触れ込みだった)とかでなく、スターダムとその退廃的かつ刹那的な生き方へのラブレターであって、べつに映画でなくても歌でも文壇でもTVでもSNSインフルエンサーでもなんでも成立すんじゃないかということだった。有名になることの狂騒と破滅さえあれば。

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公開時スルーした「バビロン」がパラマウント+にあったので家事中とかにちょっとずつ見てる(チャゼル監督にとっておそらくもっとも不本意な鑑賞形態)。昔のハリウッドってこんなに魑魅魍魎見世物小屋感まるだしだったんだろか。ショウビズの起源が見世物小屋にあるとしても、もうちょいアッパーな演劇の伝統とかも引いてたりせんのかな。いや全然知らないけど。

イコライザー3が日本公開したみたいなのでソウXも早く公開するといいなと思うんですけど、この2作を見るとロバート・マッコールとジョン・クレイマーの違いとは…?という哲学的な問いに向き合えます。最新作はマッコールさんが殺人鬼側に、ジグソーがヒーロー側にかなり寄ってるので。

「Confess, Fletch(フレッチ/死体のいる迷路)」見た。ちゃらんぽらんで掴みどころのない自称元敏腕記者のフレッチ(ジョン・ハム)が美女の依頼で盗まれた名画の謎に挑…もうと思ったら借りた家に死体があってあらら、という導入。80年代の人気犯罪コメディのリメイクというか続編。

画面に映る人物が全員ボケたおす(そういうのを私は「アホしか出てこない」と言ったりする)タイプのコメディで、フレッチのテキトーで憎めないキャラがセールスポイント(「あなたは怪しい人物だ」「でもかわいいだろ(but I am adorable!)」って自分で言う)。たしかに今これやるならジョン・ハムだろうなって思う。違和感がなさすぎる。ミステリ部分はあまり複雑でなくほどよい感じでした。

ソウシリーズの最新作「Saw X」を見てきた。ゴア部分はほとんど目をつぶってたけど(ピザ屋に行ってピザを食べないに等しい行為)。今回はジョン・クレイマーに人間味がありえっまさかいい人…?と私が混乱する一幕もあった。いやいやどんな人間らしい一面があろうがあのレベルのグロを実行できる人物がやばくないわけないって。

だからはやく見ろってあれほど(Devotion見ようとしてました)。

見ようかなと思ってた映画を見ないでいるうちに出演者や制作者が不祥事を出したりして今見てもなんか微妙だな…となる現象に名前をつけたい。

今週末はジョン・デイビッド・ワシントン主演「The Creator」の公開だ。近未来でAIと人類の戦争がどうこうというなんか正統派(?)SFっぽいし楽しみ。土日に見に行こうっと。

「オッペンハイマー」下の補足 

いやヴィランいる必要あったんかといえば必要はあって物語のツイストとしてうまく機能して面白くなってるんですけど、別にそこをそのツイストで面白くするよりオッペンハイマーの内心の倫理的葛藤とかそういうあんまり面白くはないかもしれない部分にフォーカスできんのかっていう意味で。私怨系のヴィランがいちゃうと主人公側の内省があんまり進まないというか。

「オッペンハイマー」RDJ 

RDJはすごくうまかった。演技うま!ということを強烈にリマインドする出来。しかしそれゆえにストラウスの私怨がオッペンハイマーの転落の原因だったという要素の存在感がでかすぎ、オッペンハイマーの倫理的葛藤とかそのへんの要素がかすみまくったという気はする。ストラウス、こんなに存在感なくてもよかった説。
あとクライマックスのストラウスのオッペンハイマー評はわりと一理あることを言ってると思うのだが明らかなヴィランが言ってるので物語内ではあんまり正当性がなく、そのへんもオッペンハイマーの人物の複雑性を削いでいるような気がする。
RDJのストラウスはヴィランとして良かったんだけど良かっただけにいやこの物語にヴィランいる必要あった?みたいな所感です。

「オッペンハイマー」面白かったな。面白いということが何を意味するかは要審議なんだけど。それにしてもちょっとでもまとまった台詞のある役はほぼ主役級の俳優がやってて学芸会みたいだった(*演技の質にかかわらずこの役の子もあの役の子も全員知ってる!という状態を学芸会と呼んでいます)。皆さすがに上手かったけど気が散った。多少知らない顔も入れてほしい。

「オッペンハイマー」所感おまけ。 

というような感想を実家との電話で話していて、「エンタメの人ってこんな重い題材でもこんな普通に面白い映画作れるんだなって思って感心した」という所感を述べたら「面白くしか作れないんじゃない?」と言われて感銘を受けた。たぶんそうだと思う。たとえ問題提起するような映画を作るぞって思っても面白くしか作れないんだと思う。面白い物語にしかできないこともあるけど面白い物語にはできないこともある。

「オッペンハイマー」所感つづき。 

前半2時間は原爆ができるまでのプロジェクトXみたいなもので、オッペンハイマーはそこで人生の絶頂を迎えるので、ぴったり残り1時間がそこからの転落になるわけですけど、それにしても原爆が人道への罪だったから転落したわけじゃなくてふつうに水爆推進派にポリティクスで敗れたからなんですよね。本人に倫理的葛藤があったということは描かれているけど、転落の直接的原因としてはそれじゃなくて、オッペンハイマーが政治家としてはナイーブすぎたから、というように見えるし。いやまあ歴史に忠実に描くとそうなるんだろうけど、やっぱ徹頭徹尾アメリカンポリティクスの話だな…という先のトゥートに述べた印象が導かれます。

ただそれと「人類に過ぎたる力を与えてしまった男」みたいなナラティブはあんまり合わないかなーとは思った。アメリカ=世界じゃないんだしこんなドメドメした小さな物語をなんか人類全体に示唆があるものとして拡張されても無理やで感はある。

「オッペンハイマー」3時間チャレンジしてきました。 

ノーラン印の非直線的なナラティブで、オッペンハイマーが原爆を製造するに至る1920~40年代の経緯と、1954年の聴聞会、1959年の上院公聴会の3つのシーンがどんどんカットバックで交差していく。というわかりにくい構造のわりに特にわかりにくさもなく進んでいくのでさすがのストーリーテリングぢからだった。

で面白いのかというと面白いんですけど、それはアメリカが舞台のポリティカルスリラーとしてすごい面白いので、原爆が人類に残した爪痕みたいなことへの興味はごくごく浅く、題材のわりにえらいドメスティックな映画だなっていう気はする。でもそれが現実…というかあの時代、原爆の製造も使用もアメリカにとっては”我が国”イシュー(我が国の敵に対する強さ、我が国の防衛、我が国の我が国の以下略)であって人類へのなんたらみたいなことは興味もなかった。オッペンハイマーは科学者であって政治家じゃないからその身も蓋もなさがわからなかった。いやほんと人命や人間に対するこの程度の浅い理解であんなすごい武器とか作ったりしてたのか…って思いました。人類、人類に対する理解が一番足りてない。

前も言ってたけどロマンスにおいて倫理を逸脱しがちなのはロマンスがそもそもそういうものだから=社会的な価値よりも"あなた"がどう思うかが大事の世界だからで、盗んだ車で走り出したり人の家のプールに忍び込んだり他人に消化器を噴射したり軽犯罪(時に重犯罪)がロマンチックな場面になりがちなので、どういう逸脱をどれだけ許せるかがロマコメを楽しむためのポイントかなあ。

社会的な意識やモラルの変化もあるけど私自身の感覚の変化も大きいとは思う。ロマコメって主人公が多少倫理に反することをしても許される(*欠点がある主人公が愛されることに意味がある)という性質があるので、主人公をどのくらい許せるかというのは時代の風向きとか個人の感覚とかライフステージとかとにかくすごく微妙な問題なのだった。

ロマコメを見たからアマプラのおすすめにロマコメが現れるようになり、その中にサイモン・ペグの「Man Up」があったのでちらっと再見してた。これ2015年の作品でたしか当時DVD買ったくらい好きだったんだけど、8年後の今見ると目をつぶりきれないところある。ロマコメにはほんとに賞味期限ある!

題材からいって宇宙開発ものかと皆思っていたら宇宙ホラーものだった「First Man」の話しますか?(チャゼル関連作で今のとこ一番好き)

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