2025年度予算の概算要求で、政府は、FMS制度を使って米国製武器を9108億円の購入の予定。
FMSとは米国が価格や納期、契約解除まで一方的に決定できる枠。
このほぼ1兆の内、F35Aステルス戦闘爆撃機8機が1249億、F35Bステルス戦闘機3機が608億。
このF35 ステルスは艦上戦闘機であるF35C とともに、統合打撃戦闘機計画(JSF)として開発中(第五世代戦闘機)。ということは、当然米空母に搭載されるF35Cと連携することになる。
これはこの4月発表されたインド太平洋司令部と在日米軍の統合、そして自衛隊の日常的な米軍の「下請け」化と軌を一にした流れである。
しかし、言うまでもなく、このF35シリーズを中心はJSF(Joint Strike Figther)は「打撃 Strrike」概念を中心にしたプロジェクトであるから、「専守防衛」とは真っ向から対立・矛盾する。
その上、約1兆であるから、これがまた財政上文教・社会保障費を圧迫するのは理の当然である。
日本政府は少子高齢化を理由にした社会保障費の抑制・削減を唱えるのであれば、まずは5年で倍増の軍事費膨張をキャンセルしてからの話であろう。
育樹祭への抗議者に対して発生した事後弾圧に関して、救援会が発足していました。
昨日9/13付の声明の一部を下部に引用します。
カンパや支援メッセージの送り方、今後の救援方針などの発信は以下のリンクから!
https://ikuju-ibaraki.hatenablog.com
「9・11茨城育樹祭ビラ弾圧への抗議声明
2024年9月11日早朝、私たちの仲間AさんとBさんのそれぞれの自宅に突然押しかけてきた茨城県警は家宅捜索をした上にAさんとBさんを建造物侵入容疑で逮捕していきました。私たちは茨城県警に対し強く抗議し、連れ去られた二人の一刻も早い解放を求めます。」
一度疑われたら、事実どうあれ検察のメンツのために一生を棒に振ることになるもんな。メディアも有罪判決が出る前からバンバン被疑者の個人情報や「異常性」を暴くような報道を繰り返してて、そこに正当性を与えているような国だ。
>検察の不服申し立てが再審開始を一層困難にしており、認めない法改正をすべきだ。
殺人再審、7割「不服」 検察申し立てで開始遅れ―4年超も、無罪確定の17件・日弁連など
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024091400317&g=soc
BT
英国最大の武器会社BAEシステムズが、
晩年までチリの独裁者・ピノチェトに送金していた、という記事。
ソースはガーディアンの過去記事。
https://www.theguardian.com/world/2005/sep/15/bae.freedomofinformation
この武器会社、日本にも支社があって(森ビルに入居しているらしい)、
幕張メッセの武器見本市に出たりしているみたいです。
ホームページ、
・BAE Systems Japan合同会社
https://www.baesystems.com/jp-ja/home
「日本の繁栄と防衛技術の発展に寄与するため、BAEシステムズ は三菱重工やIHIをはじめとする日本企業とパートナーシップを結んでいます」
「BAEシステムズは、防衛省・自衛隊に対し、全ドメインで最先端の防衛技術や能力を提供し、日本製鋼所によるMk45艦載砲のライセンス生産協力など、四半世紀以上にわたり日本の安全保障を支援しています」
などと誇らしげに書かれています。 [参照]
#OtD 15 Sep 2005 the Guardian revealed that Britain's largest arms manufacturer, BAE Systems, had secretly paid more than £1 million to former Chilean dictator Augusto Pinochet. The firm used a front company registered in the British Virgin Islands https://stories.workingclasshistory.com/article/8747/bae-pinochet-bribes-uncovered?utm_source=dlvr.it&utm_medium=mastodon
BT
わー。
ハングル、ちょっとでもわかると韓国映画みているとき、楽しいですよ。
語学は何度でもやり直せばいいって、最近読んだ黒田龍之介先生の本でも書かれていました。
みんなで勉強、やろーやろー。(勧誘)
勝手におすすめしますが、
チョ・ヒチョル先生の『1時間でハングルが読めるようになる本』とか、題名はなんかあやしげだけど、入門しやすくていい本だと思います。
この本を知ったとき、すでにハングル入門はしていたので、私は使っていないのですが、早く知っていたらもっと楽に字が読めるようになったのに・・・と思いました。
(皆さんそれぞれ好みとか苦手な感じとかあるので、本屋さんなどで何冊か見て、やりやすそうな本で取り組まれるといいと思います。相性は大事)。
個人的に、日本はアジアの国々にめちゃくちゃに侵略しているので、学校教育でそういう歴史の知識を最低限得たうえで、
アジアのどの国の歴史も言葉も、
おのおのがもっと知ろうと思った段階でさらに勉強して深めていけたらいいなぁ、と思っています。
以前、赤旗に連載されていた「日韓の歴史をたどる」という記事のシリーズは勉強になったので、スクラップしてたまに読み返していました。
(その後、同じタイトルの書籍になったので、今はそちらで読んでいます)。
「ヴェニスの商人とローマ法」
シェクスピア「ベニスの商人」の反ユダヤ主義は、「テンペスト」の植民地主義、「オセロー」の人種差別とともに、喧々諤々の議論が交わされて来た。
ご存じの通り、シャイロックとアントーニオは債務を変更できない場合、「心臓を提供」する旨の契約を結んでいた。
現代人には、この契約自体が「無意味」なものだが、ローマのの十二表法では、「債務者の身体の一部を切り取る」ことは立派に認められていた。
11世紀末にボローニャで再発見されたローマ法は商取引の発達とともに、欧州各地の法律家共同体に普及していく。
従って、16世紀のベニスであのような契約が法的に認められても不思議はない。実際法学博士に扮したポーシャも、「この契約自体は有効」としている。『権利のための闘争』のイェーリングは「ポーシャは血を出さずに肉を切れ」という詭弁ではなく、「公共良俗に反する」とすべきとしたが、それでは芝居にならない。
この芝居が16世紀ロンドンの民衆に喝采を浴びたのは、すでに債務に苦しみ人が多く、「債権者」側に立つ法律家への不満が高まっていたため。ただし英国は欧州で最も早くユダヤ人を追放し、金融はイタリア人が担った。ロンバート(ロンバルディア)街とはミラノを中心とする地方の名である。
「J.バトラーとソフォクレス『アンチゴネー』の勧め」
J.バトラーはS.ジジェックとともに、現存する、最も発言が注目される哲学者と言えるでしょう。
そしてバトラーが元来1930年代フランスでのヘーゲル導入に関する研究から出発したことは何度も投稿しました。
またジジェックも、ラカン派精神分析とヘーゲルを主要参照項とする点で共通しています。
しかしバトラーの哲学的著作は決して「読みやすい」とは言えません。
ここで、まずギリシア三大悲劇作家とされるソフォクレスの「アンチゴネー」を読むことをお勧めします。
『アンチゴネー』は、西欧の人文主義的伝統の中で繰り返し参照されるだけでなく、ヘーゲル『精神現象学』D(精神 Geist)において、詳細に論じられている。
バトラーの『アンチゴネーの主張ー問い直される親族関係』は、ヘーゲルの「アンチゴネー」論の
脱構築とも言えます。
できれば、『精神現象学』の該当箇所も合わせて読むことをお勧めしますが、これも決して「分かりやすい」とは言えない。
そこで、日本語訳も文庫になっているソフォクレスを読むことをお勧めします。これを読んでから、ヘーゲルないしバトラーを読めば必ず得るものがある筈です。
A.ゲルマン「わが友イワン・ラプシン」を観る。これで公開されたゲルマンの映画は全て観たことになる。
1938年生のゲルマンは「道中の点検」(1972)が検閲で上映禁止になって以来、ペレストロイカまで映画が創れなくなる。
作家は、まだ「密かに書く」ことができるが、チームと最低限の資金を必要とする映画監督にとっては撮影禁止はつらい。
結局ゲルマンは1998年の「フルスタリョフ、車を」がロッテルダム映画祭が上映されるまで沈黙を強いられることになった。
「神々の黄昏」(2013)の撮影後死去。この映画は死後上映ということになる。
ソ連・ロシアの映画監督としては、タルコフスキー、ソクーロフなどが著名だが、ゲルマンは別格の貫禄がある。「宇宙飛行士の妻」などで知られる映画監督のA.ゲルマンJrは息子。
ゲルマンのキャリアは、やはりポルトガルのサラザール独裁政権時代、沈黙を守り、その後105歳まで映画を撮り続けたオリヴェイラと相通じるものがあるように私は感じている。
オリヴェイラ、晩年は駄作も多かったが、1991年の「神曲」や95年の「メフィストの誘い」はやはり傑作である。
鈴木寛氏の「マラルメの火曜会」は「学藝饗宴」と題されていて、これがまた80年代のポストモダニズム@Japanを凝縮するネーミングである。
私は、ポストモダニズムと新自由主義の共犯関係、主に大学・文化業界を中心とする考えてきたが、鈴木寛のこの「マラルメの火曜会」を見ると、範囲を少し広げる必要があるようだ。
なんといっても鈴木寛氏は東大法から通産省「資源エネルギー庁」に入省、民主党議員を経て、落選後安倍の文部補佐官を長く勤めて、記者会見で「放送大学ってつまらないでしょ」と言ってのけ、ZEN大学総長予定まで来た人である。また安倍派の重鎮西村康稔とは灘・東大法・通産省資源エネルギー庁のほぼ同期仲間である。また安倍は勿論森喜朗との太いパイプで有名な人物でもある。
つまり、権力の中枢まで「意味は不明にせよ」ポストモダニズムは浸透していた。つい出に言えば東浩紀と鈴木寛は共に佐藤誠三郎を指導教員とした、という「おまけつき」。
こう見ると、80年代のポストモダニズムが東浩紀・「どわんご」氏の両「テクノロジー教徒」を生み出し、鈴木寛氏を総長とする大学へと糾合したことは、単なる「偶然」とも思われない。
それにしても鈴木寛氏、「松下村塾」もモデルらしいが、これほどマラルメの「火曜会」と対極にあるものはない。
〈自民党に詳しいジャーナリストは「自民党の選挙は電通に丸投げですよ」と裏事情を語ります。〉
自民、電通へ100億円超/19年間 政党助成金から支出
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik20/2020-09-15/2020091501_04_1.html
BT
シラバスのリンクはってしまいますね。
https://catalog.he.u-tokyo.ac.jp/detail?code=31660&year=2024
下にさがっていくと、過去の授業で扱った内容が載せられています。
現在、文系大学院で専門的に勉強したひとの多くは、それを教える常勤の職についていません。
(鈴木氏が「ゼミ」で教えているらしい、「文学」や「思想」は特にそうだと思います)。
官僚から天下りした鈴木氏が大学に勤めて、ご自身がよく知っていらっしゃる行政を内側から見た話などをするならともかく、なぜか、専門的に勉強したわけでもない文学や思想に関わるゼミをやっている。
本当におかしいと思います。 [参照]
現象学の創始者E.フッサールに『デカルト的省察』という著作がある。
フッサールは元来、微積分学を数学的・厳密に定義したワイエルシュトラスの弟子、助手だった。
従って、フッサールの関心は数学・論理学を代表とした精密科学の「基礎づけ」。
現象学という方法は、数学・論理学の「厳密な基礎づけ」のためにフッサールによって提唱された方法である。
無矛盾的命題群の基礎づけは、ヒルベルトの公理主義的立場からも試みられたが、これはゲーデルの不完全性定理によって挫折。
フッサールは数学的には直観主義的立場に近いが、「厳密さ」を徹底して追及する中で、数学的には排除される「内的時間」に突き当たることになる。
精密科学の基礎づけは当時のH.コーヘン、E.カッシーラーなどカント派哲学者の関心でもあったが、フッサールは最終的にデカルト的「コギト」に回帰する。
面白いのは、この「コギト」への回帰が「科学」批判へと繋がり得ること。
その典型は「生物の目的は自己のDNAの複製を残すこと」という分子生物学に基づいた疑似科学的主張への「民主的」批判。
つまり、誰でも己の「コギト」=意識に問いかけることで、科学教を批判することができる。現代思想は「意識」を問わないことで「科学教」に対して逆に無力となった。
昨年6月に「ニコニコ動画」の配信では、ZEN大学の総長予定だった鈴木寛氏は、どういうわけか東大の公共性政策大学院(三浦瑠麗氏が所属した所)の教授でもある。
私は全く知らなかったのだが、2020年位には駒場の1,2年生向けの「演習」らしきものを担当していたらしい。
そのシラバスを偶然見て、ちょっと驚いた。なんと「この演習は19世紀末のフランスにおけるサロン、就中マラルメの『火曜会』を範し、文科副大臣務めた鈴木寛が主宰する」とあるではないか?
これはフランス文化史に少し通じた人にとっては「驚天動地」の文言である。
マラルメと言えば、ある意味19世紀後半の最大の詩人・思想家であり、その流れはヴァレリー、ジッドでやや穏健化するが、WWII後、サルトル、ブランショ、ジュネへと至る、いわば20世紀前衛の「先駆け」となった人物である。
また政治的にはアナーキズムに近く、実際アナーキストのために法廷で証言に立ったりもした。であるから、間違っても通産官僚や文部副大臣とは何の関わりもない、と断言できる。
またシラバスには「ノマドロジーと残響」などポストモダニズム的ジャーゴンが氾濫している。鈴木氏は1964年生なので、80年代にどこかで聞きかじっただろう。
それにしても吃驚した。
「日経」によるとドワンゴと笹川(日本)財団が運営するZEN大学が、8月に「認可保留」とされたにも関わらず、記者会見を開き、リコー、パソナなど20社以上との「インターンシップ」を発表したそうな。
まだ「認可されていない」のに公にメディアで「既成事実」化しようとする手法、昨年6月のZEN大学構想発表の際と同じ。もっと言えば「維新」と「コンサル」・「広告屋」達の退屈極まるマンネリの反復である。(ただ大学行政的には前代未聞だが)
ただ退屈なだけであれば、見なければいいのだが、未だに斎藤兵庫県知事を擁護している上山信一が副学長という大学、という第一級の「公共」問題となれば、一市民として関心を持たざるを得ない。
現在、インターンシップとは名ばかりで学生が「ただ働き」させられる案件も多い。ZEN大学は何と言っても1年学年5千人の超マンモズ校である。
協力企業に大リストラを発表したリコーや竹中平蔵のパソナが入っているとなれば、なおさら「疑惑」は募るばかり。
竹中のパソナはすでに悪名高いが、リコーも「引き出し屋」のノースガイアと派遣労働契約をしていた。
その上、ドワンゴはこのノースガイアと契約していた時期がある。かなり「きな臭い」話である。
最後は文科省の説明責任が問われるこになるだろう。
哲学・思想史・批判理論/国際関係史
著書
『世界史の中の戦後思想ー自由主義・民主主義・社会主義』(地平社)2024年
『ファシズムと冷戦のはざまで 戦後思想の胎動と形成 1930-1960』(東京大学出版会)2019年
『知識人と社会 J=P.サルトルの政治と実存』岩波書店(2000年)
編著『近代世界システムと新自由主義グローバリズム 資本主義は持続可能か?』(作品社)2014年
編著『移動と革命 ディアスポラたちの世界史』(論創社)2012年
論文「戦争と奴隷制のサピエンス史」(2022年)『世界』10月号
「戦後思想の胎動と誕生1930-1948」(2022年)『世界』11月号
翻訳F.ジェイムソン『サルトルー回帰する唯物論』(論創社)1999年