昨年6月に「ニコニコ動画」の配信では、ZEN大学の総長予定だった鈴木寛氏は、どういうわけか東大の公共性政策大学院(三浦瑠麗氏が所属した所)の教授でもある。

 私は全く知らなかったのだが、2020年位には駒場の1,2年生向けの「演習」らしきものを担当していたらしい。

 そのシラバスを偶然見て、ちょっと驚いた。なんと「この演習は19世紀末のフランスにおけるサロン、就中マラルメの『火曜会』を範し、文科副大臣務めた鈴木寛が主宰する」とあるではないか?

 これはフランス文化史に少し通じた人にとっては「驚天動地」の文言である。

 マラルメと言えば、ある意味19世紀後半の最大の詩人・思想家であり、その流れはヴァレリー、ジッドでやや穏健化するが、WWII後、サルトル、ブランショ、ジュネへと至る、いわば20世紀前衛の「先駆け」となった人物である。

 また政治的にはアナーキズムに近く、実際アナーキストのために法廷で証言に立ったりもした。であるから、間違っても通産官僚や文部副大臣とは何の関わりもない、と断言できる。

 またシラバスには「ノマドロジーと残響」などポストモダニズム的ジャーゴンが氾濫している。鈴木氏は1964年生なので、80年代にどこかで聞きかじっただろう。

 それにしても吃驚した。
 

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