『水はみどろの宮』石牟礼道子/福音館書店 読み終えた。池澤夏樹のやつでも持ってたことを買った後に気づいた。この文庫版はもう絶版になるらしい…?
七歳の少女お葉と、狐や山犬、猫たちとの物語。ファンタジーというか、幻想文学というか、とても美しくて良かった。筆者、ごんの守に🫶じゃね?というのがすごい伝わってきたのも良かった…。

『やがて満ちてくる光の』梨木香歩(新潮社)読み終えた。
梨木香歩とはずいぶん感覚に差があるなあと思ってるけどなんだかんだ私の前にフッと立ち現れる作家で、小説もだし、エッセイはそれ以上にたくさん読んでいる気がする。「読みたい」というよりは、「読むタイミングが来た」という感じの手に取り方。
この本はデビューから書いてきたエッセイを集めて編んだ本とのこと。自然との向き合い方とかネイチャーライティングの面ですごく参考になるなあと思うし、たくさんの国を旅している眼差し、がすごく(相反するところもありながら)すっと入ってくる感じがする。合わない!じゃあね!じゃない感じ。合わない!だからあなたの話を聞くのだ、わたしは。そしてわたしも語るのだ、という。

特に印象に残ったのは風力発電の章と台風の日に死んだ鳥たちだけで作った剥製の話。前者については、「とてもクリーンでエコ、環境にやさしい」という建前で、気候変動や様々な場面で推し進められがちだけど、まだまだ途上にある技術である、そして「人間」の側に立っている道具である、ということが書かれていてよかった。後者はただただ、言語以前の胸のざわつきがあって、「私はここへ行かねばならないな」という気持ちになった。九州行く機会増えたから、いつか行けるといい

『ライブラリー・オブ・ザ・イヤー選考委員長の日記』岡野裕行(散策舎)
読み終えた。ライブラリーオブザイヤーというのは「良い図書館を良いと言う」、「これからの図書館のあり方を示唆するような先進的な活動を行っている機関に対して、NPO法人 知的資源イニシアティブ(IRI)が毎年授与する賞」だという。本を作る仕事や、生業をしているが、私は本という単体を作っている、ので、書店や図書館、という「本という単体を集めて空間を編む」ことは全然わからない。とはいえ「書店員の本」は、よく流通しているので手に取ったりすることもあって…。でも、「図書館」に関わってる人の本って少ないよねー、それも日常に「図書館」がある人って。
筆者が住んでいるのが私も近い地域なので、日常でいくお店に想像がつくのが面白かったし、選考委員長として「何をどう選ぶか」の葛藤であったりが新鮮だった。
岡野さんに「図書館」について、もっと踏み込んだエッセイのようなものを書いて欲しいな〜と思った。
 

初めてレベッカ・ソルニット読んだけど、すごくよかった。環境問題のことをこれくらい書いてるこういうタイプの本ってみたことなかったので、元気出た。…まあ時代が時代だからな…とソーラーパネルの絶賛は薄目で見て通り過ぎた。つぎは『災害ユートピア』読む。 

読み終えた。災害復興という場で発揮されるパターナリズムの部分や、堤防を築くことで失われていく海との関わりを人々が憂えていたことなど、様々なことが書かれていてとても良かった。東北と東京(都市部)との関係や、原発について、従軍慰安婦について、水俣についてなど、たくさんのものが絡み合いながら語られている。読めてよかった。 
QT: fedibird.com/@tutai_k/11321762
[参照]

孤伏澤つたゐ  
『痛みの〈東北〉論 記憶が歴史にかわるとき』山内明美(青土社)読み始めた。


文フリ大阪で絶対欲しかったフェリーの本!!!長距離フェリー特集号、最後の一冊だった。゚(゚´ω`゚)゚。
めちゃめちゃよかったー!!!『悠久のまぎわに渡り』を書き終えた私にはとにかく船に乗り、オキノタユウをこの目でみるという必要があるので……。アアアアアアアア早く乗りたいいいい乗りたい気持ちだけがでかくなって行くううう 

『エブリデイ・ユートピア』(クリスティン・R・ゴドシー著/高橋璃子翻訳 河出書房新社)読了。
色々な場所で行われている「ユートピア」の実践や、著者の経験などが書かれていてとても面白かった。
私自身、品物だけじゃなく人間関係も「所有」することがすごくわずらわしいし、必要ではないので、「あー!これ、私も思ってた!」ということが頻繁にあるのが良かった。いまは、一対一のパートナーシップを起点にした家族という形で関係性を「所有」しているけど、そうではない可能性を模索していく人たちの姿が見られたのが良かった。資本主義と能力主義が「いること」や「関係」に「意味」を持たせてるのは窮屈だね…。変わっていきたい。

『新装版 ペルーからきた私の娘』藤本和子 晶文社 
読み終えた。すごくよかった。ペルーで養子の赤ちゃんを迎えるエッセイ、60年間アメリカの精神病院で過ごした日本人男性の語りを「聞けなかった」こと、『アメリカの鱒釣り』翻訳のこと、など。
とくにアメリカの精神病院で過ごした日本人男性のエッセイがよかった。著者は『塩を食う女たち』という北米の黒人女性の聞き書きも書いているひとで、多くの言葉を「聞いてきた」人でもあるけれど、だからこそ「聞けなかった」ことが記されるのがよかったと思う。
参照のリンクの言葉がすごく残った。女たちの言葉や体験を「共有したい」のではなく、それらを聞いた自分の体験をこそ、まず共有したいということ。
聞いて、書く、知って、書く、というときに、自分が聞き手、受け手になった言葉たちをダイレクトに読者に伝えられる、と思ってしまうけど、でもそうではない。他者の体験や行動は決して理解できないし、わからない。それらは「聞いた(知った)」という体験しか手渡せない、ということなど。
[参照]

さん翻訳の『喉に棲むあるひとりの幽霊』(デーリン・ニグリオファ)読み終えた!
めちゃくちゃよかった…!「文学」ってこうだよなあ、というのがすごく感じられて、読む行為がすごく刺激になった。
  

『私と夫と夫の彼氏』12巻読んだ!今日発売日!この間コミックシーモアの読み放題で先を読んでいたけど、ゆっくり読み返せていろいろ再発見あって楽しかった〜🙌
amazon.co.jp/dp/B0D7PQDBMY?ref

6巻読みました…めちゃくちゃドキドキしながら読んでたら、そ、そ、そんなことある……。゚(゚´ω`゚)゚。というところで終わっておりそわそわしている…続きを……読みたい……。
ところでオープンキャンパスの指輪物語の講義を私も受けたいと思いました

QT: fedibird.com/@tutai_k/11287441
[参照]

孤伏澤つたゐ  
塾講師の女性二人のタイトル通り「友達以上、推し未満」な関係のコミックノベル。文章が短くてたくさんイラストが挟まれるので読みやすいし読んでて楽しい! 主人公の璃央ちゃんの推しへの愛……クソデカ感情……!が、もう「わかるわかるわかる!!!」っていう感じで、なにか決して交わらないからこそ重すぎるけど...

塾講師の女性二人のタイトル通り「友達以上、推し未満」な関係のコミックノベル。文章が短くてたくさんイラストが挟まれるので読みやすいし読んでて楽しい!
主人公の璃央ちゃんの推しへの愛……クソデカ感情……!が、もう「わかるわかるわかる!!!」っていう感じで、なにか決して交わらないからこそ重すぎるけど自分の中で生きる希望にすらなりうる思慕、を抱いている私としてはすごく共感するところもあってそこがすごく面白かった!この独白するよわたしも!!!しますします!!!無理!!!とか言ってる無理!!!名前知っててくれてありがとうございます!!!みたいな…。しかもその推しへの感情が、日南子ちゃんへシフトしていくのでハラハラしてしまう。このふたり、ほんとどうなるんだー!
二人の先輩のあり先輩がまたいいキャラすぎて(恋人そのうち出てくるんですかね?!)、出てくるひとたちみんな大好き……。
いま1〜5巻まで出てて、来月すぐに続き出るみたいなので予約して待ってる!

amazon.co.jp/dp/B0DBGY8W5L?bin


QT: fedibird.com/@tutai_k/11287218
[参照]

孤伏澤つたゐ  
楽しみにしすぎていた柳川麻衣さんの「友達以上、推し未満」を1〜5巻まで読んだ…好きがすぎる…良…….

今日買った本です。その文庫持ってるだろ…っていう話なんですが、もはやどの地層にあるのかわからなかったので買い直しました、こういうことするとすぐ出てくるんだよなあ 

『水俣病事件を旅する』遠藤邦夫(国書刊行会)読み終えた。
水俣病事件をめぐる運動の記録と内省。すごくよかった。

『複数形の未来を脱植民地化するvol.2 脱植民地化と環境危機』読み終えた。
熊楠に立ち向かわねば……という気持ちを再び抱いた。いろいろ考えていることの足がかりになるな〜。

『エストニア紀行 苔の森・庭の木漏れ日・海の葦』梨木香歩(新潮社)。
タイトル通り、エストニアを旅した紀行文。エストニアの歴史や、自然についてが書かれていてすごくよかった。エストニアでは白コウノトリ、灰色コウノトリ、黒コウノトリという分類があるらしくて、灰色コウノトリはナベヅルのことらしい。いわゆる白コウノトリもナベツルマナヅル日本では全部「ツル」って昔は呼ばれてたこととかと重なる。
絶滅危惧種を繁殖させたけれど放す場所がない、から、放射能汚染地域で「野生に返す」苦渋の決断とかには胸が苦しくなった。その選択を苦々しく思いながらするのは人間なんだよなあ…とか。このあたりのことをもっと詳しく知りたいと思った。

『アンティコニ 北米先住民のソフォクレス』ベス・パイアトート著/初見かおり訳/春風社
ネズパース族とカイユース族の血を引くアンティコニが博物館から祖先の以外を盗み出す物語。前口上は石原真衣さん。
「博物館」という場所で、「わたしたち」が見ることについてすごく考えた。まだ全部受け止めきれていないけど、読めてよかった。

『鳥が人類を変えた』スティーヴン・モス著 宇丹貴代実訳 河出書房新社
読み終えた!
神話や伝承でよく名前が出てくるワタリガラスからはじまり、10種類の鳥が人類史に与えた影響が書かれている。
特に印象に残ったのは、農業の在り方を変えたグアナイウ(糞を肥料にするために中国人労働者が酷使された)、環境活動とフェミニズムのユキコサギ(鳥の羽根が帽子などの装飾品に使われることになって、絶滅しつつあったのを女性や、ほかの活動家が働きかけて食い止めた。でもいまもやっぱり環境活動家は危険に晒されている)、気候変動の危機を訴えるコウテイペンギンの章。
タイトルは「鳥が人類を変えた」だけど、人類がいかに鳥や自然を搾取し破壊し、人類の資本主義や植民地主義が人間を搾取して尊厳を奪ってきたか、ということが書かれていた。
こういう感じの人間と環境の関わりからの人類史、日本版も読みたいな〜と思った。
ときどき言ってるアルバトロスのこともだけど、「メグロ」という鳥は第二次世界大戦で一定の地域ではもう絶滅していることとかもあるし…。読めてよかった。

『ライチョウ、翔んだ。」近藤幸夫 集英社インターナショナル
読み終えた。めちゃめちゃ面白かった!去年木曽駒ヶ岳でライチョウの調査をする中村浩志さんのチームを見かけたんだけど、こんなことが起こっていたなんて…!というのがわかってはらはらどきどきしつつ、すごく楽しめた!ときどきオキノタユウの保護活動をしていた長谷川博さんのことが出てくるのも良かった。
また今年も木曽駒ヶ岳のあの崖を登ってライチョウに会いたい

『オキノタユウの島で 無人島滞在"アホウドリ"調査日誌』長谷川博 偕成社
生物の調査とか研究は「チーム」というイメージがあるけど、これは長谷川さんが個人で鳥島のオキノタユウコロニーの調査をした時の記録の本。生態もだし、詳細な動作とかも丁寧に書かれていてめちゃくちゃおもしろかった。
「アホウドリ」ではなく「オキノタユウ」と名を改めよう、という呼びかけ、本文中では「オキノタユウ」という呼称が一貫して使われていることがとてもよかった。オキノタユウの話がメインなんだけど、キャンプで夜を明かすツバメ(人間がいる室内にわざわざやってきて寝る)とか、りんごの皮を定期的に食べにくるオカヤドカリとかも出てくるのがいい!バッタを倒しにアフリカへいく本でもたしかヤマアラシかハリネズミ🦔だったと思うけど、なんか来たから一緒に生活しちゃった…というの書かれてたけど、「生態系」として筆者が組み込まれていく感じなのがよかった。

鳥島は無人島なので、無人島で生活することとかもすごく詳細に書いてあり、巻末に持ち込んだものリスト(研究に必要なもの/食べ物/生活用品)も細かく乗っててこれから無人島で生活する人にも有用な本かと思った。

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