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「世界の敵」の、自己陶酔、自己憐憫、その悍ましさ、幼さ、哀れさ、といったものを盛り込んだ上での、「自分だけはあの人の味方でいたい」という物語は摂取したい。
その醜悪を、ちゃんと把握しろ。

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「世界中が敵になっても、自分だけはあの人の味方でいたい」というのが美しいのは、物語の中だけよねー。現実での世界の敵は醜悪よねー、と思うのは、わたしが世界の側だからなんだろうか。

『ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人』を見た。
主人公はルイ15世の公娼、デュ・バリー夫人。
ドレスとベルサイユ宮殿での撮影がすごい!でも、それだけだったな。ストーリーが無に近い。主人公が能動的に成り上がったというより、なりゆきでそうなったみたいな。
あ、国王陛下の日常生活的なところは面白かったです。
読み取ろうと思えば読めるような要素はちらほらあるのですが、それが有機的に繋がってなくて機能してないんですよね。だから反対にその要素が言い訳に思えて、よくないなあと思いました。
んで、舞台はフランス革命前夜の時代なのですが、フランス革命要素が微塵も入っていないので、アンシャン=レジームへの無邪気な憧憬が前面に押し出されているようで、たじろぎます。
王様も王様という機能でしかないというか。ルイ15世とかいった固有名詞出てこなかったものな。
ルイ15世の娘たちが主人公を敵視する中、王様と王太子だけが主人公に優しくてってあたりは、よくない感じのなろう小説を彷彿とさせました。
あと、主人公があんま髪を結い上げてなくて垂らし髪の場面が多かったんですが、これ、なんだろう、無垢で稚い奔放な少女性の暗喩かな。

暑過ぎて自分の部屋におられんのだが、これがあと一ヶ月ちょっと続くんか……

ゼリーなんかゼリーの単語ひとつだけで済まされてしまって。明治期の冷蔵庫の仕様や普及率を考えると、単語だけで済まされるものじゃないと思うのです。
お菓子の出てくるお話ならば、わたしはそのお話でそのお菓子を食べたいんですよ。でもこのお話、言葉を並べてるだけで、全然味がしないんですよ。
オーブンから漂う小麦と砂糖の香り、取り出したばかりのクッキーの熱さ、バターの重たさ、焼き上げたスポンジ生地の質感、クリームを泡立てる時の腕の怠さ、液体がだんだんとアイスに変わっていく喜び、果物を煮る時の甘酸っぱい香りetc. そういったものが、わたしは欲しかったんです。
噛んでも噛んでも味のしない話で、侘しかったです。

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畠中恵『アイスクリン強し』読了。
キャラ立てと筋立てが巧みで、サクサクツルツル読める。

以下、長い不満になります。
このお話の舞台は明治の晩年で、明治時代背景の説明があるのですが、その説明が歴史の資料集の引き写し的で、物語の背景の説明になり切れていない感じがします。
作中、貧民窟が登場するのですが、その描写が露店に売り物が少ないことと、玄関口に戸板がないこと、南京虫がいることぐらいしか描写がなくて、そこに暮らしている人の景色が見えてきません。
「残飯を食べてる」という台詞はあるのですが、台詞だけで、どこでどういう残飯をどう確保して、どう食べてるのかとかは、分からない。

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大根 さんがブースト

ありがとうございます!
中央公論新社の唐代中国SFアンソロジー『長安ラッパー李白』に収録いただきました。たくさんがんばりましたので宜しくお願いします!

作中、平熱の定義が38℃に変更されるくだりがありまして、そうやって解釈をズラして解決したことにしてきた世界なんだな、と窺わせてきます。
そこが、科学とスピリチュアルを分ける一線なんじゃないのかと、わたしは信じていたいです。

「三十八度通り」は、生活が壊れていく一方の男の人の話。熱に浮かされてシュルレアリスム的な展開。身体的にしんどい。
「千羽びらき」は奪われてばかりの一生だった女の人の話。わたしは母から奪ってばかりでいないだろうかと、読むのつらかった。
「猫の舌と宇宙耳」は小学生たちが冒険する話。終末のジュブナイルって感じで好きだった。最後にうっすら提示される出口っぽいものも、無茶苦茶信用ならない感じがしました。

“「ごめんね。おかあさん、こんな病気になってしまって」
 話についていけなくなると、とりあえず謝りたくなってしまう。
「だめじゃない、そんな波長の悪い言葉を使っちゃ。疒なんか取って、丙気って言わないと。そうすれば平気になってくるでしょう?」”
(第2話「千羽びらき」より)

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酉島伝法『るん(笑)』読了。
滅茶苦茶嫌な話で面白かった。
スピリチュアルと科学が逆転した世界。人は病気になると、月の光に照らして純度を高めた阿迦水(アクア)にハーブを入れて一晩中祈りを込めてかき混ぜた愈水(ゆすい)を飲んで対処したりしてます。造語塗れでそれっぽくてゾクゾクします。
描写が精緻で生々しい。30cmぐらいの距離感のものはくっきり明瞭なのに、少し引くととりとめなくぐちゃぐちゃしていて、何がなんだか分からない。高熱の時に見る悪夢みたい。
ヤミでクスリを売ってるヤクザイシが登場したりと、昔は科学が優勢っぽかった片鱗はあるのですが、そこらへんは語られない。
わたしは医療を信じているのですが、理屈を理解して信じているわけではないので、スピリチュアルを信じて行に励んでいる登場人物たちとスタンスがそんなに違うわけではないなあ、と思ったりも。
ただし、作中のスピリチュアル行為が作中において実際に効力のあるものなのか、判然としてない。『るん(笑)』の世界は疲弊していくばかりで、何かが改善したという描写がない。「好転反応」はありますが。
エレベーターは故障して修理は来ないし、熱は下がらないし、「るん(笑)」は治らないしで。

大根 さんがブースト

良い記事だなあ。
[【出版記念】みくのしんとかまどが雨穴と話す日 | オモコロブロス!](omocoro.jp/bros/kiji/467477/)

大根 さんがブースト

「饂飩」は中国語だと「ワンタン」を意味するが、それなら「うどん」はどう書くかというと「烏冬面」となるらしい

2024年7月29日
岸田文雄自由民主党総裁、67歳
泉健太立憲民主党代表、50歳
志位和夫日本共産党前委員長、70歳
お誕生日おめでとう🎉

巴里五輪開会式、街が舞台なのはいいんだけど、街から人を締め出して、テレビで見ないと何をやっているのか分からないことになっていたので、お祭りのやり方としてうみゅーんってなる気持ちがあるの。
(まあ、今までだって会場に引きこもって選ばれた人だけ参観して、って感じだったけれども)

これ作った。美味しかった。
からいの苦手なので、玉ねぎは水にさらした。おなすは好きなので、一本追加した。
recipe.rakuten.co.jp/recipe/14

巴里五輪の開会式があるので、仮眠仮眠

天気雨で雷の音がして蝉が鳴いてる

古泉迦十『火蛾』読了。
とても面白かったし、とても好みだった。
12世紀の中東、俗世を離れ隠遁したイスラム神秘主義者の修行場で殺人事件が起きる。
この、ネチネチと理屈を捏ね回してる感じ、大好き!
そして、炎に飛び込む蛾というイメージの筆致の美しさよ!
教えを伝えるのに、言葉という不完全なものに頼らなければならない不自由さを繰り返し繰り返し説かれているのですが、それを説いているのも、また言葉で。
では、言葉を排して教えを伝える・受け取るにはどうするのか、といった思考実験を言葉(日本語)で書いてる本なんですね。

今の感覚からするとレヴィレート婚は本当に分からないのですが(寡婦の保護と、資産の分散防止という理路は分かる)、4人の夫を渡り歩くこととなった義成公主のお話を、いい感じの小説で読みたいです。

ええと、今まで読んだことをまとめると、唐(及び、北朝、隋)は、漢人の王朝ではなく鮮卑系の征服王朝(拓跋国家)で、日本人が中国っぽいと思っているもの(科挙、仏教、琵琶etc.)はこの頃の中国でできたりもたらされたりしたもので、当時の漢人にとっても異国のものっぽい感じだったかもしれない、と(これはわたしの憶測)。

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