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古泉迦十『火蛾』読了。
とても面白かったし、とても好みだった。
12世紀の中東、俗世を離れ隠遁したイスラム神秘主義者の修行場で殺人事件が起きる。
この、ネチネチと理屈を捏ね回してる感じ、大好き!
そして、炎に飛び込む蛾というイメージの筆致の美しさよ!
教えを伝えるのに、言葉という不完全なものに頼らなければならない不自由さを繰り返し繰り返し説かれているのですが、それを説いているのも、また言葉で。
では、言葉を排して教えを伝える・受け取るにはどうするのか、といった思考実験を言葉(日本語)で書いてる本なんですね。

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