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ヘミングウェイ『キリマンジャロの雪』「殺し屋」読了。
簡易食堂に二人組のヒットマンが訪れるが、対象者は現れず、ヒットマンは去る。ヒットマンと店員の、長閑で緊迫感のあるやりとりを味わう話。
「あの人は来ませんね」
「もう十分待ってみよう」
「もう五分待ってみよう」

ヒットマンが去った後が味わい深くて、店員さんが対象者に「あんた狙われてますよ」と忠告に行くのですが、対象者はずっと壁を見たまま「ここを出ていく決心がつかない」と言うんですね。
後を尾けられたり、口止めとかないんだなあ、と随分と牧歌的な話だなあと思いました。なんか変な感じ。

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ヘミングウェイ『キリマンジャロの雪』「事の終り』読了。
静かで穏やかな話。
一緒にマス釣りをし焚き火を囲み月を見て、男は彼女に「きみといても、もう楽しくない」と別れを切り出し、別れる。
「おれの内部で、何もかもだめになっちゃった感じなんだ。ねえ、マージ、おれ自身にもわからないんだよ」

「きみといても、もう楽しくない」の前に、「きみはなんでも知ってるんだね」「おれはきみにいろんなことを教えてやったよ」とか言っていて、くそうといった感じなのですが、わたしは男がどういう感情を持っていれば納得したんだろう。
うまくいってるのにだめになった時、どうすればいいんだろうか。

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ヘミングウェイ『キリマンジャロの雪』「二つの心臓を持つ大川」(その一)(その二)読了。
いいタイトルだなあ。マス釣り一人キャンプ。焚き火とコーヒー。
とにかく描写が細かい。周囲の自然や主人公の一挙手一投足を、細々と淡々と追っていく、それだけの話。
それだけなんですが、「釣り楽しい」という感情が抑えていても伝わってくる。

“「ちくしょう」とニックは言った。「ちくしょう、うめえぞ」と彼はしあわせそうに言った。」” とかいった文章のざっかけなさが、堪らんですね。

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夜空に軽く浮かぶ雲は比較的に白く見える

大根 さんがブースト

『月刊たくさんのふしぎ』「いろいろ色のはじまり」届いた。これは楽しい。

ヘミングウェイ『キリマンジャロの雪』「エリオット夫妻」読了。
あ、悪趣味な話だなあ。
25歳の潔癖症の男と40歳のたぶん行き遅れの女が結婚するが、夫は仕事に没頭し、妻は女友達と泣いて寝て、3人は幸せに暮らしました。
皮肉気に滑稽さを滲ませて書いていて、あんまり人を笑ってくれるな。

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ヘミングウェイ『キリマンジャロの雪』「たいへん短い話」読了。
ほんの3頁半の、本当に短い話。結婚まで決意した後男女が、遠距離恋愛に失敗する話。人間は物質でできているので、距離が開くと、身体的接触がなくなると、そんなものよね。突き放した感じの話ですね。

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ヘミングウェイ『キリマンジャロの雪』「北の方ミシガン州にて」読了。
うわあ、同意のない性行為だー、さいあくう。男と狩りと酒の組み合わせ、男たちの浪漫たっぷりで、さいあくう。
書かれてあることに価値判断を加えていない文章だけれど、それを書くと決めたことに何らかの価値判断はあると思う。

あ、『ゲームの王国』ね、登場人物が「分からない言葉があったらグーグルで検索してください」みたいなことを、ちょいちょい言ってて面白かった。
で、ど田舎の描写も凄かった。抽象的な言葉は持たず、譬え話も一切通じない。呪術は具体的で現実的なので採用される。そんなクソ田舎でも故郷は故郷で。

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ニーチェの『ツァラトストラかく語りき』の “もしなんじらが一度を二度欲したことがあるならばーー、また、「なんじはわが意に適う。幸福よ、刹那よ、瞬間よ!」と言ったことがあるならばーー。さらば、なんじらは万有が回帰せんことを欲したのである!” あたりの話なのかなあ、うーん?
人生において、至高の瞬間があった。再びその瞬間を追い求めるだけの人生だった。人生において至高の瞬間があれば、その人生が苦難にまみれていようとも、その人生は肯定できるのではないか、みたいな感じなんだろうか。
ボーイ・ミーツ・ガールですよ。

『ゲームの王国』、勃起で不正が分かる男とか、輪ゴムから預言を得る男とか、泥から生まれ土の声を聞き土を操る男とか、13年の沈黙ののち精霊の声で精霊の言葉を話す男とか、綱引きで天啓を得る男とか、いろんな異能者が出てきます。異能者の異能は異能者主観ですが。

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小川哲『ゲームの王国』読了。
これ、感想か難しい。自分なりの再解釈・再構築が難しい。
上巻は1975年のクメール・ルージュ。下巻は半世紀飛んで2023年(近未来)での、脳波を使ったオンライン対戦ゲームの開発。
お話としては、ボーイ・ミーツ・ガール。一瞬しか邂逅しないけれども。

ゲームとルール、記憶と物語、なんかそこら辺がキーワードだと思うのだけれども。
ルール、みんながルールを守れば、幸せになれる。ゲームは構造的にルールの逸脱を許さない。
現実は、ルールを守らない者、ルールの裏をかく者、ルールの解釈が違う者が混在している。
記憶、記憶はあったことをそのまま記録していない。抽象化された概念が記憶され、それら概念が思い出として再構築される。概念が再構築されたものは、物語とも呼ばれるかもしれない。
同じ概念でも、人によって再構築される物語は異なる。大枠は同じでも細部に差異は生じている。
繰り返し思い出された記憶は物語として固定化される。物語化された記憶は、他人との共有も可能になる。
ロン・ノル政権下では、ルールがなかった。ポル・ポト政権下ではルールが徹底された。国民議会体制下ではルールはあるが、守られていない。

で、この『ゲームの王国』はどういう物語なんだろうか。

たっついーにもアカウントを作るべきか

大根 さんがブースト

タイッツーの片渕須直監督の枕草子関連のつぶやき密度が濃すぎる。書籍化してほしい(トークショーとかでも語ってるのかもしれないが)

網戸にやたらカメムシが集ってきてる

今日は風が強い。日傘が壊れるかと思った。

秋の虫の鳴き声の同定ができなくて、毎年敗北感に駆られている

桃と檸檬と甜瓜の季節が終わり、栗と芋と南瓜の季節がやってきた

『たくさんのふしぎ』2023年10月号「いろいろ色のはじまり」読了。
とても勉強になった。顔料と染料の歴史がすっきり分かる。気持ちいい。
載っている色の作り方は、青・緑・赤・黄色・紫(白・黒・茶色と、コチニール色素の作り方の記事も欲しかった!)。
プルシアンブルーの作り方が載ってたけれど、何をどうしたら、あの作り方に辿り着いたのかしらね。
色の本なので、フルカラーでありがたい。

わたしはテレビ版エヴァの前半の風景が好きなんですよ。都会ではない地方都市のなんてことのない風景を背景にロボットが大暴れして。
主人公の服は赤くないし、主人公の髪は尖ってないし。
『リリィ・シュシュのすべて』は最高ですよね!

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