ニーチェの『ツァラトストラかく語りき』の “もしなんじらが一度を二度欲したことがあるならばーー、また、「なんじはわが意に適う。幸福よ、刹那よ、瞬間よ!」と言ったことがあるならばーー。さらば、なんじらは万有が回帰せんことを欲したのである!” あたりの話なのかなあ、うーん?
人生において、至高の瞬間があった。再びその瞬間を追い求めるだけの人生だった。人生において至高の瞬間があれば、その人生が苦難にまみれていようとも、その人生は肯定できるのではないか、みたいな感じなんだろうか。
ボーイ・ミーツ・ガールですよ。
『ゲームの王国』、勃起で不正が分かる男とか、輪ゴムから預言を得る男とか、泥から生まれ土の声を聞き土を操る男とか、13年の沈黙ののち精霊の声で精霊の言葉を話す男とか、綱引きで天啓を得る男とか、いろんな異能者が出てきます。異能者の異能は異能者主観ですが。
あ、『ゲームの王国』ね、登場人物が「分からない言葉があったらグーグルで検索してください」みたいなことを、ちょいちょい言ってて面白かった。
で、ど田舎の描写も凄かった。抽象的な言葉は持たず、譬え話も一切通じない。呪術は具体的で現実的なので採用される。そんなクソ田舎でも故郷は故郷で。