『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』
著/ブレイディみかこ
#読書 #感想
日本人の著者とイギリス人の配偶者とふたりの息子が、イギリスの地方都市で暮らす風景を書いた人気エッセイ、その続編。
全然そういうテーマじゃないのは百も承知で言うと、読んでる間じゅう私はずっと「いいなぁ~~~~~~!」と思っていた。政治の話がとても身近で当たり前なのが羨ましい。住民説明会で怒声が飛ぶほど活気があって羨ましい。世の中にはびこる憎悪が日本よりずっと目に見えて分かりやすい気がする。それはそれで怖いし嫌だけれど、普段から政治の話題が身近なぶん、「いつも朗らかなおともだちのお母さんがエグい差別主義者だった」みたいなことが、日本よりも起こらなさそうな気がする。都知事選のとき、鞄に「選挙にいこう!」って紙をぶらさげてただけで露骨に軽く引かれた身としては、ため息しかでてこなかった。
は~~~~~~。
いいなぁ~~~~~~。
されど時代は進み、世界は変化しつづける、日本もまた然り。
どうしたらいいんだろうなあ~?????
『エヴイデイ・ユートピア』感想つづき
以下、もやもやしたところ。
日本のユートピア共同体として「ヤマギシ会」と「木の花ファミリー」の名前が挙げられていた。どちらも所有共有と自給自足を掲げ、自然と調和して生活することを目指している団体らしい。
漢方やヨガといった東洋思想に影響をうけ、地方に村を形成して自給自足を目指した団体で日本で一番有名なオウム真理教が、その後どんな事件を起こしたかを考えると、どうしても「カルト」の文字がちらつきいてしまう。おそらくヤマギシ会と思われる出身者の著作にも「カルト」の語がつかわれており、親に会えなくてさみしいうえいつもお腹をすかせていたと書かれてあり、とてもじゃないがユートピアには見えなかった。信念をもって自給自足に取り組む大人はともかく、付き合わされる子供はたまったもんじゃないよなあ。
『エヴリデイ・ユートピア』著/クリステン・R・ゴドシー
訳/高橋璃子
#読書 #感想
そこに行けばどんな夢もかなうという。人はそれを「ユートピア」と呼んできた。人類はどんな世界を夢想し実現させてきたのか。2000年以上の歴史を展望して、現在の我々が 当たり前と思っている社会の在り方は期間限定でしかなく、未来は無限の希望に満ちているかを説く本。
帯の文句は「打倒、家父長制」である。熱い。
著者は社会主義国の研究が専門だそう。社会主義的な考え方がどんな思想のもと、どういう人達に支持されて、どんなふうに実現されてきたか、ちょっと美化しすぎでは〜と思った所はありつつも様々な例示があって面白かった。資本主義的な在り方に異を唱え、すこしでも全体主義的な社会(車や服をシェアしたり、こどもを皆で育てたり)を説けばあらゆる方面から批判を受けるのは、資本主義にとって都合がいいからだという指摘にはとても納得。また、核家族という家族の形は資本主義にとって都合が良く、そのために女子供が犠牲になっているという説明は上野千鶴子の『家父長制と資本主義』にも通じるなとおもった。
異なる世界を夢見続けるイマジネーションが世界は必ず変わる、実際人類は世界を変えてきたのだから。勇気が湧いてくる本だった。
#まめ運動
今日もやりました。朝10分だけ。やりはじめると腰痛消えるのでやはり運動不足なんだな。
『怪盗グルーのミニオン超変身』感想つづき
あとあと、デスクワークしてるミニオンが面白かったのでもっと観たかった。
個人的に脚本ちゃんとしてる~と思ったのが、グルーJrがグルーを「父ちゃんサスガやん」って認識するのが、ラストの展開ではなくその一歩手前だった点。仕事に必死で家族のケアができておらず、グルーJrから顔を見るのも嫌がられていた父親・グルーが、育児をやり、実際の「仕事(=悪行ってことだが)」を見せることで親の信頼を取り戻す……という展開になっており、その流れをちゃんと描いていてさすがだな~と思った。並のファミリー向け映画なら、助けに来てくれた父ちゃんありがとう!にしてしまう気がした。
終盤でメガミニオンたちが引退先でこしらえた仲間を引き連れてグルーのピンチに駆けつけるのはムネアツだった。グルーは転居先で馴染めなくて四苦八苦してたのにミニオン達が適応しまくってて笑った。
悪党大集合で歌うラストの曲も(なんで二人が和解できてるのかちょっと良く分からなかったものの)よかった。総じて面白かったです。
高校の同窓会に参加したグルーは、再会した元同級生から成り行きで命を狙われることになった。家族を連れて自宅を離れ、安全な場所に引っ越したものの、そこのお隣さんは悪党志望の悪ガキで、正体をバラされたくなければ盗みを手伝えと脅される。一方、復讐に燃える元同級生はグルーの息子を誘拐するため住処を探していた……。
シリーズ最新作にして第4弾。残念ながらチビッコ大歓喜のおなら爆弾は出なかったものの、珍奇なメカやヒミツ道具が大量に登場していた。今回はシリーズで一番アクションシーンが作りこまれていた気がする。大人もしっかり楽しめた。シリーズどれも曲のセンスがカッコよくて大人ウケを狙ったネタが差しはさまれるので見ていて飽きない。
とにかくテンポが速いのでこどもも飽きずに観られるのだけれども、一方で、もうちょっと深堀した方がいいだろうよ~と感じた個所がいくつかあった。マキシムとヴァレンシーナの連帯の事情とか、新生活をはじめたこどもたちとルーシーの内面とか、ポピーがどうして悪党を夢見るようになったのか、とか。虫さん軍団がかわいかったんだけど1シーンしか出てこなくて残念だった。あとは、第3作でドルーとどっかいったはずの大勢のミニオンが一緒にいるのはなんで?ってなった。
#まめ運動
今日もやりました。最近はこちらの筋トレ10分タイプがお気に入りです。最後に一礼してくれるのが嬉しい。
https://www.youtube.com/watch?si=pbwdkol-uIc6P5Oi&v=6uQq4U2mDSQ&feature=youtu.be
#まめ運動
久しぶりに!やったぞ!!
記録忘れてただけで週に一度程度はやってたけど、最近また体力落ちてきたのを実感&二の腕に身に覚えのない肉がつきだしたのでがんばる。がんばらねば……。
【英語学習記録(7/24水)】
・英語のハノン(中級)
→12.8×3
お泊り保育の支度とか風邪対応とかいろいろしてたら二週間ぶりになっちゃったわよのさ!!!
たまに「仕事と育児と家事をしながら司法試験に合格しました」みたいな天才がいるけど、頭の中どうなってるんや。私は余暇があればSNSを見ているというのに。
肉体改造を経て死ねない身体になった「わたし」は、暇を持て余した末に家族史を記し始める。父のこと、兄と姉のこと、恋人のこと、これからのこと。
正直、前評判ほど「良い本」とはおもわなかった。身体性も名前もはく奪された永遠の少女(って年齢でもないんだけど、一人称で語られる文体がとても幼く実年齢と乖離している)が、介護や育児といったケア労働にずっと搾取され続け、しかも自分も搾取の連鎖に関わっていたことを悔やみつつ、いろいろ納得した末に筆をおく……って話なんだけども。
物語はずっとすごく淡々とすすむ。主人公はまるで心までロボットになったように、悔恨も憤怒もあらわにしない。それは自身が受けた「傷」に影響していた乖離症状かもしれないけれど本編からは読み取れない。表現や道筋はどうあれ、最終的に搾取を納得しちゃう話を『いい話』として消費するのは、どうにも気が乗らない。
ずっと家と個人のなかで完結しているのも、物語の仕掛けの一つなのだろうけれど、社会情勢や社会規範といったものは殆ど出てこず、こうあるべきといった理念も理想も描かれず、自分がした/されたことのみが取り上げられていたことに凄く違和感があった。でもまあそういう作風がウケたのかなともおもった。
『密輸 1970』
監督/リュ・スンワン
脚本/リュ・スンワン、キム・ジョンヨン、チェ・チャウォン
#映画 #感想
1970年代半ば。環境汚染による不漁であえぐ、韓国の小さな漁村・クンチョン。生活のために、海女たちは密輸品引き揚げの仕事を請け負った。やがて仕事は密輸王や税関までをも巻き込んだ金塊争奪戦に発展する。疑念と裏切り、愛と友情、そしてサメ。最後に笑うのは誰だ。
っていうね~~~~~!!!
め~~~っちゃ面白かった!!!
ありがと~~~~~~!!!
だいすき~~~~~~!!!
これがほんとのオーシャンズ8でした。海女だけに。やかましいわ。あとジャッキー・ブラウンみもあった。
こういう映画大好き。なんかハラハラしながら観て、観終わったあとは「はーおもしろかったー!」って言えるやつ。それでもちゃんと環境汚染や漁村の貧困、権力の腐敗、歴史的背景、そして血と暴力と裏切り明け暮れる男たちに対して鮮やかに描かれるシスターフット……といった社会的な要素も描かれていて、エンタメとのバランスが最高だった。あと音楽と衣装がずっとかわいかった。さっき「愛と友情」とか書いたものの、真面目にフィーチャーされているのは友情部分だけだったのもよかった。
まめです。本や映画や漫画やゲームの話をします。
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