『ガメ・オベールの日本語練習帳』
ジェームズ・フィッツロイ著、青土社 2021年2月発行
半月ほど前、たまたま有料のnote記事2本を読んで、なんとすごい書き手がいるのだと驚いて著書を買った。著者はニュージーランド人。もともとブログに掲載されていた記事をセレクトしたのが本書。たしかに文体はブログっぽい。そしてむちゃくちゃ面白い。こういうのは決してAIには書けない。テーマは、日本、日本語、東京、友人、文学、戦争、貧困、音楽など多岐にわたる。
今のブログはここで読めます。
ガメ・オベールの日本語練習帳 ver.8
https://james1983.com/
本書のあとがき:
日本語の本を出すということ – ガメ・オベールの日本語練習帳 ver.8
https://james1983.com/2020/12/03/nihongo_rennshuuchou/
『生き仏になった落ちこぼれ』
長尾三郎著、講談社文庫 1992年1月発行
40km以上の山道を1000日歩き続ける比叡山延暦寺の千日回峰行。何があろうと中断は許されない。そのため自害用の短刀を携え、死に装束を着て歩き続ける。終盤は1日80kmにもなる。睡眠時間は1日2~3時間。さらに中盤の堂入りでは、9日間にわたる断食・断水・不眠・不臥。比叡山1200年の歴史で千日回峰行を達成したのは50人にも満たない。その千日回峰を二度も成し遂げた酒井雄哉は、戦争で心に傷を負い、事業に失敗し、妻を自殺で亡くすという人生に、39歳で出家。史上最高齢で千日回峰を達成する。壮絶なドキュメンタリー。
『食卓歓談集』
プルタルコス著、柳沼重剛編訳、岩波文庫 1987年10月発行
プルタルコス(プルターク)はローマ時代のギリシア人著述家。この本では「酒席で哲学議論をしてもよいか」に始まり「宴会の幹事はどういう人物であるべきか」「なぜ秋には空腹を感じやすいか」「宴会の料理はめいめいに盛り分けるのと大皿からめいめいが取り分けるのとどちらがよいか」といった親しみやすいテーマが並ぶ。「鶏と卵ではどちらが先か」というお馴染みのテーマもある。「なぜギリシアやローマでは宴会の時に寝そべって食べるのか」を一番知りたいのだけど、それが書かれてないのはあまりにそれが当たり前だったからだろうね。
『もう一度読む山川日本史』
五味文彦・鳥海靖編、山川出版社 2009年8月発行
日本史超苦手状態を克服すべく、今年の春から毎日1~2ページずつちまちま読み進めていたのが読了。復習がてら『もう一度読みとおす山川新日本史』を後追いで読んでるのはもうちょっとかかりそう。通して読んだことで高校日本史の範囲が掴めた。高校の日本史ってけっこう細かい事項まで取り上げるイメージがあったのだけど、実は歴史のごくごく表面、重要部分だけをさらっと取り上げる程度だったのね(世界史もそう、他の学科も多分そう)。近現代の記述がやけにあっさりしてるな、と思ったら、『もういちど読む 山川日本近代史』『もういちど読む 山川日本戦後史』というのが出てた。そっちを読め、ということね……。
『インコが教えるインコの本音』
磯崎哲也監修、朝日新聞出版 2017年7月発行
鳥に関しては全面的に信頼している磯崎先生監修の本。ただ、20年近くインコと暮らしていると、こういう本に載っているのはあくまで代表例であっていくらでも例外があることも分かってくるし、個体によって性格も性質も大きく異なるということも分かってくる。でも、飼い始めの初心者の頃にあったら助かったと思う。それに、鳥類医学は日進月歩で発展しているから新しい知見が得られることもある。あと、「換羽」は「とや」と読んでいたけど、これは老舗の鳥屋なんかの言い方で、今は普通に「かんう」と読むらしい。それでよかったんだ……。
読書が捗らない本好き。フリーランスと無職の狭間。オカメインコとセキセイインコのお世話係。好きなもの:本、web小説、生成AI
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