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『ガメ・オベールの日本語練習帳』
ジェームズ・フィッツロイ著、青土社 2021年2月発行

半月ほど前、たまたま有料のnote記事2本を読んで、なんとすごい書き手がいるのだと驚いて著書を買った。著者はニュージーランド人。もともとブログに掲載されていた記事をセレクトしたのが本書。たしかに文体はブログっぽい。そしてむちゃくちゃ面白い。こういうのは決してAIには書けない。テーマは、日本、日本語、東京、友人、文学、戦争、貧困、音楽など多岐にわたる。

今のブログはここで読めます。

ガメ・オベールの日本語練習帳 ver.8
james1983.com/

本書のあとがき:
日本語の本を出すということ – ガメ・オベールの日本語練習帳 ver.8
james1983.com/2020/12/03/nihon

『この世界を知るための人類と科学の400万年史』
レナード・ムロディナウ著、水谷淳訳、河出文庫 2020年7月発行

人類は知的好奇心、知りたいという本能的欲求から精神的な探求を開始し、文字、数学、法則の概念、合理的自然観を獲得していった。科学が発展し、世界を説明できるようになり、量子力学の進展によって人間の経験の限界を超えていく。この世界を少しだけ違った風に見ることのできる人たちによる想像力の積み重ねで人類の知識は進歩してきた。物理学者による文明史+科学史。現代は「The Upright Thinkers」だけど、タイトルは良い邦訳だと思う。

『食で読むヨーロッパ史2500年』
遠藤雅司著、山川出版社 2021年8月発行

ギリシア・ローマ時代から中世、大航海時代を経て近現代にいたる、食にまつわるエピソード集。山川出版社が出しているのだから信頼性が高そう、と思ったら、10人もの専門家が監修されてる。巻末にはレシピ集。古代ギリシアの大麦粥、手順の最後に「そのまま神に捧げて完成」とか書いてある(笑)。

『三体』
劉慈欣著、ハヤカワ文庫 2024年2月発行

ようやく最初の巻を買ってきた。人名には頻繁にルビが振ってあって良かった。本の冒頭だけとか章のはじめだけにルビがあってもすぐに忘れてしまい、ルビを探して右往左往してしまうので、この本みたいに見開きごとに振ってあるのは大変ありがたいのです。まだ読み始めたばかりだけど、Netflixドラマ版の範囲とだいたい同じなのね(登場人物が一部差し替えられている以外は)。

『数学の思想 改版』
村田全・茂木勇著、NHKブックス 2024年9月発行

発売日は明日のはずだけどもう売ってたので購入。
昔から数学が超苦手だった。中学に上がって急につまづき、よく理解できないまま社会人になった。今後も数学を必要とすることはないだろうけど、理解できないままというのも悔しいので、せめて高校数学くらいまでは確実に理解したい。その前に、数学そのものの意義や思想を知っておきたいと思ってこの本を購入。元の版は1960年代に発行されていて、当時のテレビ番組に基づいた本だったらしい。

『IDENTITY』
フランシス・フクヤマ著、山田文訳、朝日新聞出版 2019年12月発行

あら、フランシス・フクヤマ、こんな本を出してたんだ、知らなかった、というわけで購入。後日じっくり読みます。

『生き仏になった落ちこぼれ』
長尾三郎著、講談社文庫 1992年1月発行

40km以上の山道を1000日歩き続ける比叡山延暦寺の千日回峰行。何があろうと中断は許されない。そのため自害用の短刀を携え、死に装束を着て歩き続ける。終盤は1日80kmにもなる。睡眠時間は1日2~3時間。さらに中盤の堂入りでは、9日間にわたる断食・断水・不眠・不臥。比叡山1200年の歴史で千日回峰行を達成したのは50人にも満たない。その千日回峰を二度も成し遂げた酒井雄哉は、戦争で心に傷を負い、事業に失敗し、妻を自殺で亡くすという人生に、39歳で出家。史上最高齢で千日回峰を達成する。壮絶なドキュメンタリー。

『食卓歓談集』
プルタルコス著、柳沼重剛編訳、岩波文庫 1987年10月発行

プルタルコス(プルターク)はローマ時代のギリシア人著述家。この本では「酒席で哲学議論をしてもよいか」に始まり「宴会の幹事はどういう人物であるべきか」「なぜ秋には空腹を感じやすいか」「宴会の料理はめいめいに盛り分けるのと大皿からめいめいが取り分けるのとどちらがよいか」といった親しみやすいテーマが並ぶ。「鶏と卵ではどちらが先か」というお馴染みのテーマもある。「なぜギリシアやローマでは宴会の時に寝そべって食べるのか」を一番知りたいのだけど、それが書かれてないのはあまりにそれが当たり前だったからだろうね。

『タイムマシン 他九篇』
H.G.ウェルズ著、橋本槇矩訳、岩波文庫 1991年5月発行

子どもの頃、たまたま「タイムマシン」の映画を休日昼間にやっているのを目にして、当時はまだ映画もほとんど見たことがない歳で、一度しか見てないのに強烈にイメージが残っている。80万年後、文明が発展した後に衰退した未来のイメージ。そのはるか先の、薄暮の中、赤く暗い太陽がじっと動かない空と、荒涼とした海岸の光景。ハッピーエンドな物語ではない。ボルヘスは「残酷な奇跡の物語」と呼んだ。美しく魅力的な小説だと思う。

『公務員Vテキスト 経営学』
TAC公務員講座編、TAC出版 2018年7月発行

特定の分野を独学したい場合、とっかかりとして資格試験本が役に立つことが多い。要点がうまくまとめられ、学習効率が高くなるよう設計されているからだ。あと、古本屋で安価に入手できる点も大きい。ダイヤモンド社『世界標準の経営理論』(分厚い!)を読む前に経営学のおおまかなマップを脳内に作るために本書を使うことにする。

『「九章算術」を楽しむ本』
孫栄健編・著、言視舎 2016年3月発行

東アジア最古の数学書といわれる「九章算術」。タイトルどおり9章から構成され、農業、租税、商業、土木、運輸、測量といったきわめて実用的な内容となっている。

異世界人から数学、というか算術を教えてほしいと頼まれたことがある人なら、現代日本の学校教育で学ぶ数学は彼らの求めるものとズレていると気づいたはずだ。異世界で算術書を売り出すなら「九章算術」をアレンジするのがよいと思われる。きっと中世ヨーロッパの「Summa」並みに売れると思うよ!

『もう一度読む山川日本史』
五味文彦・鳥海靖編、山川出版社 2009年8月発行

日本史超苦手状態を克服すべく、今年の春から毎日1~2ページずつちまちま読み進めていたのが読了。復習がてら『もう一度読みとおす山川新日本史』を後追いで読んでるのはもうちょっとかかりそう。通して読んだことで高校日本史の範囲が掴めた。高校の日本史ってけっこう細かい事項まで取り上げるイメージがあったのだけど、実は歴史のごくごく表面、重要部分だけをさらっと取り上げる程度だったのね(世界史もそう、他の学科も多分そう)。近現代の記述がやけにあっさりしてるな、と思ったら、『もういちど読む 山川日本近代史』『もういちど読む 山川日本戦後史』というのが出てた。そっちを読め、ということね……。

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『シャーロック・ホームズへの旅』
小林司・東山あかね著、東京書籍 1987年12月発行

著名なシャーロキアン夫妻による聖地探訪の記録。ロンドンからスコットランド、デヴォンからコーンウォールまで、ゆかりの地を訪ね歩く。後半はスイス(ライヘンバッハの滝など)。ドラマを制作したグラナダ・テレビってマンチェスターにあるのね。ずいぶん古い本だけど、現地は今もそれほど変わっていない気がする。

『1冊読むだけで古典文法の基本&覚え方が面白いほど身につく本』
岡本梨奈著、KADOKAWA 2019年12月発行

中高生の頃から古文が苦手だった。今でも苦手だ。思う所があって、それを克服したい。なら受験参考書がコスパも学習効率も良いだろうと、どこだったかで絶賛されていた本書を購入。うん、たしかに受験古文を短期間(37時間)で頭にたたき込むなら良いかもしれないけど、中学の学習内容まで忘れていると、この本だけではきついかもしれない。というか、私にはもっとコンパクトな文法のリファレンスとかが良いのかな。とりあえず最後までひととおりやってみてから考えよう。

『インコが教えるインコの本音』
磯崎哲也監修、朝日新聞出版 2017年7月発行

鳥に関しては全面的に信頼している磯崎先生監修の本。ただ、20年近くインコと暮らしていると、こういう本に載っているのはあくまで代表例であっていくらでも例外があることも分かってくるし、個体によって性格も性質も大きく異なるということも分かってくる。でも、飼い始めの初心者の頃にあったら助かったと思う。それに、鳥類医学は日進月歩で発展しているから新しい知見が得られることもある。あと、「換羽」は「とや」と読んでいたけど、これは老舗の鳥屋なんかの言い方で、今は普通に「かんう」と読むらしい。それでよかったんだ……。

『ファイブスター物語 1』
永野護著、角川書店 1987年5月発行

すごい久しぶりに1巻を手に取る。この壮大な物語(今から見るとこれは異世界ファンタジーだなー)のエピローグと、かつて映画化された序章が1巻には収められている。あと永野護氏のあとがき・解説と資料も。永野さん、まだ若いなー。27歳だって!!

『養生訓』
貝原益軒著、松田道雄訳、中公文庫 1977年5月発行

江戸時代の健康管理の書としてもっともよく知られている本。もちろん当時の健康に関する知識は間違っているものも多いけど、心を安らかにして体を動かす、という基本は今も変わらない。「食べ過ぎない」「健康を損なうものを口にしない」というのは昔から言われているのに今も多くの人が実践できてないのでは(反省)。まあ、貝原益軒だって日記に「新米が届いたので鶏飯を炊いたら食べ過ぎてお腹壊した」とか書いてるので簡単ではないのである。

『プログラムはなぜ動くのか』
矢沢久雄著、日経ソフトウエア監修、日経BP社 2001年10月発行

コンピューターソフトウェアの動作原理を解説した本。WindowsXPすら登場していない時代の本なので、さすがに古びた例が散見されるけど、基本的な仕組みの解説書なので、その本質は四半世紀近く経った現在でも通用すると思う。「人工知能が大ブームとなった10数年前には~」「なぜか人工知能のブームが去ってしまいましたが~」といった記述には特に時代を感じてしまう。20年後にこんなAIの大波が来ていようとは、ね。

『ドラキュラ』
ブラム・ストーカー著、唐戸信嘉訳 光文社古典新訳文庫 2023年10月発行

昨年末から読み始めてようやく読み終えた。全編、日記や書簡で構成される、19世紀末らしい小説。古典新訳文庫らしく脚注がとても充実していて助かった。これがないと理解が進まず若干つまらなくなってしまうかも。また、執筆当時の時代背景から吸血鬼文学全般にわたる巻末の解説が実に素晴らしい。これだけでも光文社版を買ってよかった。次は『カーミラ』を読んでみたい。

『フルーツバスケット 1』
高屋奈月著、白泉社 2015年9月

久しぶりに愛蔵版でフルバを読み返してる。再アニメ化の帯があるのでその頃買ったんだったと思う。けっきょくアニメ版はどちらも見てない。私にとってとても大切な作品なので、せっかくの自分の中のイメージを壊したくないのよね。

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