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「砂糖」「綿花」「奴隷」の貿易で利益を手にしたのは商人やプランターたち。現地で砂糖を作る者たちが生んだ大金は、彼ら自身ではない者の懐に収まった。

一方、レンバタ島で20世紀末まで行われていたのは、当事者のため、今日と明日を生きるために必要な品々の交易。

しかしここも近年、暮らしの基盤は貨幣経済の影響下へと徐々に移行している。
特に現代的な漁法の変化で、船の燃料を確保するのに現金収入が必須だったり、さらにインドネシア政府が観光産業を振興しようとしていたりと、21世紀に入ってからの変化は大きい。

その上で面白いと思ったのは、『海の民』ラマレラの人々はもと移住民であり、先住民『山の民』以外との交易を島外で行ってこなかったのは「地域で立場を築くための戦略」でもあったのではないかとみなされているところ。
村の互助システムに組み込まれることで、周辺地域における安定した地位を得たとする見方。

……現代における「物々交換」について自分が知っている事柄は本当に少なく、一例として展示内で触れられていたレンバタ島の交易が、〈モガ〉というレートに基づいているのを興味深く見た。
この伝統的な価値基準の単位は「手盛り一杯」を意味する言葉だったそうで、例えば石炭や塩のひと掴み(約50g)が、1モガにあたる。

川北稔「砂糖の世界史」(岩波ジュニア文庫)を読んでいて。

世界市場で売れるもの、たったひとつの作物のみを生産するモノカルチャーの在り方が、大規模プランテーションを生み出した17世紀。
そこではあらゆる労働、土地、民族構成が従来の文化から引き離され、それだけのために回転するようになった……

特にカリブ海の島々(サトウキビ)が例として挙げられ、本来は「自分たちが食べるもの」を生産するはずであるところ、時には北米から食糧を輸入してまで「売り物」を作り続けなければならなかった。
しかも労働者の大半は、アフリカから強制的に連れてこられた奴隷たち。

これは所謂「三角貿易」によって支えられたものだったけれど、品物と品物、貨幣と品物を交換する行為が『生活』のためなのか、『利益そのもの』のために行われるかで、随分と様子が違う。

今春、墨田区「たばこと塩の博物館」で《レンバタ島のイカット(絣織り)》に関する展示を見たので尚更そう思った。

レンバタ島では『海の民』と『山の民』が採ったものを交換して、必需品を作り、さらにそれを交換する。
貨幣を得るのが主目的ではない、生活のための交易というのはこういう形態をとるのかと感じて展示を見ていた。
交易で生まれた布と、衣服。
近世における三角貿易とは対照的。

参加のお知らせ
2023年9月10日㈰ ブース:K-53

マツさん(@matsurara)のサークルから発行される批評誌『Silence vol.2』に、「記憶 -病と病院、本にまつわる六つの章-」というタイトルのエッセイを寄稿しました。
添付画像や下記URLより冒頭部分を読むことができます。

総勢12名が今回のテーマ「病いとともに。」を各々の視点から考察した1冊。
に足を運ぶ予定のある方々、内容にご興味を持ってくださった方々、当日は何卒よろしくお願いいたします📚


chinorandom.com/entry/2023/08/

今度は大垣駅から養老鉄道に乗り換えて、養老天命反転地へ。

いわゆる普通科ではない、美術系の専門コースがある高校に通っていたのだけれど、ここはその頃から造形概論の授業でも取り扱われていた施設でずーっと気になっていた。
来られてよかった。

美術家の荒川修作と、詩人マドリン・ギンズが共同で手掛けたかなり大規模なこの作品は、アスレチックみたいにも思える。
敷地のほとんどは斜面で構成されているといっても過言ではなく、動きやすい装備で挑むのは必須だが、一応運動靴も貸し出されていた。

私も高校時代の同級生も運動から遠ざかって久しく(これでも中学3年生までは運動部……だったんですけど……)叫んだり転がったり、たまに穴に嵌まったりしながら移動したのを思い出す。

日常生活で多く目にする机や椅子、ベッドなどの家具がその辺に散らばっていたり、謎の幾何学構造体に侵食されていたりした。まるで不条理な白昼夢か、幼い頃に頭で思い描いた世界に、うっかり迷い込んでしまったような気分。
周辺にソファが散らばった感じのオブジェは実際に《白昼の混乱地帯》と名付けられており、座面が地面と平行になっていないので、腰掛けた時の違和感が大きい。

見慣れた物品が当たり前の状態に設置されていない、不思議な感じを楽しんだ。

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「面白い場所がある」と誘い出されて、のこのこついて行ったら本当に変わった場所だった。

岐阜県、JR東海道本線の関ケ原駅から徒歩約20分……という何とも言えない立地、散歩は好きだし遠くの方に山も見えて快晴、気分も良かったのだけれど、目的の場所に入ってから圧倒されっぱなしだった。
施設名を「関ヶ原ウォーランド」というらしい。

中津川市出身のコンクリート作家・浅野祥雲が遺した、膨大な数の等身大人形が設置されている。
その数は二百を超えるという。
日本国内にはこの関ヶ原ウォーランド以外にも彼の作品を拝める場所が幾つかあり、ほとんどが、祥雲氏が30代の頃に移住した愛知県内に集中しているもよう。

ひとつひとつ手作りで造形と彩色の施された人形は、佇まいといい表情といい、実に言葉にしがたい印象を鑑賞者の胸に深く刻む。見開かれた眼、半開きの眼、あるいはぎゅっと引き結ばれた口元……。
合戦時のまま時の流れを止めたこの場所で、彼らは今日も戦い続けていた。

ちなみに、係の人に言えば甲冑や模擬刀、火縄銃などの装備や小道具を借りられて、実際に身につけたり持ち歩いたりしながら散策と写真撮影ができる。
都合が合えば館長じきじきに解説をしてくれる場合もあるそうだ。それも、ウォーランドの名物なんだとか。

"冷たく冷やしたガラスの器に、とれたてのハッカの葉をしきつめて、氷室の氷をけずって入れて、花の蜜で甘く甘く味をつけた薄緑色のハッカ水は、子どもの頃のサウードのお気に入りでした。
(中略)
いまのサウードが魔法で作り出したハッカ水は、その頃に飲んだものとまったく同じ味と気持ちの良さを、サウードののどと舌に残しました"

村山早紀「愛蔵版 下 (2019)」童心社 p.94 より

日中の暑さが酷だから、旅人たちは昼ではなくて、夕方と夜と朝のあいだに移動する。
「シェーラ姫の冒険」で描かれる砂漠の描写を読んでいると、自分が暮らしている場所の気温や湿度にも思いを馳せないわけにはいかない。8月は終わりそうなのに、残暑はまだ続く。
おはなしに出てくる冷たいハッカ水が飲みたい。

魔法使いサウードが幼少期に「氷室の氷をけずって入れた」ハッカ水を飲めたのは、当時、貴重かつ高価な氷を口にすることのできる身分であったから。
街の王宮にいながら冷たい飲み物や氷菓を味わえるのは、まさに特権の象徴。

ところで数年前、エジプトに足を運んだ際に飲んだミントティーは、アイスではなくてホットだった……。
あれはあれで、爽快感があっておいしかったのを思い出す。

の随筆
「硝子戸の中」に収録の(二)より

私が好きな漱石は大正4年、ニコニコ倶楽部という雑誌社からの取材を受けていた。
……とはいっても写真を1枚提供した程度のことだが、それがなんというべきか、結果的に「疑惑の1枚」となったわけで。

このニコニコ倶楽部は「ニコニコ主義」なるものを提唱していた雑誌社らしく、発行していた月刊雑誌の名前も、案の定『ニコニコ』という。カタカナ4文字だけを延々と眺めているとだんだん頭がイカれてくる。
漱石は実際、過去にその雑誌『ニコニコ』を手に取ったことはあったが、「わざとらしい笑顔の不快な印象が胸に刻まれていた」……と随筆では語っていた。

けっこう辛辣である。

気が進まないなら取材なんて断ってしまえばいいじゃん、と読者の私は思うわけなのだけれど、ここでNOを突き付けられないのも彼らしいといえばそう。
発刊された雑誌の現物を見ると、真顔で写っていたはずの漱石の写真には少し手が加えられ、ビミョーな笑顔の写真に変化させられていた。

いわゆる「写真補筆」というのだろうか。
現代でいう「フォトショ(photoshop)」的な加筆修正を手で行うことは、明治・大正期から普通に行われており、見合い写真でも一部の新聞記事でも見られる行為だった。

試したご当地の飲み物
・オリーブ茶(ヤマヒサ)
・オリーブサイダー(谷元商会)
・瀬戸内レモネード(西野金陵)
いずれも美味でした

スーパー自己満足二次創作同人誌(文庫サイズ100ページくらいの本にしたけど特に現物の頒布はしてない、内容本文の方は公開してる)を初めて作ったのも彼らに関する空想を残しておきたかったから……
原作における関係の性質をいじらずにひたすら咀嚼しては掘り下げる、みたいなことがやりたかったんだよなぁ。

あとひとつ長めの話を書いていて、それは過去にオンラインイベで公開しただけで、本にはしていない。紙で手元に置いておくためだけにまた作ってみようか迷ってる。
他に細々とした短編もあわせるとトータルで10万字くらい書いていたみたいだった。

しかし結局お話を勝手に構築するわけだから、過程では当然自分の《願望》が生み出した要素も如実に反映されており、読み返すと「フーンこういう表情とか状況とか感情の推移なんかが好みなんだ……」という己の嗜好に対する感想があれこれ湧く。

動きがないというわけでもないけれど、ただ向かい合って淡々と会話したり、相手がいないところでその対象について考えたりするシチュエーション、みたいなところに好きな要素が多くあるのかもしれない。

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突然なんですがここ数年はこの2人の関係や背景について考えるのが特に楽しかった……というのを地味に表明しておきます(?)
本当にいきなりだね

小説「十二国記」のシリーズより📚

これまでキャラクターのイラストがそのまま印刷されたグッズはあんまり購入しない(広くいろんな場面で使えそうなアイテムの方が個人的に好きで)という姿勢でいたのですが、この絵のアクスタは置き物としても綺麗だし欲しくなってしまって!

買って以来長財布に入れ、旅行先の各地を連れ回しており、今年の春頃からは手前の人物の故郷であることから瀬戸内海周辺の地域をうろつき始めました。
下の写真も有明~徳島へ向かう船の中で撮っております。

彼らをとても好きになったことでゆかりの地に足を運びたくなり、あらためて移動の際には長距離フェリーや寝台列車を利用してみよう、という積極的な気持ちになれたのもありがたい効果。
感謝。

個人ブログのサイドバーにマストドンの最新フィードを埋め込みできないかな?
と思って(旧TwitterもといXの公式ウィジェットは仕様変更のため、ログイン済ユーザーでないと表示されない場合がある……)調べていたら「Mastofeed」というサイトで簡単HTML生成できるのを見つけました
mastofeed.com/

リンク先の各欄に必要な情報と好みの数値を入力していくとできる。私のは
・幅=250
・高さ=800
・UIスケール=85
・テーマ色=Light
・ヘッダーを表示:しない
・リプライとブーストを表示:しない
という設定で埋め込んでみました、楽ちんだったのでおすすめです

"船員達は胴切りにしたトビウオの身に枸櫞(クエン)を絞り、上を向いて大口を開けるとつまみ上げた身をすとんと口の中に落として骨ごとかみ砕いて飲み込んでいる。
トビウオは透明に澄んだ身の詰まった淡泊な味で、すでに塩味があって酸味をつけるだけでちょっとしたご馳走になった"

高田大介「 第三巻 (講談社文庫)」p.234 Kindle版より

文字で読むからこそいっそう食欲をそそられる箇所……!
ここに登場する枸櫞(クエン)はシトロン、柑橘系の果物の一種である。

私は釣ったばかりの魚をそのまま捌いて食べる文化圏で育っていないので、正直なところ、引用部分と同じ光景が目の前で繰り広げられたら惹かれつつも尻込みすると思う。
しかし、小説に出てくるこの生魚の魅力的なこと。

海水と潮風によってもたらされた塩気、それをまとった艶めかしい透明なお刺身に、枸櫞の酸味が加わる。魚の身は果汁との対比でほんのり甘くも感じるに違いない。
慣れるまでは喉に引っかけてしまうという小骨も、現実なら食べにくいことこの上なさそうだが、こうして文章に書かれていれば食感に適度な歯ごたえを添えてくれる存在となる。

やがて食道から胃袋へ、つるりと滑り落ちていくお刺身の冷たさ。

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友人達からor会社でもらった のメモ。
自分が何か選ぶ際にも参考にする~

・VANILLABEANS(バニラビーンズ)
2007年からフェアトレードチョコを導入。チョコレートサンドは柔らかめのチョコがサクサクしたバタークッキーで挟まれていて、色々な風味があった。はちみつ入りハニークランベリーサンドはコクと深みのある糖分を欲している時にぴったり。
なぜ現物ではなくパンフの写真しかないのかというと、すぐ食べてしまったため……。

・ビスキュイテリエ ブルトンヌ
もらったのはクッキー缶(小)のブルターニュ・クッキー・アソルティ。
発酵バターとラム酒が香るガレット・ブルトンヌ ドゥミ、噛むほど甘酸っぱさが滲み出るフランボワーズなど、いずれも「硬派」というか落ち着きのある堅実な味わいだった。秋口のピクニックとかで食べたい。

・鎌倉レ・ザンジュ(LESANGES)
「プティ・フール・サレ」の名から予想できるとおり、すべて塩味なのが特徴。バジル、トマト&オレガノ、チェダーチーズにゴーダチーズ……公式サイトにはワインやシングルモルトなどお酒に合うと記載があり、確かにウイスキーとか出してきたくなるな、と思う。
壁にかけてあるボウモア蒸溜所の絵(これまた人からもらったお土産)が私に圧を送ってくる。

「野ばら姫」もしくは「眠れる森の美女」としてよく知られた童話。
その内部に農民の青年が入り込み(不遜にも〈侵入〉し)、でも姫の眠りの魔法を決して解くことなく、ただそこで長い時間を過ごす……。

……ル=グウィンの短篇選集から《The Poacher》を読んだ。
原著を電子で購入したので日本語版は手元にないが、調べると「狼藉者」「密猟者」が代表的な邦訳らしい。
これは、著者がS・T・ウォーナーの詩に影響を受け執筆した一編。

面白いのは、単なる童話の変奏ではなくて、その細部がかなり弄られていること。
ル=グウィン自身がエッセイ・対談集《Cheek by Jowl》の中で語ったように、この試み自体が狼藉であり愉楽なのだ。

数年がかりで茨の垣根を超えた青年は、眠りの城で「野ばら姫(眠れる森の美女)」に相当する物語を発見して読み、自分が今まさに何の魔法を目撃しているのか知る。
これはかなり外部的な視点で、ある物語の内部に入り込んだ人間が、その内部にいながら元ネタの物語を読む……という構造には作為がある。

しかもこの短編《The Poacher》自体が、おそらく読者に向けた手記の体裁を取っているのだった。
示唆的で色々な捉え方ができ、また別途感想をまとめる予定。
おすすめ。

そもそも「『建物好き』として通い始めた」って何?
……の部分を補足します!

横浜のホテルニューグランド、本館の方は昭和2(1927)年に開業した際のもので、近代化産業遺産に指定されています。
私は明治・大正・昭和初期のたてもの を愛好していて時々ぶらぶら国内を巡っており、その一環でこちらのニューグランドを訪れたり宿泊したりもしていました。

設計者は渡辺仁。
あの東京銀座にある「和光本店(交差点にある時計が目印の建築物)」や、もう閉館してしまいましたが「原美術館」なども彼の設計です。

本館のみどころのひとつはやはり大階段周辺。

上った先にはエレベーターの扉と、盤面の周囲に美しい石の彫刻が施された時計がある。壁の画は川島甚兵衛が製作した綴織だった。
階段の手すりはスクラッチタイルを思わせる風合いで、昭和初期に竣工した建物にはよく見られるものであることから、当時流行のモダンな意匠を積極的に取り入れていたのかな……とも思う。

全体的に洋風の雰囲気が漂うが、釣り灯籠風の照明や壁画など細部に目を凝らすとわかるとおり、東洋の細工もふんだんに取り入れられているのだった。
それが独特の華やかさと居心地の良さを生んでいるのだろう。
梁に施された文様の良さ。


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8月31日㈭までのサマーアフタヌーンティー期間中、限定でオリジナルブレンドのアイスティーが提供されるというので久しぶりにニューグランドへ。ロビーのラ・テラス。
実は「建物好き」として通い始めたのがきっかけですが、地元住民の贔屓目もありつつやっぱりここ好きです。

おかわり自由、日本紅茶協会の「おいしい店」認定店にも名を連ねていておすすめ。
もちろん、リストに載っていなくたっておいしいお店も沢山あると思いますけど、迷った時に選択の参考として……
tea-a.gr.jp/shop/

さて、どうせならスタンダード&フレーバーを制覇しよう、ということで
・ダージリン
・アッサム
・ディンブラ
・ウバ
・アップルクイーン
・アールグレイ
・オリジナルブレンド
……をどんどんおかわりしていきました!!
〈強欲〉とはまさにこのこと

これまできちんとウバ紅茶の特徴を味わったことがなく、メントール系ともいわれる爽快感のある後味ってどんなものなのだろう、とドキドキして飲んだら本当に爽やかで美味だった。

またスコーンはパイナップル風味で、クロテッドクリームと一緒についてくるのもパイナップルジャム。
甘酸っぱくて夏を感じる仕様。


@Saki_Hinokawa_m

木槿も芙蓉も、ふんわりしていて優美なお花……!
私も植物をただ眺めたり、その生態や構造の話などぼんやり読むのが好きなのですが、見分けるのは難しいですよね。

個人的にはアヤメ・ショウブ・カキツバタが難問です。
いつも特徴を調べるのですがすぐに忘れてしまって、外で見かけるたびに「3種類のうちのどれかなんだろうな~綺麗だな~」で終わります🐱

耳は聞こえるが声を発することができぬ唖者のため、手話を用いて意思の疎通を行う《図書館の魔女》マツリカ。
そして、常人よりはるかに鋭敏な感覚を持っているものの、文字の読み書きができないキリヒト。

ある思惑によって邂逅した2人は、やがて「新しい手話」を編み出そうと模索する。

『──音声も文字も言葉の最後の拠り所ではない。
 そのどちらにも拠らず、なお言葉たりうる表現手段はいくらもあるんだから。
 ただね、単なる叫びとは異なる、象徴的な記号や図絵とは異なる、真に言葉といえるものなら必ず持っている性質が少なくとも二つある』
(高田大介「 第一巻 (講談社文庫)」p.105 Kindle版)

……ファンタジー好きとしては所々に「あああそこは惜しいな~」と思える要素が散見されたのが玉に瑕だったけれど、内容が面白いのには疑いがない。

多分、合う人には合うし、合わない人には合わないはず。
1の言葉で100を想像させる表現があるとするなら、まさにこれはその対極に位置している……と思った。
描写、描写、描写、とにかく描写、描写が延々と続く中に、確かな悦楽がある。
まるで、言葉は決して単なる道具などではない、そう「ここでは言葉そのものが世界なのだ」と言わんばかりの圧。

他のインスタンス(サーバー)から、こちらのFedibirdに興味を抱いてお引越ししてみました。絵文字リアクションが可視化されて新鮮。
今後ともよろしくお願いいたします🐱

始めましての方へ:
千野と申します。読んだ本などの感想、散歩・旅行ほか、日常に関係する投稿も多いアカウントです。
9月10日㈰ に合同誌の寄稿者として参加。
雑多な個人ブログを運営しています。
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