そもそも「『建物好き』として通い始めた」って何?
……の部分を補足します!
横浜のホテルニューグランド、本館の方は昭和2(1927)年に開業した際のもので、近代化産業遺産に指定されています。
私は明治・大正・昭和初期のたてもの #近代建築 を愛好していて時々ぶらぶら国内を巡っており、その一環でこちらのニューグランドを訪れたり宿泊したりもしていました。
設計者は渡辺仁。
あの東京銀座にある「和光本店(交差点にある時計が目印の建築物)」や、もう閉館してしまいましたが「原美術館」なども彼の設計です。
本館のみどころのひとつはやはり大階段周辺。
上った先にはエレベーターの扉と、盤面の周囲に美しい石の彫刻が施された時計がある。壁の画は川島甚兵衛が製作した綴織だった。
階段の手すりはスクラッチタイルを思わせる風合いで、昭和初期に竣工した建物にはよく見られるものであることから、当時流行のモダンな意匠を積極的に取り入れていたのかな……とも思う。
全体的に洋風の雰囲気が漂うが、釣り灯籠風の照明や壁画など細部に目を凝らすとわかるとおり、東洋の細工もふんだんに取り入れられているのだった。
それが独特の華やかさと居心地の良さを生んでいるのだろう。
梁に施された文様の良さ。