今度は大垣駅から養老鉄道に乗り換えて、養老天命反転地へ。
いわゆる普通科ではない、美術系の専門コースがある高校に通っていたのだけれど、ここはその頃から造形概論の授業でも取り扱われていた施設でずーっと気になっていた。
来られてよかった。
美術家の荒川修作と、詩人マドリン・ギンズが共同で手掛けたかなり大規模なこの作品は、アスレチックみたいにも思える。
敷地のほとんどは斜面で構成されているといっても過言ではなく、動きやすい装備で挑むのは必須だが、一応運動靴も貸し出されていた。
私も高校時代の同級生も運動から遠ざかって久しく(これでも中学3年生までは運動部……だったんですけど……)叫んだり転がったり、たまに穴に嵌まったりしながら移動したのを思い出す。
日常生活で多く目にする机や椅子、ベッドなどの家具がその辺に散らばっていたり、謎の幾何学構造体に侵食されていたりした。まるで不条理な白昼夢か、幼い頃に頭で思い描いた世界に、うっかり迷い込んでしまったような気分。
周辺にソファが散らばった感じのオブジェは実際に《白昼の混乱地帯》と名付けられており、座面が地面と平行になっていないので、腰掛けた時の違和感が大きい。
見慣れた物品が当たり前の状態に設置されていない、不思議な感じを楽しんだ。