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「面白い場所がある」と誘い出されて、のこのこついて行ったら本当に変わった場所だった。

岐阜県、JR東海道本線の関ケ原駅から徒歩約20分……という何とも言えない立地、散歩は好きだし遠くの方に山も見えて快晴、気分も良かったのだけれど、目的の場所に入ってから圧倒されっぱなしだった。
施設名を「関ヶ原ウォーランド」というらしい。

中津川市出身のコンクリート作家・浅野祥雲が遺した、膨大な数の等身大人形が設置されている。
その数は二百を超えるという。
日本国内にはこの関ヶ原ウォーランド以外にも彼の作品を拝める場所が幾つかあり、ほとんどが、祥雲氏が30代の頃に移住した愛知県内に集中しているもよう。

ひとつひとつ手作りで造形と彩色の施された人形は、佇まいといい表情といい、実に言葉にしがたい印象を鑑賞者の胸に深く刻む。見開かれた眼、半開きの眼、あるいはぎゅっと引き結ばれた口元……。
合戦時のまま時の流れを止めたこの場所で、彼らは今日も戦い続けていた。

ちなみに、係の人に言えば甲冑や模擬刀、火縄銃などの装備や小道具を借りられて、実際に身につけたり持ち歩いたりしながら散策と写真撮影ができる。
都合が合えば館長じきじきに解説をしてくれる場合もあるそうだ。それも、ウォーランドの名物なんだとか。

今度は大垣駅から養老鉄道に乗り換えて、養老天命反転地へ。

いわゆる普通科ではない、美術系の専門コースがある高校に通っていたのだけれど、ここはその頃から造形概論の授業でも取り扱われていた施設でずーっと気になっていた。
来られてよかった。

美術家の荒川修作と、詩人マドリン・ギンズが共同で手掛けたかなり大規模なこの作品は、アスレチックみたいにも思える。
敷地のほとんどは斜面で構成されているといっても過言ではなく、動きやすい装備で挑むのは必須だが、一応運動靴も貸し出されていた。

私も高校時代の同級生も運動から遠ざかって久しく(これでも中学3年生までは運動部……だったんですけど……)叫んだり転がったり、たまに穴に嵌まったりしながら移動したのを思い出す。

日常生活で多く目にする机や椅子、ベッドなどの家具がその辺に散らばっていたり、謎の幾何学構造体に侵食されていたりした。まるで不条理な白昼夢か、幼い頃に頭で思い描いた世界に、うっかり迷い込んでしまったような気分。
周辺にソファが散らばった感じのオブジェは実際に《白昼の混乱地帯》と名付けられており、座面が地面と平行になっていないので、腰掛けた時の違和感が大きい。

見慣れた物品が当たり前の状態に設置されていない、不思議な感じを楽しんだ。

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