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ここからベネ・ゲゼリットの陰謀が少しずつ狂いだす。物語は、予定された未来を主人公たちが命がけで修正する話として語られる。それは自由意思の勝利などではない。

主人公ポールは、ベネ・ゲゼリットが筋書きを書いた「予定された未来」の物語を少しだけ書き換えるような、針の穴に糸を通すような微妙な違いを作るために命を賭ける。主人公は自らカルト宗教の物語の一部に取り込まれていく。それを険しい目で見つめる恋人チャニ。

そして、まだ胎児なのに存在感があるポールの妹。続編があることを匂わせて、映画は終わる。

この映画を劇場で観る体験は、なかなか他のものでは代替できない。「デューン砂の惑星」という特異な原作の映画化として、特異な映画を作ることに成功していると思っている。通常の映画作法の基準で見れば外れ値の映画といえるのかもしれない。

そして、「デューン」という創作神話は、キリスト教のフレーバーがあるように見えるし(聖母とその子ども)、非キリスト教的にも見える(アラブ風味の固有名詞の多用)。砂漠の民フレーメンは、映画を見る人にとってアラブの民が重なって見えるだろう。では、ポールの戦いはアラブの反乱のメタファーなのか? それとも「アラビアのロレンス」的な"白人酋長"ものなのか。そんな多義的な解釈をしたくなる映画。

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この春から子どもが家を出る。家族3人で映画を観る機会ももうないだろう。ということで家族で観てきたのが「デューン 砂の惑星 PART2」(ドゥニ・ビルヌーブ監督、2024年)。

前作「DUNE デューン 砂の惑星」(2021年)でも思ったことだが、これはIMAXで没入しながら体験するべき映画。テレビのスクリーンで冷静に見てもあまり楽しめない気がする。

フランク・ハーバードの原作の作りは、創作神話であり、カルト宗教の物語であり、ヒッピームーブメントやドラッグカルチャーのメタファーでもある。ハリウッド流の脚本術や、いわゆる「バトルもの」的な戦術ゲームとは対極にある世界だ。そこにあるのは、予言と予知、陰謀と策略、暴力と復讐。理屈や倫理はない。

だから、この映画では普通の映画のようなカタルシス、爽快感はあえて排除されている。

舞台は遠未来。一周回って、銀河帝国は貴族が支配する権威主義的な体制であり、人々の価値観は家父長制かつ人命軽視。女性だけの秘密結社ベネ・ゲゼリットは長期的な血統を操作する陰謀に熱心で、人間も血統をつなぐ駒ぐらいに見ている。

主人公ポールの母親ジェシカは、ベネ・ゲゼリットの言いつけに反抗する。娘を産めと言われたが男子を産む。それが主人公のポールだ。

成田悠輔氏の広報起用批判受け 内閣広報室、各省庁に「人選慎重に」
mainichi.jp/articles/20240322/

もっともな措置だと思います。関連して、世論工作のためにインフルエンサーに渡す官房機密費も、供給先の人選がより「慎重」になるのでは。

ところで本件に関連してちょっと興味深いことが。

かつて沖縄ヘイトを繰り返していた「ひろゆき」氏ですが、最近のX/Twitterでは政権批判ぎみの発言をしています。

"裏金の発案を安倍派幹部は誰も覚えていないと証言。全員が人狼の村なのかな、、、?"
twitter.com/hirox246/status/17

"世界の政治閣僚平均年齢ランキングの第1位は日本です。"
twitter.com/hirox246/status/17

"山口敬之氏を「クソ野郎」と呼ぶのは合法であることを東京高裁が認めました。いやぁ、山口敬之氏は「クソ野郎」ですねー。"
twitter.com/hirox246/status/17

"700人の組織で1日に2人も有罪とか、国会議員の犯罪者率が高すぎる。反社なの?読売新聞はガーシー被告と書いて柿沢未途氏を被告と書かないのは差別だよね。"
twitter.com/hirox246/status/17

仮説:官房機密費を打ち切られたので、政権批判で注目を稼ぐ方針に転換した(?)

参考まで:
富士通F6570漢字ディスプレイを使用した情報システムに関する論文が見つかった。1977年。

この時代は「漢字を含む情報を表示、印刷する」ことが論文になるテーマでした。

jstage.jst.go.jp/article/johok

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日本の事例をもう少し掘り下げてみる。

Wikipediaによれば、1972年に富士通は最初の漢字ディスプレイF6570を製品化。その仕掛けは「高速回転する文字盤の上の漢字を撮影して表示する」という非常にトリッキーなものだった。

1978年の漢字ディスプレイF6580は、32×32ドットのフォントを格納し、漢字を表示した。漢字フォント供給のためディスク装置を備えた専用の制御装置を用意した。
ja.wikipedia.org/wiki/ディスプレイ_(

中国側の資料は見つからないが、1977年の中国で「コンピュータ画面に漢字を表示すること」のはそうとう凄いことです。

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すごーくトリビアな話題です。

Netflix版「三体」の第2話で、1977年のコンピュータ画面に中国語(簡体字)が表示される場面があった。

思ったことは、「この時代のラスター方式CRTディスプレイは漢字表示に対応していたのだろうか?」

一つの説は、「ベクター方式のCRTではないか」ということ。「葉文潔が自ら計算機をハックしベクター方式CRTディスプレイを使って中国語を表示できる仕組みを開発した」という仮説はどうだろう。

もちろん単なる仮説だが、葉文潔ならやりそうな気がする。

(なお、最初の日本語ワープロ製品である東芝JW-10は1978年。技術的にはこの時代の高解像度ラスターディスプレイがあれば漢字表示は可能だったが、当時の中国では入手困難だったのではないか)

私たちはデジタルプラットフォームに翻弄され、民主主義の行方は危うくなっています。一方、テクノロジー企業は政府の規制に反発し、放任を求め続けています。

以上のようなストーリーが目新しく感じる人もいるでしょう。逆に聞き飽きたと思っている人もいるかもしれません。

ひとついえることは、これは「私たち全員に関わる問題である」ということです。

民主主義がテクノロジー企業のプラットフォームで歪められているとしたら? そして世界が一握りのテック富豪=テクノ封建領主が専制君主のように振る舞う「テクノ封建制」に向かっているとしたら? 自由な市場は問題を解決できず、むしろ助長しています。

私たちになにができるのか?

少なくとも、私たちはまず問題を把握して、思考する必要があると思っています。

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Googleは独禁法裁判を戦っていますが、裁判の内容が公開されないよう手を打ちました。同社に不利な情報はほとんどメディアに流れません。Meta社は最近、青少年への性的脅迫のプラットフォームとしてInstagramが悪用されているとして議会で質問攻めにありました。Appleにも独禁法の適用が噂されています。

EU圏でも、米国企業への巨額罰金命令の判決が相次いでいます。

イーロン・マスクのX/Twitterでの"ご乱行"は日本でも有名ですが、これは一連の摩擦の一部と位置づけられます。実のところ、イーロン・マスクが突出して「おかしい」とまではいえない。他のテック界隈のエリートたちも考え方はマスク氏と大差ありません。マスク氏ほどにはボロを出していないだけです。

GoogleやMetaが作り上げたインターネット広告のエコシステムは、世論操作や詐欺の温床となっています。彼らは私たちの個人情報を驚くほど精密に把握しており、年齢、性別、趣味嗜好、思想の傾向など機微情報を活用してターゲット広告を表示してきます。

X/Twitterのアルゴリズムは人々を分断させ対立を煽るよう機能します。Facebookでは逆に「政治的な話題を目立たせない」ようアルゴリズムが調整していると言われています。

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「テクノロジーと民主主義は緊張関係にある」

上記の命題を見て、どう思いますか? おそらく、日本語圏と英語圏では温度差があります。

PayPal創業者でFacebookの初期投資家であるピーター・ティールは、「私はもはや、自由と民主主義が両立可能だとは考えていません」と述べ、トランプ支持に走りました。

Netscape創業者でベンチャーキャピタルa16zの創設者マーク・アンドリーセンは「西洋のテクノロジーのチャンピオンであるアメリカ合衆国は、自己への懲罰をすることを決めました。両政党とその選出された代表者は、できる限りの方法でアメリカのテクノロジー産業を徹底的に攻撃しています」と語ります。

シリコンバレーのエコシステムで成功したテック富豪たちは、いまや民主主義で運営される米国政府による規制を敵視するようになっています。
おそらく、日本語のメディアを見ているだけでは、このような緊張はほとんど伝わってこないと思います。

英語圏メディアでは、毎日のようにBig Tech(Google、Meta、Apple、Amazonなど)と社会との摩擦のニュースが流れています。BloombergやロイターやWSJは日本語版もあるので、これらを集中的に見ていればある程度把握出来ると思います。

星 暁雄 (Akio Hoshi) さんがブースト

この映像を撮った人、すごいな。この絵だけ見ると爆撃されたようにしか見えないし希望がまったくない状況をよく表している。この日本で3ヶ月近くも経って片付けすらできてない状況ってひどいよな

ブルーインパルスが能登半島上空を飛行し 住民たちが歓声 | NHK | 令和6年能登半島地震: www3.nhk.or.jp/news/html/20240

ガザの人道危機は、ますますひどいことになっている。

ガザ最大のアル・シファ病院は「ハマスの本拠地」とされ、数回にわたり攻撃を受け「血の海」となった。

他の病院も破壊された。水も食料も医療物資も乏しいなか、毎日180人が出産している。BBCの記者の目の前で新生児が死んでいった。

飢餓が進むなか、食料投下に集まる人々への爆撃が目撃されている。

命題「私たちには非道を止める義務がある」は真か偽か?

私たちがいかに無力であるとしても、真に違いない。

自分の無力を思い知りつつも、自分にできる範囲で義務を果たそうとすることは、人間性の重要な一部のはずだ。だからガザについて思い考え続けることにする。

(ロジックの参考にした本は、アマルティア・セン『正義のアイデア』です)

人権とは、なにか。

「ここに住め」とか、「ここに住むな」とか。

どの属性の人と「結婚しろ」とか「結婚するな」とか。

( ある特定の人種だから / 病気だから / 年を取って役立たずだから)「この世からいなくなってくれ」とか。

家庭を維持できない低い賃金で「働け」とか。

そのような強制をされないことを約束する不可侵の権利が、人権なのです。

犯罪グループからの広告出稿に対しては、犯罪収益移転防止法を適用できるはずです。有名人の名前を勝手に使う広告掲載は名誉毀損に相当するでしょう。このように、使えるツールは使って取り締まりを進め、穴をふさいでほしいと思います。

新たな法規制に関しては、権力側の恣意的な適用を警戒しなければなりません。EU(欧州連合)のDSA(デジタルサービス法)は、「市民の人権を守る」ためにサービス事業者を規制する建て付けになっています。こうした前例をお手本に、市民の人権を侵害しないように整合性を取って進める必要があります。

そして、社会全体で声を上げて「プラットフォーマーには社会的責任がある」と言い続けることが大事だと思っています。彼らは、「責任はコンテンツを出した側にある。自分達は免責されるはず」という甘いに認識を持っているからです。

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2024年3月12日放映のTBSテレビの報道番組「news 23」で、「SNS投資詐欺」の事件について、ITジャーナリスト星暁雄のコメントが使われました。

SNS投資詐欺とは何か。Facebook、Instagram、Google検索結果で有名人の名前を勝手に使った投資勧誘の広告を掲載、LINEに誘い込んでお金を騙し取るSNS投資詐欺の件数が増えています。警察庁は3月7日に記者会見を開き「SNS型投資詐欺」の急増を警告しました。警察庁によれば23年に1655人、総額約277億9千万円が被害に合っています。

星は「デジタル広告は人手による審査が欠如。プラットフォーマーは対応に消極的。法規制も考える段階」とコメントしました。

せっかくなので、取材で喋ったことを少し補足しておきます。

星の意見では、最も好ましいのはプラットフォーマーが自主規制に取り組むことです。ただし、特に米国資本のプラットフォーマーはあまりに消極的です。広告も含めて自動化を進めたい、人手を増やしたくないという意向を隠しません。

そこでまずやってほしいことは、すでに存在する法律を使って取り締まることです。例えば、投資勧誘や投資助言は金融庁への登録が義務付けられています。(続く

発表文にはないが、考えられるモデレーションは性的コンテンツ対応、暴力的コンテンツ対応だろう。アメリカの基準で合法的な性的コンテンツも、例えばイスラム圏では非合法になる。アメリカの基準ではOKな暴力的コンテンツが、ヨーロッパのある国では「子どもには見せたくない」コンテンツであるかもしれない。イスラム圏向けや、暴力により厳しい国向けのカスタマイズができるようになる。

さて、日本人のうちあるグループの人々が気になるのは、「少女の性的コンテンツ」だろうが、そもそも少女の性的コンテンツはBlueskyのモデレーションで許可されないはずである。

世界的に、少女(18歳未満の女性)の性的コンテンツは(実在の少女の写真であれ、非実在のイラストやCGなどであれ)国際人権法上認められないとするガイドラインがある。日本で流通するコンテンツの単純所持が他国では有罪となるケースもあるのでご注意。

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Bleskyは3月12日、新たなスタッカブル(積み重ね型)モデレーションのコンセプトを発表。それを実現するツール「Ozone」をオープンソースソフトウェアとして公開した。
bsky.social/about/blog/03-12-2

従来のBlueskyのモデレーション(コンテンツの監視・管理)のレイヤーの上に、積み木を積み上げるように、多くの個人やコミュニティが管理した新たなモデレーションのレイヤーを作り、購読することができるようになる。

発表文では、例として「例えば、誰かがBlueskyからクモの写真をブロックするモデレーションサービスを作ることができる」と説明。「このモデレーションサービスをインストールすれば、クモと表示された写真は即座にあなたの体験から消えるだろう」。つまり、モデレーションによりクモの写真が嫌いな人向けのBlueskyを作れる訳だ。

ここで「クモの画像を含む投稿にラベルを付ける、あるいは非表示にする」といったモデレーションは、人間のチームで管理することもできるし、機械学習ツールで自動化するアプローチにも対応する。
(続く

指摘を受けて思い出したのですが、「ひろゆき」氏は金融庁の広報動画に出演して炎上したことがありましたね。

当方は、以前「日本は変だ。政府は人権バックラッシュを進める一方、企業はいっそう人権擁護が求められている」という指摘をしたことがあります。これが一つのヒントなのですが……

仮説として、政府と企業の両方を顧客とする人たち(例えば広告代理店)は人権に関するダブルスタンダードに直面して、判断基準がぶれてしまっているのかもしれませんね。
fedibird.com/@AkioHoshi/112082 [参照]

キリンが、経済学者・成田悠輔氏を起用した「氷結」広告を取り下げ。

社会を分断し人権を軽んじる言説で露出を増やす人物の起用は、企業にとってハイリスク。例えば「ひろゆき」氏は、いわゆるナショナルクライアントの広告には起用されていないのではないかな。

広告起用を提案した人は、おそらく成田悠輔氏を「メディア露出も増えている新進気鋭の学者」ぐらいに見ていたのだろうが、判断が甘かった。
maidonanews.jp/article/1519613

【告知】
本日23:00〜、TBSテレビの報道番組「news 23」のため取材を受けました。星のコメントが番組で使われるかも。

教皇は、戦争を引き起こす地理的、歴史的状況は常に存在すると指摘し、戦争は「現実的な動機に基づいているように見える」と結論付けた。

「すべての戦争の背後に兵器産業がある。それはお金を意味する」
教皇フランシスコは「戦争は闇であり、闇の力である」と述べた。

感想:
軍産複合体を強く批判。

現代の戦争は、資金と兵器の供給なしには遂行できない。

ウクライナが米国を筆頭に西側諸国の援助で戦争を続けているように、ロシアは中国や北朝鮮や、おそらくはBRICS各国から物資や資金を調達して戦争を続行している。その背後には双方の戦争ビジネスがある。

ガザの虐殺も、イスラエルに兵器を供給する国(米国が筆頭)がなければ継続できない。

教皇フランシスコは、戦争ビジネスを「闇の力」と呼んで強く非難した形だ。日本も米国の戦争ビジネスに結びついているという点で、戦争の部外者ではない。

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