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"アップルがiPadイベントで紹介した動画「Crush」に関して、広告とマーケティングテクノロジーの情報を扱うAd Ageなどを通じて、アップルのマーケティングコミュニケーション担当副社長であるTor Myhren氏が、「的外れだった」と異例の謝罪を行った。"

「創造性は我々アップルのDNAであり、世界中のクリエイターに力を与える商品開発を行うことは我々にとって非常に重要です。我々の目標は、ユーザーが自分自身を表現し、iPadを通じてアイデアを実現する無数の方法を常に称賛することです。このビデオは的外れなものでした。申し訳ありません」
dig-it.media/thundervolt/artic

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ティム・クックによる新型iPad ProのCM動画の紹介は下記。
twitter.com/tim_cook/status/17

あらゆる"クエイリティブ"なものを、"Apple史上で最も薄い製品"に置き換えますよ、というメッセージだろうが、このCMからはクリエイターの道具やミュージシャンの楽器への敬意は見られない。

私は「道具や芸術に対する軽蔑を表現している」というコメントに同意する。

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ティム・クックがX(Twitter)で紹介した新型iPad ProのCM動画へのコメントを紹介したい。

twitter.com/sainimatic/status/

"ジョブズがこれを承認するはずがない。道具や芸術に対する軽蔑を表現している。意図的だったとは思わないが、悪趣味だ。 "

"美しいレンズや楽器などが巨大な油圧プレスに破壊される様子を見るのは心が痛む。ますます多くの人々が困窮に陥っている時代に、これはまったく無神経なことだ。アップルは"1984年"のCMからかなり劣化してしまった。 "

半導体、AI、大きなお金に関するお話。

Metaのヴァイスプレジデント兼チーフAIサイエンティストであるヤン・ルカンは、MetaはAIトレーニングのためGPUに$30B(300億ドル、1ドル154円換算で4兆6000億円相当)を費やしたと発言。
twitter.com/emollick/status/17

元ポストには「これはアポロ計画を上回る」と書かれている。だが引用ポストが示す文献によれば、この数字はマンハッタン計画の$22Bを上回るが、アポロ計画の$98Bには及ばない(数字は2008年のドル価値で換算)。

なお、どの金額も、最近Appleが発表した$110B(1100億ドル、17兆円相当)の自社株買いに及ばない。

感想:
資本市場には極端に大きな額面のマネーが集まる。これらマネーは政府や企業の信用を示す数字の集まりにすぎない。マネーの価値を人が信じている間は、マネーは価値を持つ。

巨額のマネーは資本市場の内側をぐるぐる回って増え続け、その一部が不動産投資や半導体工場への投資などの形を取って現実世界に流れ込む。

マネーの価値を支えるのは信用という虚構だ。サイクルのどこかで信用が失われると大惨事が起きる。今の経済学はバブルをうまく判定できないらしい。だいじょうぶなのかな、という素朴な疑問はある。

今夜はワルプルギスの夜。

そこでドイツの異教フォークバンドFaunの"Walpurgisnacht"を聴いてみます。
youtube.com/watch?v=nLgM1QJ3S_

イーロン・マスクは4/28に中国をサプライズ訪問、北京で李強首相と会談した。

WSJ報道によれば、会談の後、中国政府は(議論が多い)自律運転ソフトウェアFSD("完全自動運転")をテスラが中国で展開する計画を「暫定的に承認」した。中国バイドゥが提供する地図とナビゲーション機能をベースに、自律走行サービスを展開する予定。
wsj.com/tech/tesla-wins-chinas

またイーロン・マスクは中国首脳との会談の中で、中国で収集した運転データをアルゴリズムの訓練に使うため国外に転送する許可を得ようとしたが、中国政府は応じなかった模様だ。

中国には170万人のテスラ車ドライバーがおり、運転データは中国国内のデータセンターに保存されているという。

米国ではテスラ車の自動運転機能(自律運転)に由来する事故が多発しているとの批判が高まっている。4/26に米道路交通安全局はテスラの運転支援システムの調査開始を発表、「回避可能な事故や死亡事故に関連している」とコメントしている。

感想:
イーロン・マスクは、「規制を強化すると中国に負けるぞ」と米国の規制機関を脅かすつもりだろう。

自動運転に由来する死傷者数は、今後も増えそうな予感がする。

「現実は残酷なんだから空虚なエセヒューマニズムの出る幕はないんだ」

このような種類の言説をどこかで見聞きしていないでしょうか。これは誤謬です。理念と現実の区別が付いていません。

第2次世界大戦後の国際社会は、現実が残酷であるからこそ、ヒューマニズムに基づく理念が必要だと考えました。そこで合意された理念が人権。国際人権システムは、現実を理念に(少しでも、ゆっくりでも)近づける活動をしています。

残念ながら、このような理念と現実を混同する誤謬に巻き込まれている人はまだまだ多い。そして「理念を故意に無視する」こともまた「故意の無知」の誤謬です。私は、その背後には19世紀の人種差別論から続く反ヒューマニズム言説の蔓延がある、と考えています。

ヒューマニズムも、反ヒューマニズムも、人文学から出てきた思想です。最近の流行は、反ヒューマニズム思想を強化するため功利主義の極端な使い方をしたり、自然科学(進化、遺伝)や統計を持ち出すこと。これは倫理学への故意の無知、そして自然科学や統計の誤用だと考えます。そもそも、自然科学も統計も価値中立で、なおかつ常に反証可能性に開かれているのですから。

私の個人的な思いとしては、人文学の学徒の方々は、ぜひ反ヒューマニズムという「精神の毒」と戦ってほしいと思っています。

不祥事を受け本人は隠居、息子が家督を継ぐ——これは中世のソリューションですよね。

「資本主義の帰結として、現代社会は新たな封建制に向かっている」と唱える意見がいくつか出てきているのですが、日本の世襲政治家問題をそこにどう位置づけられるか。
news.ntv.co.jp/category/societ

「人間のドライバーよりも安全な完全自動運転は実現しないかもしれない」と警告する文書が公開されました。警告したのはACM。コンピュータサイエンス分野で最も権威ある学会のひとつです。

自動運転への楽観論に冷水をかける専門家の意見はどんな内容でしょうか。
newspicks.com/topics/tech-and-

英オックスフォード大学のThe Future of Humanity Institute (FHI)は、4月16日に閉鎖された。哲学者ニック・ボストロムが2005年に設立、所長を務め、「高度に発達したAIが人類を滅ぼすリスク」など「実存的リスク(人類の存続に関わるリスク)」を主に研究していた。

ボストロムの差別発言(白人至上主義発言や、社会正義の支持者を「血に飢えた蚊」と呼んだ発言など)が問題視されたとも言われている。

同研究所(FHI)は、哲学者ウィリアム・マカスキルらが設立したCentre for Effective Altruism(効果的な利他主義センター)とオフィスを共有し、密接に連携してきた。またイーロン・マスクらが研究資金を提供していた。
twitter.com/xriskology/status/

4月16日、イスラエル政府とのGoogleクラウド12億ドルの契約に抗議するため、Googleの社員らが10時間に座り込んだ。9人が逮捕された。

翌日、Googleは28人を解雇した。抗議運動に参加しなかった社員も含まれていた。

運動を主導したグループ「No Tech For Apartheid」は、解雇は報復行為だと非難している。

No Tech For ApartheidのX(Twitter)ポスト。
twitter.com/NoTechApartheid/st

New York Timesによる報道。
nytimes.com/2024/04/18/technol

- 能力主義を盲信した結果が、経済的な二極化と不平等。このことで民主主義は弱まった。市民は怒り、無力感に陥っている。

- トランプは市民の怒りを利用した。それは民主主義を悪化させた。

- 勝者の成功は能力と努力のせいだけではなく、助けと幸運を伴う。勝者の謙遜が必要だ。弱者の失敗も、敗者だけのせいではない。

- 民主主義の危機を脱するには、米国の伝統である市民的共和主義自由概念が、制度と実践の両方で回復されなければならない。

感想:インタビュワーが専門家なので、サンデル教授の発言も密度が高くなっている印象を受けた。

能力主義の盲信、テクノクラシー、民主主義の危機、トランプ現象、公共善より形式と対立に向かす政治、これらの問題はすべて「つながっている」。その解決には人文学の成果が必要だとサンデル教授は考えている。現代の諸問題への議論を踏まえた結論といえる。

私は個人的に、サンデル教授の考えを「世界に蔓延する覇権主義・虚無主義・現実主義・能力主義の行き過ぎに対抗しようとする、新しい啓蒙主義」の一派と位置づけています。

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マイケル・サンデルに、哲学者キム・ソンウクが聞くインタビュー記事。印象的な部分を記す。
japanese.joins.com/JArticle/31
japanese.joins.com/JArticle/31

- 公共善について熟考することが本来の民主主義のあり方だ。現代の政治には熟考が抜け落ちている。その原因の一つが能力主義文化だ。

- 専門家が決定を下す技術官僚制(テクノクラシー)に陥ってはならない。共通善を念頭に、政治家が責任ある判断を下すことが必要だ。

- 政治家は市民、特に厳しい状況の人たちの話を共感を持って傾聴しなければならない。アリストテレスが語った実践的知恵と、ハンナ・アーレントが語った政治的判断力を備えなければならない。

- 大学はすべての学生に人文学を教えなければならない。文学・哲学・史学などと必ず接するようにすることは未来に向け絶対に必要だ。
(続く

本日の「『共同親権』導入を柱とした民法改正案 衆・法務委で可決」のニュースを見て考えた。

- 共同親権は日本の経済、国際的地位、国民の厚生のいずれの向上にも関係ない。なぜ自民党政権は推進するのか?

- それは、自民党支持層の一部(いわゆる「保守派」)が望んでいるため。また保守派以外の自民党支持層も反対まではしないと踏んでいるため。

- 背景として、多くの人々が共同親権の実態を知らない、もしくは推進派プロパガンダを鵜呑みにしている。

- 事実上、自民党を動かしているのは一部の保守派だ。ヘイト議員を切れないのもそのため。だが、共同親権を含め一部保守派が望む政策は人権への逆行であり、多数派の幸福に反する。警戒が必要だ。

The Informationの3/29付けスクープ記事によれば、MicrosoftとOpenAIは、現状の100倍以上の規模のデータセンター(あるいはスーパーコンピュータ)を数年以内に作る計画だ。

現状は5段階あるうちの「フェーズ3の途中」。フェーズ4では2026年メドにスーパーコンを作る。フェーズ5は、2028年を目標に現状の最大規模データセンターの100倍規模となる1000億ドルをかけ、数百万のチップを搭載したスーパーコンピュータ"Stargate"を作る。数MWと原発なみの電力源が必要。コストの大半はAIチップの入手に関わるもの。

感想:
誇大妄想か、AIバブルか、それともAGI(汎用人工知能)の萌芽か。一歩間違えると、産業ごとバブル崩壊だ。

元記事
theinformation.com/articles/mi

Reutersの記事
reuters.com/technology/microso

共同親権慎重派が「極左」なので「公安の協力で締め出せ」 とは、へそが茶を沸かす物言いだ。

DVで苦しむ家庭の現実を見ようとする発想も能力も持たず、空想上の「家庭は国家の基本」概念にしがみつくひとびと。

なぜ、自民党内の一部保守派がアンチ人権&家父長制強化に熱心なのか。

理由は、それが安倍政権の既定路線だったから。特にアンチ人権言説を唱えることで出世した議員は、今から路線を変える発想も能力も持たない。

改憲、男女共同参画骨抜き、同性婚への抵抗、LGBT法骨抜き、共同親権推進、ぜんぶ「アンチ人権」の流れだ。

そして、アンチ人権言説の源流は統一教会だ。統一教会系の論客は「人権を教えると、権利ばかり主張して家庭が/教室が崩壊する」と噴飯ものの理屈を堂々と唱える。そもそも教義がアンチ人権だからだ。

そして統一教会系の論客の特徴は、自分達と路線が違う相手を「共産主義」「文化マルクス主義」などと非難すること。この手の用語を見かけたら「出た! 統一教会の影響!」と思っておけばいいのです。

**「公安の協力で締め出せ」 杉田水脈氏、一部有識者巡り**
47news.jp/10724030.html

問い:「私たちの社会で、何が一番大事なのか?」

Aさんの回答。
人権と民主主義だ。人権は、人が差別されずに、健康で文化的に生きていける約束。民主主義は、「異議申し立てルートが存在する」ことの約束。この組み合わせで社会を少しずつでも改善していくことが重要だ。

Bさんの回答。
技術と市場だ。技術が進化し、市場の力で増幅されることにより、人々は豊かに健康に文化的になっていくからだ。

星の意見。
大きな問題は、いまや「人権と民主主義」「技術と市場」がほとんど敵対関係にあることだ。技術と市場は自走し、人々を踏みにじってでも成長する。私たちには、より強力で有効な規範が必要だと考える。
(SDGs、ESG、「ビジネスと人権」は、その規範のほんの入り口にすぎないと考えている)

「デューン 砂の惑星 PART2」を鑑賞してから一晩たって思ったこと。
これは反啓蒙の物語。

主人公ポールは、途中までは合理的な個人として振る舞おうとする。恋人チャニは、伝統と共同体を大事にしつつ、個人の自由と合理性も尊重する人物像として描かれる。

しかしポールは、あまりにも巨大な問題に直面し、自由で合理的な個人であり続けることを「あきらめる」。母親の勧めに従い「南」に行き、危険なドラッグを服用することに始まる通過儀礼を経て、カルト宗教の教祖になる。その祖形はイスラム帝国か。

この物語は、原作が書かれた1960年代の時代精神——若者達がアメリカ合衆国の指導者たちの理性を信じられなくなり、ヒッピーとなって反テクノロジーやドラッグに走った時代の雰囲気を反映している。ヒッピームーブメントは反啓蒙だ。

一方で現代に生きる私たちは、理性や合理性を拒否する反啓蒙が「うまくいかなかった」ことを知っている。個人的な意見として、私たちは反啓蒙から脱出し、現代に合った理性の使い方をする「新しい啓蒙」を目指すのがいい、と思っている。

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さらに余談ですが、アレハンドロ・ホドロフスキーがDUNEの映画化に取り組んだ経緯を描いた映画「ホドロフスキーのDUNE」によれば、ホドロフスキー版DUNEでは音楽にピンク・フロイドを起用する予定だった。結局、このプロジェクトはキャンセルされてしまうのだが。

ビルヌーブ監督の前作「DUNE デューン 砂の惑星」予告編では、ピンク・フロイドの曲「Eclipse」のカバーが使われていた。ホドロフスキーへのオマージュかもしれない。

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余談ですが、デイヴィッド・リンチ監督の1984年版『デューン/砂の惑星』は、原作のカラフルでキッチュな側面をよく描いていた。

上映中のドゥニ・ビルヌーブ監督DUNEは、色彩を意図的に抑えて描かれており、特にハルコンネン家の悪趣味なイベントは全編モノトーンで描かれる。リンチ監督とは逆の路線を意識的に取っている。

原作の解釈はビルヌーブ版とまったく違うのだけど、そして一本の映画としては破綻しちゃっているのだけど、そんなリンチ版も私は嫌いではありません。

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Fedibird

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