オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)は11月21日、イスラエルの異議申し立てを却下し、ネタニヤフ首相とガラント前国防相に戦争犯罪や人道に対する罪などの疑いで逮捕状を発行した。
"当法廷は、少なくとも2023年10月8日から、検察側が逮捕状を申請した2024年5月20日までに行われた人道に対する罪および戦争犯罪の容疑で、ベンヤミン・ネタニヤフとヨアヴ・ガラントの2名に対して逮捕状を発行した。"
"(ネタニヤフとガラントは)それぞれ他者と共同して行為を行った共同実行者として、以下の犯罪の刑事責任を負うと信じるに足る合理的な根拠を見出した:戦争方法としての飢餓の戦争犯罪、および殺人、迫害、その他の非人道的行為の人道に対する罪。"
雑感:
イスラエルの異議申し立てや、検察官を捜査(!)するといった情報が出ていて心配していたが、逮捕状は発行となった。
拡散お願いします。
小説家の李琴峰さんが卑劣なアウティングによってカミングアウトに追い込まれました。この犯人は欧米の反トランスグループとも繋がって、情報を拡散しているようです。
こんなことはあってはならない。許せない所業です。
以下はスレッズの李琴峰さんのポストから。
スレッズが見れなければ。直接noteのページを。
大統領選直前に掲載されたWSJ記事。
「手芸、スポーツ、料理」などのトピックに興味を持つXユーザーの「おすすめ」は、政治的コンテンツ——トランプ寄りの投稿や、大統領選の信頼性に疑念を抱かせる投稿で埋まった。
https://www.wsj.com/politics/elections/x-twitter-political-content-election-2024-28f2dadd
雑感:
大統領選挙戦でのXの挙動が「おかしい」ことを指摘する報道、研究が出てきている。日本でも、都知事選、衆院選、兵庫県知事選で「選挙ハック」があったと指摘されている。 選挙戦におけるSNSなどの規制方法を早急に見いだす必要がある。
7月、イーロン・マスクがトランプ支持を表明した頃から、Xはアルゴリズムを調整した模様だ。イーロン・マスクの投稿は閲覧数138%増(2.38倍)、リツイート238%増(3.38倍)。他の共和党寄りアカウントでも程度は低いがブーストが認められた。クイーンズランド工科大学のティモシー・グラハム准教授らの研究。 他の報道でも、Xの政治的な偏りを報告している。
https://www.theverge.com/2024/11/17/24298669/musk-trump-endorsement-x-boosting-republican-posts-july-algorithm-change
雑感:イーロン・マスクがXを政治工作の道具として使ったことは明らか。2016年のケンブリッジ・アナリティカ事件はスキャンダルとなったが、イーロンは地位を保っている。 [参照]
雑感:
イーロン・マスク側の主張は、「フェイクも言論の自由のうち」ということになる。なんともはや。
◎論点をうんと短く表現すると、こうなる
カリフォルニア州 「ディープフェイクを選挙に使うな。SNSはディープフェイクにラベル付け、削除をし、報告機能を作れ」
イーロン・マスク 「法律は憲法違反。フェイクニュースはユーモア(Xにディープフェイク対応コストが発生するのも嫌だしね)」
●情報源
9/17、カリフォルニア州のニューサム知事が3つの州法、AB2655、AB 2839、AB2355に署名
The Recordのニュース記事
https://therecord.media/california-enacts-law-regulating-deepfakes-election-harris
ニューサム知事のプレスリリース(3つの法律の内容を記載)
https://www.gov.ca.gov/2024/09/17/governor-newsom-signs-bills-to-combat-deepfake-election-content/
10/3にメンデス連邦判事が州法AB2839 を差し止め
https://www.cbsnews.com/sanfrancisco/news/california-election-deepfake-law-ab2839-blocked-by-judge/
11/14にイーロン・マスク支配下のXが州法AB2655を憲法違反として提訴
https://www.cbsnews.com/sanfrancisco/news/elon-musk-california-deepfake-lawsuit-ab-2655/
https://therecord.media/x-sues-california-deepfake-election-law
Gigazineの日本語記事
https://gigazine.net/news/20241118-x-sues-california-ai-law/
(2)AB 2839:AIが生成または操作した欺瞞的な内容を含む広告またはその他の選挙資料を故意に配布することを禁止する期間を拡大する。またそのような資料の配付を差し止める民事訴訟を起こす権限を与える
(3)AB2355:AIによって生成された、あるいは大幅に改変されたコンテンツを使用した選挙広告には、その素材が改変されたものであることを開示することを義務付ける
◎その後の出来事
10/3、メンデス連邦地裁判事は、上記(2)のAB 2839に対して仮差し止め命令を出した。メンデス判事はAIとディープフェイクには重大なリスクがあるとしつつ、法律が憲法修正第1条に違反する可能性が高いと判断。「AB2839の大部分はメスの代わりにハンマーの役割を果たし、ユーモラスな表現を妨げる鈍器として機能し、アメリカの民主的な議論に不可欠な自由で自由な意見交換を違憲に阻害する」と記した。
11/14、(1)のAB2655に対して、イーロン・マスク支配下のXが憲法違反として提訴した。訴状には「政府高官や公職の候補者に批判的な言論に対する憲法修正第1条の保護が最も強いという長い歴史があり、そのような批判の文脈でなされた虚偽の可能性のある言論に対する寛容も含まれている」と記されていた。
9月17日、米国カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事は、選挙へのディープフェイクの影響を防止するための3つの法案に署名した。だが、そのうち1つの法律を10月3日に連邦判事が差し止め。そして別の法律を11月14日にイーロン・マスク支配下のXが憲法違反として訴えた。選挙戦でのディープフェイクを禁じる動きに強いバックラッシュが起きている。
選挙戦に関するディープフェイクとして、例えば次の出来事があった。7月、イーロン・マスクがリツイートしたカマラ・ハリスの偽キャンペーン動画広告では、ハリスの声を変えてバイデン大統領を"老人"と呼び、自分自身を"無能"と呼ぶようにリスナーを騙した。
今回話題にしている法律は3つある。順番に、法律の内容とその後の出来事を説明する。
(1)AB2655:大規模オンライン・プラットフォームに対して、特定の期間中、選挙に関連する欺瞞的なコンテンツやデジタル的に改ざんまたは作成されたコンテンツを削除または表示することを義務付け、そのようなコンテンツを報告するための仕組みを提供するよう求める
(続く
昨日の兵庫県知事選、地域別得票率を見ると、都市部、特に人口の多い神戸市沿岸部で斎藤が稲村さんを圧倒。
ここは安倍派幹部・裏金議員の西村康稔元経産相の地盤でもあり、ボランティア500人をはじめとする資源を集中的に投下、維新・闇の勢力も復活を賭けて「ここをぞ限りに」ーN国の立花も含めてー結集した、ということだろう。
神戸市沿岸部は企業・大学も多く、当然人口だけでなく大卒の若年層も多い。従って、地方で負けても総合すれば僅差で勝利できた。
また維新が「公式に」擁立した清水は25万票、斎藤の4分の1以下。上山信一は「維新の票を斎藤さんに集結させましょう」と絶叫していたが、これもある程度実行されたようだ。
であるから、この選挙だけ見れば、まだ対応可能だったとも言える。
しかし、「中の中の解体」に伴うファシズム化の傾向は、世界的な趨勢でもあり、東京でも「あの」石丸がファシズム地域政党を立ち上げると宣言している。これはまず次の都知事選狙いだろう。
石丸個人は次の選挙までに「化けの皮が剥がれる」可能性が高いが、問題は「あの男」をプロデュースする勢力の資源の巨大さである。石丸がこければ、いくらでも「次」を出演させる。
これに対抗できるとすれば、「リベラル」ではなく「ソーシャル」しかない。
雑感:
ちなみに、イーロン・マスクが新たに就任する「政府効率化省」の略称をDOGEにしたことも、露骨な価格操作といえる。実際、このニュースの後でDogeコインの価格は上昇した。
訴訟取り下げの一つの理由は、「トランプ当選でDogeコイン価格が暴騰したから」ということもある。なんだかなあ。
イーロン・マスクが市場操作をした疑いは濃いが、原告団は正義というより和解金を求めていたのかもしれない。潤沢な訴訟資金を持つイーロン・マスクとこれ以上裁判を続けても得るものはない、という判断だろう。
「イーロン・マスクが法を超越」という弁護士コメントは、どれだけ真剣な意見なのか不明だが、よく考えると恐ろしい話だ。
DOGEコイン価格操作の疑いによるイーロン・マスクへの集団訴訟を取り下げ
https://coinpost.jp/?p=573094
https://decrypt.co/291862/dogecoin-investors-drop-248-billion-suit-elon-musk
記事大意:
イーロン・マスクは暗号通貨Dogeコイン価格操作の疑いで集団訴訟に直面していたが、原告団は一審の敗訴後に原告団は控訴を断念。裁判は終結した。原告側弁護士は「マスクは法を超越」とメディアに語った。
2022年、投資家らがイーロン・マスク氏とテスラ社などを市場操作の疑いで訴え、2580億ドル(約40兆円)の損害賠償を求めた。イーロン・マスクがX/TwitterでDogeコインに言及、またDogeコインのアイコンを自分のプロフィールに設定するなどして話題を盛り上げ、価格操作で投資家に損失を与えた疑い。
2024年8月、地方裁判所はこの訴訟を却下。原告団は控訴を検討したが断念した。なお原告、被告の両者がそれぞれの弁護士への制裁を申し立てていたが、これも取り下げる。
原告側弁護士は「イーロン・マスク氏は法律を超越しており、米国の裁判所による罰則を受けることなくDogeコインを操作できることは明らかだ」と暗号通貨メディアDecryptに語っている。
(続く
しかし、トランプ次期大統領とイーロン・マスクの関係を考慮して広告出稿を再開する動きが出てくる可能性がある。「Xのオーナー(マスク)は今、次期大統領と親しい。トランプは長い間、友人を助け、敵を罰してきた。 Xに広告費を送ることはビジネスに間接的にプラスと思われるかもしれない」
雑感: Xの広告ビジネスが回復した、という話ではまだない。トレンドとしてXの広告売上げは減少を続けている。Appleのように広告出稿を停止したままの企業もある。実際にトランプ当選効果でXの広告が増えるかどうかは、まだ分からない。
ただ、アメリカ合衆国の広告業界にも「忖度」の概念があるらしい、という話が新鮮ではあった。
一方、IBMの「2000ドル」という中途半端な広告出稿は気になる。観測気球のようなものだろうか。
Xに一部広告主が戻ってきた (藤井太洋氏の投稿で知った記事です)
https://www.adweek.com/media/advertisers-returning-to-x/
記事大意:
Comcast、IBM、ディズニー、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー、ライオンズゲート・エンターテインメントなど、Xのかつてのトップ広告主はヘイトスピーチの蔓延を嫌い2023年11月にXへの広告掲出を停止していたが、最近はじわじわ復活させている。なおAppleは広告を停止中である。
MediaRadar調査によれば、2024年1月から9月にかけて各ブランドがXに費やした金額は控えめではある。Comcastが150万ドル弱、ワーナーが110万ドル、ディズニー55万ドル弱、ライオンズゲート23万ドル、IBMは2000ドル以下。
一方、有名ブランドとはいえないKarma Shopping、Canles Shoes、Kueez Entertainmentらは24年、X広告に1200万ドル以上、合計6800万ドルを費やした。
Kanrtar調査によれば、マーケターの26%が2025年にXへの支出を削減する予定。ブランドの安全性に関してXを信頼しているマーケターはわずか4%。
(続く
東京新聞11/14付けの記事「イーロン・マスク氏、どんなひと?」に、星がコメントを寄せています。
(いろいろ話したのですが、「大統領選挙中のイーロン・マスクのXでの発言」という観点に絞ったコメントが載っています)
東京新聞のWebは会員制になったようですが、会員登録すれば3本までは無料で読める模様です。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/366662
トランプがマスクらを政府効率化省に任命した件の関連記事
FT
https://www.ft.com/content/a8e7c76d-1098-47d1-8ac6-f6f026b18631
「民主主義への脅威? いや破綻の脅威だ!」「火星植民の夢を阻む規制の撤廃には選挙が重要だ」by イーロン・マスク
11月12日、次期米大統領のトランプは、イーロン・マスクとビベック・ラマスワミが新機関「政府効率化省(略称Doge)」を率いると発表した。
トランプは、政府支出削減を「マンハッタン計画」になぞられた。アメリカ独立宣言調印250周年にあたる2026年7月4日までに計画を完了する予定としている。
マスク氏は中央銀行(連邦準備制度)の解体をほのめかしており、少なくとも2兆ドルの支出削減が可能と発言。ラマスワミはFBI、教育省、原子力規制委員会の廃止を唱えている。
政府効率化省の略称Dogeは、柴犬のミームを持つ仮想通貨の名前にちなんでいる(笑えない冗談だ)。
雑感:利益相反の疑いは濃い。例えばイーロン・マスクが経営するテスラは、レベル2自動運転機能に関連する事故に関して政府機関の調査を受けている。
マスクは政府機関に関連する大量の訴訟を抱えている。仮想通貨Dogeコインののインサイダー取引の疑いで訴えられたこともある(なので政府効率化省の略称がDogeなのは悪い冗談といえる)。
以下、ニュース記事のリンクを。NHKやTBSの記事は「きれい」にまとまりすぎ。英語圏の記事は、マスクやトランプのヤバい言動をちゃんと伝えている。
NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241113/k10014636971000.html
(続く
アメリカ大統領選でトランプが勝利した翌日。米国在住の多くの黒人に人種差別的なテキストメッセージが届いた。何者かが、黒人たちの名前と電話番号のリストを入手して配信したのだ。
メッセージは、受信者を名指しして「近くの農園で綿花を摘め」といった内容。
バージニア州司法長官事務所はメッセージを非難し、脅威を感じた人は法執行機関に連絡するよう伝えた。 全米各都市の警察らも事態に対処している。NAACP(全米黒人地位向上協会、米国で最も古い公民権団体のひとつ)は「このメッセージは次期大統領のレトリックの産物だと考えている」と非難した。
https://www.nbcnews.com/news/nbcblk/black-people-text-messages-picking-cotton-nearest-plantation-rcna179036
バーニー・サンダースがXに載せた声明文:
労働者階級を見捨てた民主党が労働者階級に見捨てられるのはさほど驚くことではない。まず白人の労働者階級が離れていき、今やラテン系や黒人の労働者がそれに続く。民主党指導部が現状維持に努める一方でアメリカ国民は怒りを覚え変化を求める。そして国民は正しい。
今日、富裕層が素晴らしい成功を収めているにもかかわらず、国民の60%はギリギリの生活を送り、かつてないほどの収入と富の格差は拡がっている。信じ難いがインフレを調整した現実の平均的な労働者の週給は50年前を下回る。
今日、技術の革新と労働者の生産性の飛躍的進歩にかかわらず、多くの若者は親よりも生活水準は劣るだろう。彼らの多くはAIやロボットが厳しい現状をさらに悪化させるのではと懸念する。
今日、諸外国に比べ多大な資金を国民1人あたりに注ぎ込んでいるにもかかわらず、我々は未だ全ての人の権利として医療を保証出来ない裕福な国で、処方薬にも世界で最も高額を払っている。主要国の中では我々だけが有給休暇や医療休暇を保証出来ずにいる。
今日、国民の大多数が強固に反対しているにもかかわらず、我々は極右ネタニヤフ政権によるパレスチナの人々への攻撃を全面的に支援するため数十億ドルを注ぎ込み、子供達の栄養失調や飢餓という恐るべき人道的災害を引き起こしている。
民主党を支配する巨額の資金の動向や高額報酬を得るコンサルタント達はこの破壊的な選挙活動から真の教訓を学ぶのだろうか。膨大な数のアメリカ国民が感じている痛みや政治からの疎外感を理解するのだろうか。経済的にも政治的にも強大な力を持つオリガルヒがさらに力をつけることに我々が立ち向かう術を彼らは持っているのだろうか。おそらく無いだろう。
今後の数週間から数ヶ月に渡り、草の根民主主義と経済的道義について懸念を持つ我々は実に真剣に政治的議論を行う必要がある。
(添付した写真は掲載文本文)
公式サイトに、ケイト・ブッシュがアニメーションフィルム政策の背景を綴った記事が掲載されている。
ケイト・ブッシュは音楽だけでなく、監督・脚本とクレジットされておりビジュアルの細部まで気を配ったそうだ。
https://www.katebush.com/news_article/meet-little-shrew/
BBCによるケイト・ブッシュへの独占インタビュー。先に紹介したアニメーションのショートフィルム"Little Shrew(Snowflake)"の話題から始まる。
https://www.youtube.com/watch?v=j9V3Mlck-Mo&feature=youtu.be
(ハイライトを抜粋して紹介)
ニューアルバムの制作中にウクライナの戦争が始まった。それに、「特にここ12か月間に中東で起こった」戦争も。
「そこで小さな女の子を主人公にしたアニメーションを制作したいと思った。戦争に巻き込まれた子供や子供たちについての。それが子供にとってどれほど恐ろしいことなのか、注目してほしかった」
主人公は少女から小さなハリネズミに変更された。
「人間よりも小さな生き物の方が、より多くの人々の共感を得られるのではないかと考え、小さなトガリネズミのアイデアを思いついた」「私たちは皆、映画でいつも目にする暴力によって感覚が鈍感になっている」
「私たちは今、暗黒の時代を生きている。程度の差はあれ誰もが疲れ果てている。パンデミックは大きな衝撃だった。それが終わったなら普通の生活に戻れると思っていたが、現実は次から次へと状況が変化し、常に新たな戦争が勃発している」
(続く
ITジャーナリストです。
仕事リスト:https://note.com/akiohoshi/n/nebac412b6c12