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SNSでいろんな方が、信頼できる内容として挙げてくださっているパレスチナに関する文献、品切れで手に入らないものも多かったので図書館で何冊か借りてきました。

◆在日本韓国YMCA編『交差するパレスチナ 新たな連帯のために』2023年

◆イラン・パペ著
・『パレスチナの民族浄化 イスラエル建国の暴力』2017年
・『イスラエルに関する十の神話』2018年

話題の『SMILE/スマイル』、観ました。

トラウマの連鎖をテーマに、全編かけて「人を信じること」について絶望を叩きつけてくるので、ズーーンと落ち込んだ。
信じなくても信じてもコレかい。理不尽すぎるよ…
主人公が精神的に追い詰められ周囲から孤立してゆく状況を、とっても丁寧に、かつ超エグい形で容赦なく固めていく流れがしんどいです。ここまでやるかと。

主人公ローズの演技が素晴らしかったのだけど、「キーラ・セジウィックにめっちゃ似てる人だなあ」と思ってたら娘さんだった!
ドラマ『クローザー』で母娘共演してたブラウニーの回はすごく印象に残ってる。

面白く観たが、保身しか頭にない薄っぺらい恋人役に黒人男性をキャスティングして、あんなセリフを言わせたことは考え込んでしまった。

※トラウマ、自死、ペットの死の表現には要注意。
やたらと猫ちゃんの可愛い姿を映すのでかなり身構えて観ていたが、ここまでキツい展開を持ってくるとは…

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気になっていたホラー・スリラー映画をまとめて鑑賞。気持ちがしんどい時ほどホラーを観てしまう。

◆『X エックス』
◆『BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ』
◆『哭声/コクソン』
◆『セイント・モード/狂信』
◆『SMILE/スマイル』

『X エックス』は、「老い」を醜く恐ろしいものとして描いてるのがイヤだったな…。

『セイント・モード/狂信』は、主人公の看護師モードの、信仰心に突き動かされてゆく心情描写が辛くて辛くて。全てがまずい方向へ進んでしまう、やるせなさ。
そしてキツすぎるラストカット…。あれをあえて映すのかと。あんまりに陰鬱なダメ押しに凍りついた。

『BODIES BODIES BODIES/ボディーズ・ボディーズ・ボディーズ』には、超超ヒットと話題のクィアコメディ『ボトムズ(Bottoms)』のレイチェル・セノットも出演してました!

キャサリン・レイシー『ピュウ』
(井上里 訳)

言葉を発さず、外見からは年齢も性別も人種も読み取れない人物が町に現れたことで住民たちが見せる、様々な反応。

人間とそのコミュニティの、自分が安心するために・自分にとって分かりやすい形で他者を理解しようと躍起になる姿、善意でコーティングされた暴力的なまでの理解の押し付けが滑稽でもあり、とてつもなく恐ろしい。

いかようにも解釈できるラストも含めて、私は全体に諦念を持ってかなり悲観的に読んでしまったが、しかしどこか晴れやかな気持ちにもなった。
めちゃくちゃ好きでした。

9月に買った・読んだ本。

キャサリン・レイシー『ピュウ』 は、今年のベスト本の一冊になるほど好きだった。
好きというか今の自分のムードにめちゃくちゃマッチしていて、どこまでも静かな語りに反して自分の感情のザワつきが圧倒的だった。

同じ意味で、斎藤真理子『本の栞にぶら下がる』 や、クリスティーナ・ハモンズ・リード『ザ・ブラック・キッズ』も今読んで本当に良かった。

◆斎藤真理子『本の栞にぶら下がる』
◆ザキヤ・ダリラ・ハリス『となりのブラックガール』
◆キャサリン・レイシー『ピュウ』
◆ベアトリーチェ・サルヴィオーニ『マルナータ 不幸を呼ぶ子』
◆クリスティーナ・ハモンズ・リード『ザ・ブラック・キッズ』
◆フェルディナント・フォン・シーラッハ『神』
◆夕木春央『十戒』
◆背筋『近畿地方のある場所について』
◆M・W・クレイヴン『グレイラットの殺人』
◆マーティン・エドワーズ『処刑台広場の女』
◆ケヴィン・ウィルソン『地球の中心までトンネルを掘る』
◆フランシス・ハーディング『影を呑んだ少女』
◆アンソニー・ホロヴィッツ『ナイフをひねれば』

日々の生活や仕事や諸々の苦しさに精一杯で政治のことや社会の種々問題のことを思いめぐらせる余裕が無い状態にある人や、政治のせいで苦しい状況にあるのに「自分は虐げられてる側じゃない」と考える人がとても多いこと、それも全部政治が機能していないせいだと頭では分かるんだけども。

ただそれとは別に冷笑しぐさは本当に本当に許せない。

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あらゆる物事にたいして冷笑しぐさで政権追従してるやつらへの怒りで眠れなくなった……

「発売日に取次に在庫が無いのはむしろ当たり前(=店舗に回してないほうがおかしいよ)」ということを前提に書店員さん方がお話しされているのも、私のようなただの読者からは驚きなのですが……。(超話題作で売り切れ&重版が予想できる場合の話なのか…?)

新刊配本依頼をかけても希望数は入ってこない、売上実績があるのに配本数を減らされた、客注すら入ってこないという話は、小規模書店員のフォロイーさん達のツイートでここ何年間ずーっと見ていたし、売りたくとも売るものを入手できない状況は書店さんの努力云々では無いと思う。

品揃えの良い本屋さんにますます人が流れてゆくだろうし、町の本屋さんが無くなると、地方では本を買いに行く場が本当に無くなるんですよ……

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書店員さん方の「中1日で届くブックライナーに手数料(宅配便)がかかるのは当然では?」というような声がTwitterおすすめに流れてきましたが、問題提起をした書店さんは「(客注などでの)宅配便コストを負担したくない」なんて言ってないと思うのですが……。

小規模本屋ゆえ取次からの新刊配本は無いことが当たり前の状況で、通常発注をしたくとも取次に在庫が無いとされて出来ず、選択肢はブックライナーしか残されていないこと、そうして町の小規模本屋さんが消えていく現状についての悲鳴のnoteと受け止めて読みました。
めちゃくちゃ苦しくなった。

というか私も昨年、本屋さんで在庫がなくて取り寄せをお願いした本が明後日届きますと言われてすごく早いことに驚いた時に、店員さんが「ブックライナーっていうのがあるんですよ〜」とおっしゃっていたことを思い出した。

その時はなんも知らずそうなのか〜と呑気に思ってしまっていたけど、全然急いでるわけでもなかったのに使ってもらって申し訳ない……😔

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昨日、隆祥館書店さんの投稿で「ブックライナー」というシステム(本の発注の際に、取次が書店からマージン8%を取る)を初めて知った。
大注目作品(京極さん)の発売当日朝9時の時点で、通常発注枠には1冊もないため発注はブックライナーしか選択肢が無いってそんな……。

iOS17にアップデートしたら、画像中の縦組文章もちゃんと認識してキレイに選択できるようになった!めちゃくちゃ便利!

『三体』、ドラマが始まる前に積んでいる原作を読もうと思っていたけど、もう来月から始まっちゃう。全30話もあるから、録画しておくか迷う……。

まさかWOWOWが放送権を取ると思ってなかったよ。
頼むから放送後はこれまでのような塩漬けなどせず、早めに他の配信サービスに渡して多くの人が観られるようにしてほしい😵

アンソニー・ホロヴィッツの新刊を読み始めたが、読んでるとイライラして数ページごとに閉じてしまって全然進まない。

またしてもセクシュアル・マイノリティについての雑な言及が早速あってウンザリする上に、ネイティヴ・アメリカンの登場人物のキャラクター設定と描写にも危ういものがあり、のっけからハラハラする……。

性差別的と批判されるような女性像は「あえて」踏襲したんですよ!と言いながら戯曲のキャラクターとして創造し、その部分について劇評でこき下ろされる展開は、どう捉えればいいんだ。
というかホロヴィッツ、「批評」についてそんな感覚しか持ってないの……?ってガックリきた。

このシリーズは作者のホロヴィッツ自身が登場するメタ要素満載の内容だから、作品への単なる好悪を超えて、作者であるホロヴィッツに対して必要以上に悶々としてしまって、毎回読むのがしんどい。

山口智美/斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』

まだ記憶に新しい、「地元に帰って結婚出産すれば奨学金減免」というクソヤバ政策を提案した自民党議員は、1930年創立の中絶反対を掲げる宗教団体「生長の家」系政治家とのことで、そこに繋がるのか。

赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」で有名な慈恵病院と、経口中絶薬承認反対の署名活動を行う組織「生命尊重センター」との繋がりなど、知らなかったことも多かった。

子守唄ならぬ親守詩の全国大会とか、気持ち悪すぎて……。

「性別の違いで好きな色や遊び、得意なスポーツ、能力の限界を決める必要はないんだよ」と性別にとらわれず行動する自覚を促す1995年のジェンダーフリー教育について、右派団体が「人間を雌雄が無いカタツムリのような生き物にしようとする、社会の破壊を目指すカルト思想だ!!」と、当時も今も同じ内容(カタツムリ…)で攻撃し続けており、理解不能なのだがどうすればいいんだ……。

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山口智美/斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』を読みました。

右派宗教団体と政治の癒着がもたらしてきた、政策や社会への様々な影響と実態が分かりやすくまとめられており、この数十年間のバックラッシュの流れを把握できます。

バックラッシュについて改めて振り返ると怒りで血管切れそう……と思って読むのを躊躇していたけれど、知らなかったことも多くあり驚愕しつつ、自分が生まれる前からのこんな妄言・トンデモ言説が、何十年も変わらず政治に影響を及ぼし続けているという異様な状況にゾッとしました……。

「右派宗教は連携を取っているのに、フェミニズム運動の多くはシングルイシューで闘っている」という問題提起も。

だめすぎる最低な「謝罪会見」や「経営陣からの説明」を見るたびに思うが、なぜ会見を開く前に、その分野に熟練した専門家を入れてみっちり準備して来ないんだろう……
いやそういう問題じゃないのは分かっていますが……

企業や組織であれば、今後どのような対応を取ることが社会的に正しく誠意あるものと受け止められるかはものすごく重要で慎重に考えるべきことのはずなのに、検討して出してきたのがこれなの!?といちいち驚愕するし苛立ちと脱力感がすごい。

内部の人間だけで考えてもまず問題点の正確な認識もできていないから、質疑応答でボロが出るとかですらなく、初手から全てがボロボロなのを見せられると今後に何の期待もできなくてしんどすぎる。

新潮クレスト・ブックスの周年フェアに寄せた西加奈子さんのインタビューを読んでいたら、西さんが挙げた好きな新潮クレスト本に品切れが目立つのが悲しい……。
数えたら、話に上った作品17冊のうち5冊が品切れだった(刊行年は2001年〜2012年)。
ジュンパ・ラヒリやリュドミラ・ウリツカヤにも、すでに買えない本があるんだ……!?😭びっくりした。

他の出版社でも、雑誌等の本特集を読んでいると紹介作品に「品切れ」記載をちょくちょく見かけるし、海外文学って絶版までほんとに早いなあと改めて思う。

読みたくても読めないことがどんどん増えていくのかなあ。現代作家の本が読めなくなるのは辛い🥲
電子書籍化されていたり図書館にあれば良いけど、生活圏内にアクセス可能な図書館があるかどうかも課題だし……。

8月に買った・読んだ本。
『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ』がめちゃくちゃ素晴らしい対話本で、読んでる間ずっとワクワクしていました。

ロビン・ディアンジェロの本が『ホワイト・フラジリティ』に続きベストセラーになったことや、フランスにおけるホロコーストとユダヤ人差別の過去と現在を描くノンフィクション小説である『ポストカード』が高校生たちに支持されていることには、希望を感じられる気がして嬉しくなりました。

◆アンヌ・ベレスト『ポストカード』
◆キム・ソンジュン『エディ、あるいはアシュリー』
◆蝉谷めぐ実『化け者手本』
◆宮部みゆき『青瓜不動』
◆小川公代『世界文学をケアで読み解く』
◆森山至貴×能町みね子『慣れろ、おちょくれ、踏み外せ 性と身体をめぐるクィアな対話』
◆ロビン・ディアンジェロ『ナイス・レイシズム なぜリベラルなあなたが差別するのか?』
◆周司あきら 高井ゆと里『トランスジェンダー入門』
◆ピーター・スワンソン『8つの完璧な殺人』

もう無理だ、王谷さん辛すぎて心配で見ていられない……
指摘を受け止めた上で過ちを認め謝罪し、言葉を尽くして反省を示しながら今後も考え続けようとしている人を追い詰めて掲げる反差別って何なんですか。
キャパオーバーになっているのが目に見える上に、自身が受けた加害がフラッシュバックして苦しんでいる人を、何故少し待ってくれないのか。

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