山口智美/斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』を読みました。
右派宗教団体と政治の癒着がもたらしてきた、政策や社会への様々な影響と実態が分かりやすくまとめられており、この数十年間のバックラッシュの流れを把握できます。
バックラッシュについて改めて振り返ると怒りで血管切れそう……と思って読むのを躊躇していたけれど、知らなかったことも多くあり驚愕しつつ、自分が生まれる前からのこんな妄言・トンデモ言説が、何十年も変わらず政治に影響を及ぼし続けているという異様な状況にゾッとしました……。
「右派宗教は連携を取っているのに、フェミニズム運動の多くはシングルイシューで闘っている」という問題提起も。
山口智美/斉藤正美『宗教右派とフェミニズム』
まだ記憶に新しい、「地元に帰って結婚出産すれば奨学金減免」というクソヤバ政策を提案した自民党議員は、1930年創立の中絶反対を掲げる宗教団体「生長の家」系政治家とのことで、そこに繋がるのか。
赤ちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」で有名な慈恵病院と、経口中絶薬承認反対の署名活動を行う組織「生命尊重センター」との繋がりなど、知らなかったことも多かった。
子守唄ならぬ親守詩の全国大会とか、気持ち悪すぎて……。
「性別の違いで好きな色や遊び、得意なスポーツ、能力の限界を決める必要はないんだよ」と性別にとらわれず行動する自覚を促す1995年のジェンダーフリー教育について、右派団体が「人間を雌雄が無いカタツムリのような生き物にしようとする、社会の破壊を目指すカルト思想だ!!」と、当時も今も同じ内容(カタツムリ…)で攻撃し続けており、理解不能なのだがどうすればいいんだ……。
#読書