BT
オーストラリアの海軍が新しく買う護衛艦の最終候補2つに「海自の「もがみ」型」が残った」という記事。
なんとなく、受注できたらいいことがあるという雰囲気が醸し出されていますが、
「もがみ」をつくっているのは「三菱重工」。
もしこの契約が成立しても、
軍事産業である三菱重工がまた儲かるだけ。
そして「防衛装備品の売買」を通じ、当事国(今回は豪)との軍事的な関係が強まることになります。
少し前の日経記事では
「一等地」で売り込む和製防衛装備 武器輸出に準同盟効果」(2024年2月6日)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC148GG0U3A910C2000000/
「増額した防衛予算で国内産業を育てようとする政府の姿勢は日本企業の意識を徐々に変えつつある」
「ここにきて政府が輸出拡大を重視するようになったのは、ビジネスを超えて外交を下支えする意義があるとみたからだ。たとえば日英伊による次期戦闘機の共同開発。英国防相だったウォレス氏は「短い恋愛ではなく結婚だ」と表現した。
開発から運用終了までおよそ40年。その間、戦闘機の中核技術を共有していれば安全保障上、切っても切れない「準同盟」といえる関係が続くことになる」
と政府と日本企業の「軍事重視」路線を説明。
外交も国内産業も軍事が基盤という国になって、いいのでしょうか。 [参照]
そう言えばネトウヨ大王東浩紀も三浦瑠麗とほぼ同じ論法で斎藤の援護射撃をしているのだった。
考えて見れば二人は「あずまん」ー「ルーリー」と呼び合ったSNSネトウヨ・コンビであり、例の2022年の参院選後のKADOKAWA社長夏野剛が主宰するYou Tubeで、石戸諭とともに「統一教会」の側にたって、福島瑞穂さんを声をoffにした上で一方的に罵倒していたグループである。
しかし仄聞する所によると、「ミソジニー爆発」の東、「暇空」やら言うVery Notoriousなアカウントとともに、女性教授を攻撃しているらしい。どうもここまで行くと先はないような気がするけれども。
こうしたSNS知識人、慶応SFCでコネをつくるコンサル・広告屋、挙句の果てに親の資本で起業して「スタートアップ」して非正規の部下に「社長!」と呼ばせて「OUI!」と答え、それをYOU TUBEに挙げる「承認欲求のモンスター」、これが東大法学部生(全員ではないにしても)モデルになるようでは、社会は内から崩れ去るしかない。
一気に問題を解決する妙案は思いつかないが、まずはこの10年で溜まり切った膿を全部出すことから始めるしかない。
現在、世界をカオスに引きづりりこみつつあるUSA。かつて、マルクス主義理論では「米帝国主義」という概念があったが、USAの支配層も冷戦終結後、「アメリカは現代のローマ帝国」と堂々と主張するようになった。
実際、建国の父達も「ローマ共和政」の復活を強く意識していた。上院と下院はローマの元老院と民会に対応する。また一種のキスト教原理主義も建国の際から同伴している。
例えば19世紀後半の「明白な運命 manifest destiny 」。これは中世に旧約聖書ダニエル書から作り上げられた「四帝国支配権移転理論」と呼ばれる終末論的「普遍史」観に依拠したもの。
四帝国とはアッシリア=バビロニア、メディア=ペルシア、ギシリア=マケドニア、ローマ。中世ではこれが神聖ローマ帝国に支配権が移転したとされたが、USAはこれを引き継ぐとする。
この四帝国支配移転理論、一度人文主義者コンリングによって否定されたが、「帝国の進路は西にあり。最初の4幕すでに閉じ。その日とともにドラマが終わるは第5幕。最も高貴なる時代、そは最後の第5幕」詩句が示すように、正にトランプ派のキリスト教原理主義者へと受け継がれた。
ただし米下院の壁画が示すように「帝国の使命」、トランプ派を超えて広く共有されてもいる。なかなかに厄介である。
おやおや、都落ち中の三浦瑠麗氏、神出鬼没で北國新聞に登場らしい。
そこで、なにやら「抗議の自殺をした職員について」の「一面的な」報道が、斎藤元彦バッシングにつながり、引いては辞職にまで追い込んだ、という趣旨のようだ。
どうも三浦氏は「メディア」が「プレイヤー」になり、そこで「ファクト」に対する公平中立な報道ができなくなった、といつもの珍論を展開している。
しかし、私の朧げな記憶では、三浦氏はいつも、権力側、とりわけ安倍・維新側の「プレイヤー」として発言していた。「スリーパーセル」発言などは、本来一発「アウト」である筈なのに、悠々とメディアに出つづけた。
夫の詐欺容疑の逮捕、総選挙での安部派大敗という逆境にもめげず「北陸」から斎藤を援護射撃する「修羅」ぶりはなかなかのもの。
しかし、私は三浦瑠麗というと、どうしても彼女をプロデュースした藤原帰一に連想が飛ぶ。
「風見鶏」の異名をもつ藤原氏、先日も「リベラル」とも解釈できる文章を寄稿していたが、これも風向き次第。
「退官以後は映画を観て暮らす」などと「三代目」らしい見えを切っていたが、実際世界システム論の基礎も理解していない文章だった。これでは東大国際政治学の看板も「唐様と売り家と書かれる」のもむべなるかな。
鈴木道彦先生のなさった翻訳(海老坂先生と共訳)で一番好きなもののひとつ。
最初の行から撃ち抜かれます。
「黒いオルフェ」
(サルトル全集 第10巻 (シチュアシオン 第3) 改訂版)
18世紀仏啓蒙の中ではヴォルテールと共に「穏健派」とされることが多いモンテスキュー(急進啓蒙はディドロ、レナル)。
ただし、男女間の関係についてはモンテスキューはルソーより「急進的」。モンテスキューによれば「男女は本来平等であったにも関わらず男が自己の力によって、また女の柔和さを利用して専制的な立場にたっているのであり、今や本来の平等が回復されなければならない」。この「専制」はモンテスキューのテクスト全体を貫くキーワードでもある。
これに対し、ルソーは男女は生物学的性差に基づき、異なる社会的役割を担わなければならない、とする。「能動性、強さ、意志、天才」は男に、「受動性、弱さ、従順、才気」は女に割り振られる。
女性は家計を担当する妻に、男は政治社会に参加する家長=市民に。この家長=市民はカントにおいても同様。
これが19世紀家族モデルの原型となり、18世紀より女性の地位は低下していく。モンテスキューは女性の地位がブルジョアより相対的に高かった18世紀貴族社会のモデルをさらに急進化しらとも言える。というのは、モンテスキューは貴族による王権の規制を唱える「過激な」保守主義者でもあるからだ。
ドイツではフィヒテは家長モデルを捨てるが、ヘーゲル、サヴィニーによって再び家長は法的位置を回復する。
先週兵庫県知事選で、斎藤の広報を請け負ったとネットで自慢した折田某という人も慶応SFC出身らしい。
慶応SFCというと、竹中平蔵ー中室牧子のウルトラ・ネオリベラインを中心に、「詐欺師達」を次から次へと世間に生み出す印象である。
古市から始まって河合案里、西田亮介、その他スタートアップ屋がごまんといえる。
この折田という人も西宮の富豪の子らしいが、母と一緒にスタートアップ。主に自治体相手に取引と自撮りの動画で広告しているから、これまた税金にたかっている構図である。
それにしても、グラサンつけて税務署から出てきた所を部下に「社長!」と呼ばせ「Oui」と答える演出には引っ繰り返った。このグラサン・スタイルは日本を逃亡した際の三浦瑠麗を真似ているのかと思ったら、「これが自分のスタイル」と云ふ。
スタートアップの動機が「パリのお洒落さが日本には足りない」とやらで「広報」してあげる代わりに税金頂くとはいい度胸である。
しかし電通自体は国と選挙を主要取引にしている訳だから、ご本人は「業界の掟に従っただけかも」。
それにしても国鉄民営化(不動産)・郵政民営化(情報)・派遣解禁(パソナ)と木庭さんの言うように基本的に「闇の勢力」は財政にたかり続けている。しかし、それももう長くはもつまい。
「ヒトラーが1924-29年まではN国の立花なみの「ゴロツキ」と見做されていた」には補足が必要です。
ヒトラーは1923年、ミュンヘンでワイマール共和国打倒の暴動に、旧ドイツ国防軍元帥ルーデンドルフ、旧バイエルン首相カールとともに参加。この際の蜂起は失敗、ヒトラーは大逆罪で逮捕。
しかし、刑務所での待遇は極めて良好、ここでヒトラーは『わが闘争 Mein Kamp』を口述筆記、わずか半年で釈放される。
これはドイツの旧支配層が「反ワイマール」・「反共」の立場からヒトラーに意図的に「情状酌量」したため。また20年代の低迷期にも、ナチスには資本家から大量の資金が流れて組織を維持。
この間、ナチスは表向き「反資本主義」、「国民社会主義」を唱え、自営業者や大学生などの支持を確保していく。
この所謂「ナチス左派」の主張は要するに現代日本の「手取りを増やす」派と変わらない。勿論、反ユダヤ主義・外国人排除も忘れてはいない。
資本家・旧支配層はナチスの「反資本主義」が「似非」であることを知っているがこそ、援助を続けた。
有名な33年の授権法も保守党と「中道」の中央党の賛成を得たからこそ、形式的にも「合法的」に成立した。
況や日本の「極右」と同居している「中道保守」など全く頼りにならない。
「支援者のスアレス弁護士によると、日本軍は「赤い家」と呼ばれる軍司令部に女性たちを連行。1~3日間監禁し、兵士らが強姦や性的虐待を繰り返した。大半は当時9~14歳の少女だったという」
【日本軍の集団強姦で賠償を フィリピンの被害女性らが訴え】 2024/11/23 - 共同通信 https://nordot.app/1233006605470581216
BT
こういう素直で勤勉な女性三世代を同じ職場で低賃金労働させている事実を、
なんとなくほっこりする素敵ニュース風に伝えているの、怖いです。
こうやって、女性三世代のほほえましい写真を見せられると、素敵だなと思いますし、なんとなく和んでしまいますが、
軽い障害があっても、
既婚女性でも、高齢でも
働けますよ、という
マクドナルドのイメージアップ戦略なのだと思います。
昨年9月にも、「マクドナルドで働く90歳の女性」をポジティブに紹介する記事がでましたが、
あくまでも低賃金労働に
なるべく多くの人間を従事させたいのだというマクドナルド及び産業界の強い意向をどうしても感じてしまいます。
QT: https://fedibird.com/@YahooNewsBot/113531993023412936 [参照]
「お知らせ」
2020年に社会思想史学会のシンポジウムで行なった報告を基にした論考、
「社会批判は尚も可能かー「今」でなければいつ?」
が以下のホームページで閲覧・PDFダウンロードできるようになっているようです。
もしご関心のある方がいらしたら、ご笑覧下さい。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/shst/45/0/45_51/_article/-char/ja
またトランプと平仄を合わせて「都民ファースト」を掲げ、関東大震災時の朝鮮人虐殺を否認する小池「極右」都政は3回に渡って都民に「信任」されている。先の都知事選で小池・石丸を合わせた票は、軽く蓮舫の倍は超える。
従って、本質的な問題は東京・横浜・大阪・神戸など都市部に多い大卒民間企業サラリーマン、20代ー40代の、10年以上に渡る「ファシズム」志向。
実際、1930年代ナチスが急速に抬頭した際、中核の支持層は大卒及び自営業。労働者階級は社民と共産。それぞれが3分の1づつ。
ヒトラーも20年代の相対的安定期には一般人からはN国の立花なみの「ゴロツキ」と見られ「鳴かず飛ばず」。
今回「陰謀論」に騙されたことになっている大卒・民間企業の20-40代も公共の場で斎藤の行為を是認することはない。
秘密投票という「匿名」(これ自体は必要)、しかもある程度「勝ち目がある」という情報の拡散(日和見主義)、それに「改革を進める」=「手取りを増やす」の「偽情報」(これには実際騙されている)によって斎藤・石丸支持になだれ込んだ。
死者を出したパワハラに関しては本音は「どうせ被害者は公務員」だから「自分は関係ない」。さらにそれが「フェイク」となれば「良心(あればだが)の呵責」も消失という所だろう。
今週大学で複数の同僚の人と兵庫県知事選の結果について話す機会があったのだが、例外なく「驚天動地の出来事。常識ではあり得ない、やっぱり関西は怖い」という反応だった。
しかし、今度の県知事選で起こった文脈は決して関西固有のことではない。実際、安倍ー維新体制の時も、「モリトモ」案件で職員の赤木さんは自殺しているし、橋下維新体制の下でも少なくとも数人の職員が自殺したと見られている。また安倍の年来の友人の「レイプ犯」山口敬之への逮捕状が上位権力の介入でキャンセルされたことも周知の事実。
今回、衆院選で周縁化された「闇の勢力」、安倍・維新がその際の資源を総動員して選挙戦を展開。また現知事であった斎藤は、事件によって「悪名」だけは知れ渡った。
対する稲村さんは2期務めた尼崎市長は既に退いている。得票分布を見ても、都市部でも尼崎だけは勝利している。
従って、問題の本質は、神戸市沿岸部を中心にした都市部、とりわけ民間企業、大卒、20-40代の圧倒的多数が、何故「あの」斎藤に入れたのか?である。
これは衆院選で安倍最側近の萩生田を支持した層とほぼ重なる。これも外部から見れば「常識」ではあり得ない。
さらに言えば、都知事選で石丸を支持した層のプロフィールは今回「あの」斎藤を支持した層とほぼ重なる。
地球温暖化、気候変動が問題になってから久しく、一時日本で流行して(させて)いた「温暖化懐疑論」(陰謀論)も、ようやくなりを潜めたようだ。
実際、他のメディアの陰謀論と異なり、自己の感覚の範囲でどんどん日本も暑くなり、もはや「亜熱帯」化した。
「四季」といっても、春と秋はどんどんなくなり、台風は巨大化・不規則化しているのであるから、何故「温暖化」・「気候変動」をメディアの「陰謀」と知覚できるのか、個人的には不思議ではあった。
しかし、今年は暑くなるだけではなく(10月一杯まで夏)、季節の変わり目の変動がデタラメすぎるのは堪らない。
つい4,5日前に蒸し暑い日が続き、寝苦しいのでエアコンをつけたと思ったら、次の日は真冬日である。
若い頃は季節の変わり目などはあまり気にならず、その意味で季語などにも鈍感であったのだが、最近めっきり俳句的感受性が研ぎ澄まされて来た。
それにしても、この地球規模の天変地異が、「トリプル・レッド」つきのトランプ当選、イスラエルのジェノサイドと同期し、日本でも石丸、斎藤に象徴される、極右ポピュリズムとせり出しているのだから、「俳句的感受性」の洗練に喜んでいる場合ではなさそうである。
「ペパーミント・キャンディー」のソル・ギョングが久々に出演したというTVドラマ「旋風」を見る。
「民主化」以降の韓国の政治の世界の権力闘争を描いたものだが、確かに、「ブルータスお前もか!」をはじめとして、カエサル、アウグストゥス時代の故事が時々引用される。
と同時に赤壁の戦いの諸葛孔明の策や「死せる孔明、生ける仲達を走らす」といった三国志演義由来の故事も以外に出てくる。
日本でも昔は三国志演義、かなり人口に膾炙しており、ある時期から漫画やゲームのアイコンとして若い世代にも受け継がれているとも仄聞していたが、学生に直接聞くとどうも違うらしい。
今の20代の若者はアイコンを三国志の「英雄豪傑」にするほどの「自信」はなく、それは「40代くらいまでの現象」というのだ。ふーむ。
しかし、よく使われる故事成語、第一に春秋戦国、第二に三国時代、と言われるほど「乱世」のものが多い。
グローバル時代に合わせてカエサルやアントニウス、キケロあるいはスキピオ、カトー、ファビウス(20世紀のフェビアン協会はファビウスの対ハンニバル戦略を意識して取られた)の故事の習得へと移行している訳でもない。
結局、いつもの故事成語・歴史の中等教育段階での習得の必要性に戻っていくのであるが、どうしたものか?
おやおや、引用の記事は後で読んでみよう。
藤原帰一さんと言えば、とにかく「自分の思想」というものがなく、状況に応じてコロコロと言うことが変わる「風見鶏」で有名である。
本来坂本義和さんの弟子なので、丸山眞男の孫弟子にあたるのだが、典型的な「売り家と唐様で書く三代目」。
たしか麻布高校時代に「ブント」に参加した早熟の秀才で東大法学部に進学後、坂本義和さんに師事、大学院時代にも「秀才」で知られたが、結局学問的な業績はー控えめに言ってーほとんどない。
少し藤原さんに同情的に言えば、急速に日本の国際政治学・国際関係論が保守化(右傾化)していく中で、それに「適応」することを迫られた、という面もあるのだろう。
とは言え、外から見れば東大法学部国際政治学教授の看板を背負っているのだから、本来は自分の立場があれば、貫くべきだった。
ところが、「あの」三浦瑠麗の指導教官として、訳の分からぬ低レベルの論文を通した上、岩波書店に持ち込んで出版させているのだから、これは学者として「罪は重い」。
ダメ押しで言えば同じ東大法学部名誉教授の木庭顕さんが批判する「東大法学部」的なものを政治学で体現する一人でもある。実際木庭さんは『憲法9条へのカタパシス』で名指しで藤原さんを厳しく批判している。 [参照]
哲学・思想史・批判理論/国際関係史
著書
『世界史の中の戦後思想ー自由主義・民主主義・社会主義』(地平社)2024年
『ファシズムと冷戦のはざまで 戦後思想の胎動と形成 1930-1960』(東京大学出版会)2019年
『知識人と社会 J=P.サルトルの政治と実存』岩波書店(2000年)
編著『近代世界システムと新自由主義グローバリズム 資本主義は持続可能か?』(作品社)2014年
編著『移動と革命 ディアスポラたちの世界史』(論創社)2012年
論文「戦争と奴隷制のサピエンス史」(2022年)『世界』10月号
「戦後思想の胎動と誕生1930-1948」(2022年)『世界』11月号
翻訳F.ジェイムソン『サルトルー回帰する唯物論』(論創社)1999年