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  今週大学で複数の同僚の人と兵庫県知事選の結果について話す機会があったのだが、例外なく「驚天動地の出来事。常識ではあり得ない、やっぱり関西は怖い」という反応だった。

 しかし、今度の県知事選で起こった文脈は決して関西固有のことではない。実際、安倍ー維新体制の時も、「モリトモ」案件で職員の赤木さんは自殺しているし、橋下維新体制の下でも少なくとも数人の職員が自殺したと見られている。また安倍の年来の友人の「レイプ犯」山口敬之への逮捕状が上位権力の介入でキャンセルされたことも周知の事実。

 今回、衆院選で周縁化された「闇の勢力」、安倍・維新がその際の資源を総動員して選挙戦を展開。また現知事であった斎藤は、事件によって「悪名」だけは知れ渡った。

 対する稲村さんは2期務めた尼崎市長は既に退いている。得票分布を見ても、都市部でも尼崎だけは勝利している。

 従って、問題の本質は、神戸市沿岸部を中心にした都市部、とりわけ民間企業、大卒、20-40代の圧倒的多数が、何故「あの」斎藤に入れたのか?である。

 これは衆院選で安倍最側近の萩生田を支持した層とほぼ重なる。これも外部から見れば「常識」ではあり得ない。
 さらに言えば、都知事選で石丸を支持した層のプロフィールは今回「あの」斎藤を支持した層とほぼ重なる。

 またトランプと平仄を合わせて「都民ファースト」を掲げ、関東大震災時の朝鮮人虐殺を否認する小池「極右」都政は3回に渡って都民に「信任」されている。先の都知事選で小池・石丸を合わせた票は、軽く蓮舫の倍は超える。

 従って、本質的な問題は東京・横浜・大阪・神戸など都市部に多い大卒民間企業サラリーマン、20代ー40代の、10年以上に渡る「ファシズム」志向。

 実際、1930年代ナチスが急速に抬頭した際、中核の支持層は大卒及び自営業。労働者階級は社民と共産。それぞれが3分の1づつ。

 ヒトラーも20年代の相対的安定期には一般人からはN国の立花なみの「ゴロツキ」と見られ「鳴かず飛ばず」。

 今回「陰謀論」に騙されたことになっている大卒・民間企業の20-40代も公共の場で斎藤の行為を是認することはない。

 秘密投票という「匿名」(これ自体は必要)、しかもある程度「勝ち目がある」という情報の拡散(日和見主義)、それに「改革を進める」=「手取りを増やす」の「偽情報」(これには実際騙されている)によって斎藤・石丸支持になだれ込んだ。

 死者を出したパワハラに関しては本音は「どうせ被害者は公務員」だから「自分は関係ない」。さらにそれが「フェイク」となれば「良心(あればだが)の呵責」も消失という所だろう。

 

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