『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(吉田満梨・中村龍太)
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大組織ではない小規模な個人やスタートアップのためのプロジェクトの走らせ方を解説する。スタートアップを立ち上げた友人に教えてもらったのだが、個人事業主であるところの作家(同人作家)にも通ずる原則だろう。

1.「手中の鳥の原則」
ないものねだりをしないで、自分が保有していて確実に使える資源(手段)からスタートする。その手段から生まれる効果を大切にする。
2.「許容可能な損失の原則」
なにが得られるかではなく、なにを失うことができるか、からスタートする。チャレンジの損失が許容できる範囲ならまたチャレンジできる。
3.「レモネードの法則」
望んだものが手に入れられなかったときに、それを新たなチャンスとリフレーミングできるか。甘い果物ではなく酸っぱいレモンしか手に入らなかったときでもレモネードを作れる。
4.「クレイジーキルトの法則」
いかに多様なパートナーを作れるか。直接の顧客にならなかったとしてもチャンスをもたらしてくれる可能性はある。
5.「飛行機のパイロットの法則」
予測に基づく行動ではなく、コントロールできる範囲での行動に焦点を当てる。

個人的に特に興味深かったのは「クレイジーキルトの法則」に関して、パートナーシップを築く際に「問いかけ」を重視せよという示唆。大組織的な価値観の基ではパートナーシップ=顧客に直結するのだが、小規模なプロジェクトでは、パートナーシップは多様なコミットメントを得るためのチャンスと見做される。「問いかけ」とは、そのコミットメントを膨らませるための重要なファクターである。

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本書には「行動を恐れるな」というメッセージが通底しているように感じられ、勇気付けられた。
また、私が同人活動でやってきたスタンスを肯定してくれるものだった。つまり、手持ちの資源を可能な限り使い、失敗しても死なない範囲で出して、人と繋がって、繋がった人からまた何かを得て(あるいは与えて)……という。その意味でも勇気付けられた。

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