これ見たらすごくいい特集だった
舐めてた、ごめんなさい
最初はニューシネマパラダイスから始まってああまたただの美メロ礼賛かな…と思ったけど、キャリアの初期から晩年までを技術的な解説も交えつつめちゃくちゃ丁寧に追ってた
(なお自分はクラシック・現代音楽のことは全く分からない)
以下メモ
●当初、ニーノ・ロータに代表されるイタリアの映画音楽への反発
●実験的な音楽をやりつつ生活を立てる方策として、当時クラシック界からは低俗とみられていた映画音楽に携わることに
●クラシックを学びながら映画音楽に携わることを初めは「罪深い」と感じていた
●分かりやすい映画音楽とみせて、実験的手法を忍ばせることに
(アルジェントの『4匹の蝿』にもふれて、映像まで流れた! 素晴らしい)
●清塚さん:映画音楽で実験的なことをするのは、環境として許されにくい以上に自分が怖い。余計なことをして演出や役者の演技を台無しにしてしまうかもしれないので
●でも実験的手法で作り続けることに生活面での行き詰まりを感じ、流麗なメロディーと芸術(現代音楽)的手法の融合を目指すことに
●映画音楽のフィールドで葛藤し続けたことが、モリコーネ独自の音楽性を生み出したのではという見方
『明日なき追撃』(1975) ※ネタバレ
物語の結末まで言及あり
カーク・ダグラス(マイケル・ダグラスの親父)が製作・監督・主演を務めた作品
ダグラスの意思が極めて強く反映された映画と考えていいだろう
議員当選を目指し選挙活動に熱を上げている保安官と、ダークヒーロー的な無法者が対峙するストーリー
最終的に保安官は失脚する
それまでの保安官が市民から支持を得ている様子も皮肉をもって描かれており、政治家への批判的な視点が貫かれている
保安官上がりの議員候補というところだけ見れば、特にタカ派政治家を標的にしてるようにも思えるけど、もっと広範に政治家という存在そのものへの不信を描いてるように感じた
現実のダグラスは政治への関心が強く、そちら方面の人脈も多かったらしい
ただ特定の党派に肩入れすることはなかったようで
うがった見方かもしれないけど、この映画もそういうバランス感覚にもとづいた一種のポーズのようにも見えた
あえて一歩引いた視点を強調しているような
『追跡』(1947) ※ネタバレ
西部劇としては異質
最終盤まで沈鬱な雰囲気で、サスペンス要素もある
主人公は深刻なトラウマを抱えた人物で、時折起こるフラッシュバックが映像的に表現される
この時代にトラウマをここまで真っ向から扱った映画ってそんなに多くないんじゃ
巨大な岩山をバックに馬を走らせるオープニングから目を引く
なお映画の最後のシーンも同じ岩山で、映像的には円環を成している
ただしオープニングではその場所でトラウマの原因となる出来事が起こっているのに対し、エンディングではそこから立ち去る主人公たちの姿がトラウマからの解放を象徴している
同じロケーションでも、観客の抱く感情は正反対になる
主人公の内面や鬱々とした展開を反映させてか、夜のシーンが非常に多い
月夜のシーンは陰影のくっきりしたモノクロ映像がきれいだった
音楽の使い方も工夫されてた
序盤に兄弟が仲良く歌っていた「ロンドンデリーの歌」(ハモリが完璧でちょっと笑った)が、家族が憎みあうようになった後に短調にアレンジされて再登場したり
結婚式で流れる結婚行進曲は不穏な感じのアレンジで、新婚の両者が抱えている思惑が表現されてた
#見た映画 #西部劇 #映画
『ゲッタウェイ』(1972)見た ※ネタバレと暴力的表現
あまりペキンパーっぽくないと聞いてたので後回しにしてたけど思い立って視聴
確かにペキンパー濃度は低めだけど面白かった
監督のファンは満足しないかもしれないけど、一般的にはこれぐらいの方が見やすいかも
にしてもハードな描写は多いけど
銃殺死体のそばを3人の子どもが普通に歩いていくとことか印象深い
主人公が自分を刑務所から出すためにギャングのボスと寝た妻に嫉妬?するところがよかった
それより前のシーンで、長い刑務所生活で主人公が(一時的に?)性的な不能状態になっていることが示唆されるけど、あれのおかげで嫉妬のくだりにぐっと深みが出る
それ自体が目的化したような伏線回収は冷めてしまうけど、描写に奥行きを与えるこういう仕込みは上手いなあと思う
追跡者のパートもよかった
こちらはブラックな艶笑劇でもはや別の映画みたいだったけど
押し入ってきたギャングに簡単になびいて、挙句に縛り付けられた夫をからかい始める妻の変貌ぶりがすごい
最終的に夫は首を吊るけど、その表情も間抜けでブラックコメディ的
夫の死を察した妻がベッドに寝そべったまま浮かべるなんともいえない表情がよかった
クライムズ・オブ・ザ・フューチャー
たまに考えてはメモしてたことのざっくりまとめ
ひとまとまりの文章にする意欲が湧かないのでもうこれでよしとする
-----
肉体と機械、科学と芸術、奇想と哲学、の混淆・同居
直接的には『クラッシュ』『イグジステンズ』とかの系譜
そういう作風自体は唯一無二というわけでもないけど、たとえば『鉄男』シリーズなんかと比べるとクローネンバーグの感覚は肉体というものとより密である感じ(もちろん優劣の話ではない)
その混淆具合、倒錯のレシピはやはり独特と思うし、背後にある一貫した思想をいやでも感じる
ストーリーはもちろんあるんだけど、クローネンバーグが監督のキャリアを通じて描いているもの、描きたいもの同士の間をつないだ結果として浮かび上がったものにすぎないようにも思えた
そもそもストーリーってのはそういうもんだろと言われればそうなのだけど、なんというかストーリーテリングへの熱意が単体としての造形・描写などへの熱意に比べてどう見ても少ないというか
次々に現れる異様な造形・描写がストーリー以上に雄弁にこの映画が何であるかを語っているように自分には感じられた
映画『柔らかい肌』(1963) 監督:フランソワ・トリュフォー
トリュフォーは多分1本も見たことない
少なくともトリュフォー監督作と認識して見た映画はひとつもない
不倫の話
不倫というものは常にどこかしら無様なものと思われるけど(体験談ではない)、これも無様
むしろ無様な部分をいっぱい描いてる
あれこれコメディーなの?と一瞬思ったぐらい
そういうところは好きだった
冒頭、3つの手のクローズアップから始まる
それぞれの手の動きで不倫を表現してるのだろう
のちにも登場人物の手をクローズアップしたまま動きをノーカットで追いかけるようなショットがあり、ああこういう演出が縦軸になるのかなと思ったら次には足を追っかけていたりしてよく分からん
しかしやたらとテクニカルな映画だ
カット割りには極端なまでの緩急がある
上述のような長回しがあるかと思えば『レクイエム・フォー・ドリーム』ばりにハイスピードに切り替わったり
いかにもヌーヴェルヴァーグなジャンプカットも頻用
あとは地上で転回する飛行機と男女の抱擁が2重映しになったり(オーバーラップして切り替わるわけではなく、ずっと2重に映っている)
『悪魔のいけにえ』のいけにえたち 町山智浩単行本未収録傑作選29 ショック編3|映画秘宝公式note
https://note.com/eiga_hiho/n/nf5a4b3e27cc6
書かれてるようにこの映画は奇跡だと思うしいつまでも謎めいていてほしいので裏話などには触れずに来たのだけど、つい読んでしまった
なんというか、奇跡というのは100%が偶然の産物というわけではなくて、奇跡を誘発する要因がたまりにたまった挙句に偶然が着火して引き起こされるものなのだなと
映画内の世界に匹敵するぐらい現場がおかしい
2は良くも悪くも安心して見れるよねえ
#映画 #ホラー映画
※リンク先に性的な記述あり
https://note.com/eiga_hiho/n/n76681ba636ff
井口監督は同じ谷崎原作の『卍』を監督してたけど、こういう体験にともなう諸々をぶつけた作品だったりするんだろうか(未見)
#映画 #井口昇
https://theriver.jp/jw4-action-making/
キアヌの銃さばき本当にかっこいい
リアルかどうかとかは自分には分からないけど
トムクルーズは相当研究してるらしいけど、キアヌも努力してるんだろうな#映画
ミッドナイトシネマ 『利休』
8/20 (日) 0:30 ~ 2:45 (135分)BS松竹東急
ノーカット。アマプラはレンタルか追加サービス要加入だけど、U-NEXTほかで見放題配信もされてる
劇映画として面白いかは微妙だけど、とにかく作り手の揺るぎない美意識を感じる映画
監督は草月流家元でもある勅使河原宏。美術家にして芥川賞作家の赤瀬川原平を共同脚本に起用してることからも、一筋縄ではいかない作品なのが分かる
特に長谷川等伯が襖絵を描くシーンは、自分にとって絵というものの捉え方・見方が変わるぐらい印象的だった(美術史にも歴史全般にも疎いので、あれが史実なのかは知らない)
できれば赤瀬川原平の著書『千利休 無言の前衛』と合わせて体験してほしい#映画
ちなみにWikipediaによると、撮影に使われた美術・工芸品には国宝級の本物が数多くあったらしい
新種のヘビ、ハリソン・フォードにちなんで命名される ─ 「どうして子どもを怖がらせる生き物ばかり」 | THE RIVER
https://theriver.jp/ford-snake/
『悪い子バビー(原題:Bad Boy Bubby)』は悪い子ではないが……。|氏家 譲寿, George Ujiie
https://note.com/namaniku29/n/n65077bd63d6b
国内ではVHS販売しかされてなかったロルフ・デ・ヒーア『アブノーマル』(1994)の話。改題して10月から全国公開
#映画
ウィリアム・フリードキン亡くなったのか
エクソシストより先に思い浮かぶ「クルージング」、アマプラでレンタル・購入できるんだね…#映画
ウルリケ・オッティンガー監督「ベルリン三部作」がユーロスペースほか全国で順次公開 | CINRA
https://www.cinra.net/article/202308-whn-ulrikeottinger_edteam
#映画
シャルロット・ゲンズブールが語る、カメラを向けて変化した母ジェーン・バーキンとの関係|Real Sound|リアルサウンド 映画部
https://realsound.jp/movie/2023/08/post-1393987.html
"そこに父セルジュ・ゲンズブールのイメージを一緒に出したくないと思っていました。母はこれまで長いこと父とセットで見られることが多かったんです。常に父の亡霊がそこにいるようでした。だから"
#映画 #音楽
『バービー』騒動の考察、謝罪文の背景 | THE RIVER
https://theriver.jp/newsletter-230804/
推測も多分に含まれてるけど、時系列含め経緯の把握の助けになりそうな記事 #映画
https://horror2.jp/60953
●ギーガーに取材しに行ったらずっと『エイリアン』の愚痴を聞かされた
●ギーガーは『キラーコンドーム』を手掛けたことをあまり覚えていないようだった
●公開時のチラシには「ギーガーが“自分の手掛けた作品の中で『キラーコンドーム』だけが唯一気に入っている”と語った」と書かれている
●ギーガーが延々語った『エイリアン』への愚痴は、今回新たに制作される『キラーコンドーム』のパンフレットに収録される
趣味方面で見聞きしたものの記録が中心です。ブロック・フォロー・リムーブなど気兼ねなくどうぞ。
キーワード購読などでたどり着いた見ず知らずの方の投稿にリアクションすることがあります。ご容赦ください。望まれないようでしたら、お手数ですがブロックをお願いします。
またキーワード購読を多用している関係上、いわゆる先回りブロックを日常的・半機械的に行っています。TLの煩雑化を避けるためであり、敵対的なものではありません。