『ゲッタウェイ』(1972)見た ※ネタバレと暴力的表現
あまりペキンパーっぽくないと聞いてたので後回しにしてたけど思い立って視聴
確かにペキンパー濃度は低めだけど面白かった
監督のファンは満足しないかもしれないけど、一般的にはこれぐらいの方が見やすいかも
にしてもハードな描写は多いけど
銃殺死体のそばを3人の子どもが普通に歩いていくとことか印象深い
主人公が自分を刑務所から出すためにギャングのボスと寝た妻に嫉妬?するところがよかった
それより前のシーンで、長い刑務所生活で主人公が(一時的に?)性的な不能状態になっていることが示唆されるけど、あれのおかげで嫉妬のくだりにぐっと深みが出る
それ自体が目的化したような伏線回収は冷めてしまうけど、描写に奥行きを与えるこういう仕込みは上手いなあと思う
追跡者のパートもよかった
こちらはブラックな艶笑劇でもはや別の映画みたいだったけど
押し入ってきたギャングに簡単になびいて、挙句に縛り付けられた夫をからかい始める妻の変貌ぶりがすごい
最終的に夫は首を吊るけど、その表情も間抜けでブラックコメディ的
夫の死を察した妻がベッドに寝そべったまま浮かべるなんともいえない表情がよかった
続き
クライマックスの銃撃戦は素晴らしい
ペキンパーらしく激しくて工夫にあふれてる
ショットガンを扱うマックィーンかっこよすぎ
クインシーの音楽は、随分饒舌だな…と最初は戸惑ったけど、ファンキーかつ遊び心があって楽しい
純粋に音楽として『夜の大捜査線』のサントラに匹敵するぐらい好きかも
ソウル・R&Bのイメージが強いけど、本来もっともっと多才な音楽家なんだよなあ
あとはオープンカーに乗り込んで銃撃戦に赴くグラサン姿のギャングたちが、テンガロンハットが風で飛ばないようしっかり手で押さえてるのが面白かった
ルーフ閉じるか普通にワンボックスカーで行けと