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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー 

たまに考えてはメモしてたことのざっくりまとめ
ひとまとまりの文章にする意欲が湧かないのでもうこれでよしとする
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肉体と機械、科学と芸術、奇想と哲学、の混淆・同居
直接的には『クラッシュ』『イグジステンズ』とかの系譜
そういう作風自体は唯一無二というわけでもないけど、たとえば『鉄男』シリーズなんかと比べるとクローネンバーグの感覚は肉体というものとより密である感じ(もちろん優劣の話ではない)
その混淆具合、倒錯のレシピはやはり独特と思うし、背後にある一貫した思想をいやでも感じる

ストーリーはもちろんあるんだけど、クローネンバーグが監督のキャリアを通じて描いているもの、描きたいもの同士の間をつないだ結果として浮かび上がったものにすぎないようにも思えた
そもそもストーリーってのはそういうもんだろと言われればそうなのだけど、なんというかストーリーテリングへの熱意が単体としての造形・描写などへの熱意に比べてどう見ても少ないというか
次々に現れる異様な造形・描写がストーリー以上に雄弁にこの映画が何であるかを語っているように自分には感じられた

続く

続き ※残酷、性的 

もしこれをファスト映画にするとしたら相当難儀するんじゃないだろうか
ファスト映画見たことないから分からないけど

臓器の造形や手術の見せ方などは、いうほど生々しいとは感じなかった
あくまで芸術の作法にのっとったグロという印象
クローネンバーグはあくまで自身のイマジネーションを形にしたいのであって、厳格なリアリズムはそれに優先されるものではないのだろう
本人に聞いたら「いや金が足りなかったのよ」とか言うかもしれないけど

しかしほんと愛想のない作品だ(一か所だけ、額に何だったかを埋め込んだレア・セドゥの顔を映す前の焦らしにはクローネンバーグの愛嬌を感じた)
オーディエンスフレンドリーな部分がほとんどない
でもそれがよかった、疲れたけど
どこを切りとってもクローネンバーグでしかない映画をリアルタイムで劇場で体験できてよかった

一番印象に残ったシーンは、女性器を思わせるコントロールデバイスを男が操作して女の体に刃物を入れ、女が快感を露わにするところ
ほんとクローネンバーグ

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