今日は楽譜浄書家としての仕事をした。
いわゆる現代音楽の、五線譜と図形楽譜を足して二で割ったような複雑さ極まる楽譜を、手書きからデジタル譜に直すという仕事。
西欧音楽に残る楽譜至上主義に加担してしまっているなぁとは思いつつ、できることで食べていく手段は選ばずにいく。
なかなか大変な作業ではあるので、締め切り間近で始めるというよろしくないことをしたら、案の定明日は10時間くらい作業することになりそう。面白くなってきたぜ…
(4/n) 今日読んだ分のまとめ。
ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』は、透明なニヒリズムや西欧音楽の袋小路からの脱却を目指す変革の一歩だった。
この変革の本質は、主題を《展開》ではなく《変換》していくことにある。
展開は、主題が表している主観的意味、つまり「意味されるもの」を広げたり状況を変えてドラマをつくっていくこと。
変換は、主題を純粋なオブジェ、「意味するもの」として操作し、何かを告白したり物語ったりさせず、象徴として存在させ続けながらその色合いだけを変えていくこと。
《変換》の音楽は、ドビュッシーに影響を与えたバリのガムラン音楽や、ニューギニアの歌、インド古典音楽など、神話的世界や象徴的世界に紐づけられた音楽に見られる。そのため、西欧音楽でも古代的世界観や神話などの助けを借りて《変換》の音楽を推し進める動きはあった (ワーグナー、ドビュッシー、ラヴェル、ストラヴィンスキーなど) が、結局西欧音楽にはそのようなディスクールの構造が無いため、それを続けていくことはできなかった。
#読書メモ
チュートリアル的なまとまった情報がなく、調べてもフォーラムのスレッドくらいしか出てこない (そして大体解決していない)、こちらでいくら試してみても動作しているかどうかすらうまく確認できないというしんどすぎるソフトと格闘していて、今日一日すごく時間を無駄にしたという気持ちが強くてとてもつらい。
(3/n)
筆者の言う「意味」や「知」について正しく理解できているかはわからないけど、一度ここで自分なりの考察をしておく。
かつては「全人類に共通する神」がいたと思われていた。当時の人々が思う人類とは、せいぜい似た文化をもつ隣国の人たちまでだったのだろう。
いまは根本的に違う。我々は隣人でさえ、あまりに自分と異なった存在であることを、おそらく多かれ少なかれ目の当たりにしている。それはひとえにインターネットによって可視化されたため。自分と反対側の地球にいる人達の生き方も、隣にいるがそれまで見えることのなかった彼らの内面も、もちろんすべてではないが見えるようになった。
ある事物が「人々の間であまねく共有しているコンセプト」、つまり筆者が言っていると予想される「意味」を持っていなければ、その存在すらも危うい、という論調なのだとしたら、それはもう現代においては構築しえない論理だと思う。
#読書メモ
QuizKnockのチャンネルに出ていた三輪眞弘さんも、「新しくても意味を持たなくてはならない」と言っていて、むしろ依然として現代音楽は意味に依存しているんだと思った。
「存在意義」としての「意味」はもう本当に失われていて、だからこそ外付けの意味にがんじがらめであり、それが現代音楽の生存戦略なのかもしれない。
https://youtu.be/gqY6Jv5h4I4?si=GPrFE0fGPoFvJ9Gi&t=662
北沢 方邦著『メタファーとしての音』結論『野生の思考の復権に向けて』。
(1/n)
この章ではまず、西欧音楽の現代までの流れを追っている。
第二次世界大戦後に西欧音楽は、トータルセリー音楽や電子計算機による音楽といった「作曲家のロゴスをはなれて自律的な小宇宙を構成」するものになり、そうなった音楽は「一次的コード」、つまり一人ひとりが元々持っている (と信じられていた) 感性によって音楽の意味を紐解くための共通言語が無い、それはつまり「意味」を失っている、と指摘されていた。
最初は数字で決まった音にもその理論によって意味づけられて決定されているのでは?と思ったけど、そうか、数学的意味みたいなものはここで言われている「意味」とは違うのか。
このあたりの論調から、著者は意味を喪失した音楽に対して批判的・懐疑的っぽいけど、私はまだ「無意味な作品」にこそ生々しい現実・現象として、それこそ意味があるって信じているのだけど。
#読書メモ
健診で再検査項目があったので、病院に採血しに来ている。病気に対して年々臆病がひどくなってるから緊張でうっすらお腹痛いけど、病院の方たちが皆優しくてありがたい…
ゾンビの定番は、理性を喪失して人間を食べ物と認識して襲うというものだと思うけど、それなら共食いが起こらないのはなぜなんだろうという疑問がふと。
匂いが明らかに違うだろうから、そこで判断されているのかな。それか、ゾンビ同士は仲間だと認識できるだけのホルモン機能があったりするのかな。
(単純にゲームやストーリーに共食いシステムは邪魔だからっていうのは、なんというか、野暮じゃないですか )
#fedibird
社会人大学院生: サウンドプログラマ/フロントエンドエンジニア/大学非常勤講師として働く傍ら、インタラクティブアートやサウンドアートについて研究中。作品制作も細々と。