ブラームス二重協奏曲の分析続き。やっぱり第3楽章、とても精巧にできている。
「下行し続けるもの」だった主題は、最後のクライマックスで初めて上行する。
この上行の影響によって、主題は下行することを躊躇する→下行はもはやしなくなる→一気に上行して昇華、という変化を経て輝かしく曲は終わる。
この仕掛けに気づいたときのアハ体験といったらもう。
普通に聴いているだけではなかなか捉えられないし、こうして言葉にしてみても何とも無いものに見えてしまうけど、これを演奏者側が知っているか知っていないかで、表現は全く違うものになる。曲の分析とは、そのためのもの。
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